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タクマの報告書

火星の実態が判明します

「なるほど、やはり当時の人類では火星での自給自足は不可能、限りある

食料や燃料を節約しつつ生存方法を探ったみたいだな」スタージナス


「優秀な者を10人程選抜し残りの者は先に冬眠カプセルに入ったそうです」

「なるほど10人でココを管理運営したのだな。ならば相当維持出来たはず」


「ココは元々火星管制ターミナルで地上2階地下10階建てそしてカプセルを

保存した階のみを残し全ての区画は閉鎖したそうです」


「ギリギリの生活で10年生き延びたみたいだ」

「その間必至で月目基地、コロニーと連携をとり生存を模索したみたいだな」


「しかし、コロニーに再び隕石が衝突しいち早くコロニーが脱落したらしい」

「次に月面の連絡が途絶え、最後に火星が全てを終えたそうだ」スタージナス


「地球がほろんでから10年2ヶ月で完全に火星も機能が停止した」

「絶望の中最後の10人が冬眠カプセルにはいり望みを繋いだのだな」


「その10人の内の1人がタクマさんだったのか・・・」ジパン


「MS様から報告を受けた火星資料からも生存日記が出てきました」メリダ

「タクマさんが面会を求めてます」リン


「うむ、こちらも報告書を読み終えたところ丁度良いですね」シンジ


勿論面会と言ってもタクマは集中治療室内の無菌室に隔離状態モニター越しで

シンジと向かい合う


「どうですか体調は?」

「リハビリもほぼ終えて先生の話だとぼほ100%機能は回復したそうです」

タクマ


「記憶はどうですか?」シンジ


「はい、ハッキリと思い出しました記憶障害はないとの事です」タクマ


「さて、お互い報告書は見ましたが今回は質疑応答型式にしましょう」シンジ

「では、私の方が先に質問してもよろしいですか?」タクマ


「勿論です、どうぞ」


「それでは、最初の質問ですが報告書を読んでも理解出来ませんが

貴方方は本当に我々の末裔なのでしょうか?」タクマ


「はい、報告書のDNA鑑定資料にありますが100%末裔です」シンジ

「ですが、シンジさんだけは違うとか?」


「はい、私は貴方と同じですが地球滅亡前に地球から放出された冬眠カプセル

からの唯一の生存者です」シンジ


「はい、報告書で拝見しましたが他の人類20億は回収されたものの難問題に

直面し蘇生がかなわないそうですね」タクマ


「はい、ウラシマ効果という未知の現象により蘇生が出来ません」


「報告書を拝見しても未だに信じられないのですが別の地球がありそこに

140億民が生活してるとのこと」タクマ


「はい、最初に3億の民が300年歴史を刻み5億のゴブリンが合流し

300年間に様々な理由により幽閉された20億民が続きました」シンジ


「更にそちらの地球から意思だけを引き継いだ80億民が救助され今現在

大王地球圏で生活しています。ここ20年で人口が増え合計140億の人類が

大王地球圏で生活してるのが現状です」


「信じられない事の連続なのですがシンジさんの説では大王地球ではゴブリン

こそが原種だったそうですね」タクマ


「私は神を信じませんが全くの偶然なのですがゴブリンは人類です」シンジ

「ば、ばかな・・」とまどうタクマ


「DNA鑑定の結果100%人類と証明されてます99%とかではなくて

完全100%合致してるのですから人類と認めない訳にはいきません」


「これは根拠のない私の仮説なのをお断りしますが・・・」シンジ


「はい、承りましょう」タクマ


「なんらかの意思・・信じたくはないのですが神に近い存在が15000光年

彼方の大王地球を発見し原住民であったゴブリンを改造し人類と完全互換を

果たし共存させたのではないかと」シンジ


「まるで神が操作、創造したと言わんばかりですね」タクマ


「わたしは信じてませんが・・・現実が物語ってるのです」シンジ


「しかも・・・あの、その・・・まことに恐縮なのですがその・・」タクマ

「タクマさんの言いたいことは分かってます我々も同じ思いです」シンジ


「その、捨てられた筈の80億民がなぜそちらの大王地球に転送されたのか」


「これも私の仮説で荒唐無稽なのですが・・300年を掛けて先行民を送り

科学力がついたところで意思のみの存在だった・・・つまり、れ、霊魂に体を

当てはめた・・・」シンジ


「ば、ばかな・・・それこそ奇跡、神の所業です」タクマ

「そして、これも信じがたい事なのですが記憶が操作されてて80億民は

人類滅亡の記憶が完全に削除されて蘇生されたのです」シンジ


「あ、ありえません、非科学的すぎます」タクマ

「私も信じたくないしありえないと思ってますが・・・これは事実」シンジ


「ま、まさか神様の手のひら?」タクマ

「わたしは信じません全てはいずれ科学で証明して見せます」シンジ


「報告書を読みましたが神様全否定派のシンジさんが創造の雲を作り

結果的に第二の神様を創造したとか?」


「はい、第二の悲劇により破壊された廃コロニーに最初の神が存在したからです」

シンジ


「ごめんなさい、因果関係は全て繋がってる様にも思えますがあまりにも

荒唐無稽すぎて私の脳ではついていけません」タクマ


「あわてる事はありません。どうか心落ち着かせて下さい今日は終わりです」

シンジ



翌日


「昨日は取り乱してしまい申し訳ありませんでした」タクマ

「いえいえ、実際私ですら混乱してますので」シンジ


「信じたくはありませんが全ては事実受け入れるしかありませんね」タクマ

「はい、私も同じ考えです、問題はその先の事」シンジ


「はい、分かります20億民の救出方法ですね」

「ご協力願えますか?」シンジ


「分かりました僭越ながら出来る限りの協力は惜しみません」タクマ


「ですがその前に我々の仲間を蘇生して頂くことは可能でしょうか?」タクマ

「勿論です、今現在のタクマさんの経過観察次第ですが最低でも2~3ヶ月は

検査が必要かと思います」シンジ


「それは当然ですね。私は貴重な実検体・・この体でよければ喜んで」タクマ


「で、どうですか?昨日から普通食に移行しましたが?」


「はい、いままでの点滴と流動食はもう飽き飽きしてました」タクマ

「申し訳ありませんまだ胃腸の経過観察中なので本当の意味での普通食では

ありません」シンジ


「ははは、病院食なのは承知してます。これでも十分今までよりはましです」

「で、この無菌室はいつ出られるのですか?」タクマ

「申し訳ありません、各種免疫を確認してますが2ヶ月は覚悟ください」

「わかってます、当然ですから」タクマ


「タクマさんの報告書があまりにも優秀でこちらが質問する事はほとんど

ありませんね」シンジ


「え、そうなんですかいずれ質問の嵐が来ると覚悟してたのですが・・」


「いえ、さすがは最後の生き残りです「ホウレンソウ」完璧すぎです」シンジ

「実は最後の2年間絶望の淵の中誰に読まれることもない筈の報告書ですが

コツコツと自分なりに人類の軌跡をまとめるのが自分の使命だと・・」


「わたしが言うのもなんですが本当に人間ってしぶといですね」シンジ


「最後まで諦めたら駄目と言う事ですね」しみじみと生還をかみしめるタクマ

「それにしても驚きましたが大王地球が奇跡の発展を遂げたのは大王以降

という事実」タクマ


「はい、大王以前は中世ヨーロッパと何ら変わらない科学と様式でした」

「まさか大王が神自身なのでしょうか?」タクマ


「否定はしませんが・・・旦那もお子様もいる神様って違和感ありますね」

シンジ


「た、確かに」初めて笑ったタクマ


「ですがここの設備を作ったのは大王の娘さん達なのですよ」シンジ

「おおお、神の継承でしょうか?」


「うーん、毒舌でいやみで天才な2人・・私は苦手なんですけどね」シンジ


「これも私の仮説ですが大王は神様ではありませんが神の啓示を受けられる

貴重な媒体なのではないかと」シンジ


「なるほど、過去にも神の啓示を受けたという偉人は多いですね」タクマ

「まあ、私の意見では頭おかしいんでしょうけどね、バカと天才なんたらです」


「暇なんでネットで情報検索しまくってますがシンジさんの天才ぶりも

紙一重なんですか?」タクマ


「私なんて凡人です。数年かかっても未だに20億民すくえてません」シンジ


「うーん、大王の格言で「謙虚は罪」とありますね」タクマ


「ま、その話は置いといてこのウラシマ効果って本当に人知を越えてますね」

タクマ


「そうなんです人類総動員でも解明出来ません・・」シンジ


「しかし私の存在とシンジさんの存在・・・これヒントになりませんか?」

「はい、そのためにも残りの3千人をどうしても救出したいのです」シンジ


「つまり私の経過観察が極めて重要・・」タクマ


「どうです?ウラシマ効果を探ると実に堂々巡りでしょ?」シンジ


「た、たしかに」大笑いの2人

「じれったいですね」

「じれったいですが仕方有りません」


「もし仮に私が生還を果たし残り3千人も何事もなく蘇生できたら・・・」


「はい、火星ではウラシマ効果が発症しない」シンジ


「失礼ですがシンジさんはなぜ発症しないのでしょう?」タクマ

「全く不明です、皆とどうちがうのかが分かってません」シンジ

「ヒントになるかどうかですが私も100人選ばれた民でした」


「つまり冬眠カプセルが特別仕様だった?」タクマ

「ですが他の99人はもれなくウラシマ効果が起きてます」シンジ


「うーーーん・・・それは不思議ですね」タクマ

「不思議なんです・・・考えると頭がおかしくなります」シンジ




「残り2978体の検体の損傷度を検査しましたが蘇生に問題ないレベルでした」

リン


「タクマさんが丁寧に保管したお陰ですね」シンジ

「決断は大王次第です」メリダ


「どうですかシンジ?貴方の見解を伺いましょう」アスタージナス

「はい、今日で43日経過しましたがいたって順調・・確証はありませんが

ウラシマ効果は発症しないと思います」シンジ


「分かりました、それでは先行して残りの9体を蘇生しましょう」アスタージナス

「集中治療室の準備はどうですか?」ウラアール


「受け入れ体制万全です」メリダ


「記憶障害の件はどうしますか?」リン

「この9人は治療行いましょう」アスタージナス


「タクマさん喜んでください明日9人が救出される運びとなりました」シンジ


「おお、待ちに待った日がきますね・・・彼らは苦楽をともにした同士

共に生還を喜びたいと思います」タクマ


「蘇生術開始・・・・」リン

「グシュウウウウウ・・・」


「経過順調、全て想定内オールグリーン」メリダ

「続けて第二薬投入、記憶障害除去します」メイ


「全て終了完璧にミッション完了です」場内から拍手が沸き起こる


「おおおっさすがに今回はノウハウがあるだけに完璧でした」シンジ

「このまま治療とリハビリプログラム開始します」リン


モニターで様子をみていたタクマ・・「こんな壮絶だっったんですね」

「今回の治療プログラムは一月予定です。再会までしばらくお待ちください」


「はい、感謝してます、このご恩は必ず」タクマ

「それにしても全自動リハビリシステムは画期的すぎますね」タクマ


「貴方も同じリハビリ受けたんですよ」シンジ

「私の時代のリハビリってとてつもない努力を要したのに・・」タクマ

「ゴブータ様とジパン様の壮絶なリハビリを見て研究が始まりました」メイ


「それで、相談なんですが・・」タクマ

「はい、なんでしょう」シンジ


「わたしも是非シンジ様の部下としてこのミッションに加入したいのです」

「豊富な知識をもつタクマ様ならば大歓迎です」シンジ


「私はシンジ様の部下ですからこれからは呼び捨てに願います」タクマ

「年上の方にそれは失敬です」

「かまいません、けじめはつけます」タクマ


「それはともかく残りの9人の意思も確認しますね」シンジ


「はい、ですが私はリーダーとして皆の心情は把握してます」タクマ


「ところで残りの研究院の蘇生と記憶はどうしますか?」シンジ

「はい、この護衛艦内での治療は無理ですので今火星に医療施設を建設中

2~3ヶ月で完成予定です記憶に関しては保留です」大王


「本人の意思を聞いてからですね」シンジ

「はい、その予定です。忌まわしい過去を無理に思い出す必要はありませんし」


「お言葉ですが研究所所属の課員全てが選ばれた優秀な研究員、やわな神経では

ありません」タクマ


「なるほど・・それでは今回は全員記憶戻しましょう」アスタージナス


「大王の配慮感謝します、われら必ず大王の役にたってみせます」タクマ


「それと私に皆の研修任務お任せ願えますか?」タクマ


「はい、正に適任かと思います生還早々お手数ですがよろしくお願いします」

アスタージナス


「はい、リーダーとして私が適任かと自負していますお任せ下さい」タクマ


火星遺跡の隣にSBが張られ医療設備と居住区が建設された


「恐ろしい科学力ですね・・結界魔法ですか」タクマ

「はい、この世界では「魔法」という事になってますが絶対に科学反応です」

シンジ


「魔法ということにして置いた方がファンタジーですけどね」タクマ

「私は非化学的な事は絶対に否定派なんです」シンジ

「基本私も同じ考えですが科学では語れない事もあるのも事実です」タクマ

「それは現在分からないだけでいずれ解明できる筈です」シンジ

「シンジ様とは意見があいますね。私も同感です」タクマ


「SBとやらが張られる前も私達は火星を宇宙服もなしでしたけど?」タクマ


「ふ、実は宇宙服は着用していたのですよ、ヘルメットもね」シンジ

「ば、ばかな・・・それこそ魔法・・」タクマ


「「度を超えた科学は時として魔法と同じに見える」ですよ」シンジ

「なるほど・・確かに私の生きた時代とは一万5千年経ってるのですからね」

タクマ


「報告書に書いた通りホンの20年での事ですよ」シンジ

「そ、それこそ魔法ですね」タクマ

「神がかってますが私は科学だと信じてます」シンジ


「こりゃシンジ、さっきから聞いておれば同じことばかり」スタージナス

「タクマ君、短気なのがスタージナス様の癖ですから注意してね」シンジ

「はい、しかと心得ました」タクマ


「こら、ふたりでなに納得しあってるんだ!」スタージナス


治療室以来シンジとタクマは固い絆で結ばれたようだ迷コンビ誕生?


「新たなる王命です、シンジは火星研究院全員を部下として責任もって

対処するように、タクマは副官です」アスタージナス


「王命とあらばよろこんで」傅く2人


続けてSB内に小規模農園が全自動で開拓された


「こ、これがあれば我々は助かったのに・・・」嘆くタクマ

「ふ、まるで死んでしまった様な言い方ですね。全員助かってますよ」シンジ


「御意、あのときヘタに自給自足が出来たらそのまま火星で何の生きがいもなく

朽ち果てていたことでしょう。こんな素晴らしい未来をみれて幸運だったのかも」


「何事も前向きに考えましょう」シンジ


「こちらの施設内で皆様は社会復帰に向けたカリキュラムを行って

頂きますがいずれは大王地球か新地球へ移住していただきます」ウラアール


「はい、私達はシンジ様にどこまでもついて行きます」タクマ


「むうう・・・ちょいとこまったやもしれん」スタージナスが呟く

「大丈夫ですいずれは私の罪状についても全て話します」思念通信で返すシンジ


「うむ、だが全て事件が解決してからの事じゃ」思念通信で返すスタージナス


施設が完備し順次火星研究員達が救出されていく当初は日に30人規模

治療班が慣れるにしたがいそのペースは100人/日となった


集中治療とリハビリシステムも全自動化されて20日間入院で完治となった


「コレも全てタクマ君の処置のお陰で損傷が少なかった影響です」シンジ

「私としては黄泉の世界にせめて綺麗に送り出そうとした結果です」タクマ


みな涙涙で生還を喜び合う


もし生還できたら将来を誓い合った男女カップルもいた

「まさか、こうして君に会えるとは思ってなかった」熱く抱擁を交わす2人


そして、現実をしり驚愕するまでがセット

「え、ま、まさか・・・15000年も経ってるのですか」


「皆さん、こうして生還できたのは全てシンジ様のお陰です」タクマ


「タクマ所長、我々は所長の命令にしたがって本当によかったです」一同


当然当時の火星で冬眠するべきか朽ち果てるべきか激論があったのだろう


「と言う事で先に生還を果たした私が皆様の面倒を見ることになりました」


「は、タクマ所長にすべてをお任せします」一同

「で、私の上司はシンジ様ですこれからはシンジ様の言う事を良く聞くように」


「はは、シンジ様に従います」一同


「ははは大げさな・・皆さんは自由です治療を終えたらどこに行こうが勝手です」

シンジ


「ですが私達はこの世界についてなにも存じません」一同

「はい、ですからこの施設を作りました。じっくり学習していきましょう」リン


「よろしくお願いします」一同


「乗りかかった船ですからお付き合いしますが私の本筋は20億民救出です

どうか皆さん私に力を貸して下さい」シンジ


「もちろんです全面的に協力致します」一同


「思ったのですが火星と廃コロニーの資料調査をお任せすればはかどるのでは?」

メリダ


「おお、それは良案元地球をしる方ですので調査も容易ですね」シンジ

シンジはこの後の方針の具申書を大王に提出し許可を求めた


「それは大変結構です。これ以上の適任はありません」大王


治療センターの横に臨時研究室を建てリハビリが完了した研究員がそのまま

研究活動を開始しはじめた


「ま、まさか・・・シンジ様」研究員A


「何事ですか?」シンジ


「あの、・・ミノフ粒子とタキオン粒子・・開発したのですか?」A

「もともとは君達の技術だろ?それを再現しただけ」シンジ


「あの、両方とも架空の話というかアニメの話なんですが・・」

「私はアニメなる物はしらない。SFってなに?」シンジ


「あはは、いいじゃないですか現実に作り上げたのですから」タクマ

「というかシンジ様は神様です・・」おそれおののく研究員


「だからなんども言うけど全ては科学で説明がつく事なのですよ」シンジ

「確かに我々の世界ではありえない時空移動とかが当たり前の世界ですからね」


「ブラン様という天才が長年を掛け心血を注いで築いた技術です」シンジ

「ネコ型ロボットの世界が現実とは驚きました」研究員


「慣れてね」シンジ

「なによりも驚いたのが究極のリゾート地テイロン島の存在です」B

「あー、それこっちでも解明出来てません御法度です」シンジ


「長年旧火星で粗末なレーション生活だったせいかもしれませんがこちらの

料理は規格外です・・ですが料理の種類自体はほとんど同じという不思議さ」C


「うんうん、カラーライスとコシヒカリの美味さは常識外です」A

「あと、魚貝類の美味さ」


「あのね、それはこっちでも七不思議なの!」シンジ

「えーーそうなんですか、15000年経っても感性って案外同じですね」C

「あのね、私達は宇宙人じゃないんですよ。同じ地球人ですからね」シンジ

「し、失礼しましたあまりにもの科学の違いに勘違いしてました」B


「さて諸君、その調子なら研究活動開始しても差し支えありませんね」シンジ

「はい、私達はすっかり回復してますどうかご指示を」一同


「当面は手分けして資料の区分けお願いします」タクマ

「私達が整理した資料ですお安い御用です」一同


「こっちで整理したら数年かかると予想されますが短縮可能ですか?」シンジ


「へ?ばかなそんなに時間掛かるわけ有りません一月で十分です」

「助かりますお願いします、あと廃コロニー分もね」


「了解しましたお任せ下さい」B

「それにしてもビックらこきました、風化してるはずの記憶媒体を

3Dプリンターで完全復活できてるなんて・・・」A


「いや、それも風化を最小限に食い止める措置をしてくれたタクマ君のお陰」

「私的にはいつの日か知的生命体がこれを発見したときに人類がいた証を

残したかっただけです」タクマ


「君のお陰で大いなる前進が予想される、本当にありがとう」涙するシンジ


「そ、そんなぁ」照れるタクマ


日に日に貴重な資料が解明されて報告されていく

「これはすごい発見、人類史がすべて判明しました」大喜びの大王


「さてはて、この膨大な資料の中にウラシマ効果のヒントは見つかるのか」

スタージナス


「必ず埋もれているはずです神の啓示ですから」力説するゴブヨ

「神の話では、どこかに必ず太陽系とそれ以外で差異があるはず」ゴブヨ


「しかし・・・そんな差異本当に見つかるのでしょうか」研究員D

「貴方達が蘇生できたのが何よりの証拠です。何かが違う筈です」大王


「あと、人類未到達の科学があるとも啓示を受けてます」ゴブヨ

「人類未到達???未到達なのをどうやって発見するのでしょう」B

「人類が今までに発見した物は全てそれ以前は無かったのですよ」シンジ


「そ、それは理屈ですが・・・実際には雲を掴むような話です」

「ワン様にヒントがあるとも言ってました」ゴブヨ


「ワン様といえば大王太陽系火星王・・・因果はなくもないな」シンジ


「む、確かシンジは大王地球と元地球ではわずかに光成分が違うと

改善を申し立てていたな?」スタージナス


「御意、ワン様式の分光器では判明出来なかった光成分ですが私が改造した

デジタル分光器では些末な違いを検知出来たからです」シンジ


「太陽と他の恒星では光成分が違うのでは?」スタージナス


「当然です同じ成分の星などひとつとして存在しません」シンジ

「それ、重大なヒントの気がしますね」アスタージナス


「え?」シンジ「そっそうか!」


「シンジ、今の解析器の精度はこれ以上上げられるのか?」スタージナス

「当然です、CPUの性能とともに精度はいくらでも上がります」シンジ


「スイマセン、時代遅れの私達ですがその装置拝見させて下さい」研究員


「どうぞ、そこにあります」シンジ


「む、これは新開発した改カミオカンデに構造が似てますね」研究員


「なんですかそれ?」シンジ


「はい、ニュートリノを検出する機械ですがデジタル解析が進み

コンパクトになりました、丁度この装置そっくりなもので」


「む、設計思想は全く別なのに同じ性能ってのも引っかかりますね」シンジ

「ニュートリノって超新星爆発のときに発生する粒子ですよね」シンジ


「はい、火星基地ではニュートリノ検出も重要な任務でした」

「ですが我々の装置では限界があり数十万個にひとつかふたつ原因不明の

現象が発見されてたのですがそれがなになのか分かってません」C


「な、なに!」シンジ


「その不明なデーターってこのノイズのこと?」シンジ


「あ、あれーーー15000年経っても解明不能だったんですね」


「いや、我々はそれは単なるゴミ、ノイズだと思って見逃していた」シンジ

「うーんノイスで片付けるには不自然なんですよね定期的に発生するし」


「まっ、待ってください、もしかして機器の性能があがれば判明できる?」

俄然身を乗り出すシンジ


「それはなんとも・・人類未到達の科学ですから・・」

顔を見合わせる一同


「そ、それだ!」


「早速ですが廃コロニーに連絡して創造の雲に解析依頼しました」リン


「結果はどのくらいで出ますか?」シンジ

「残念ですが今の創造の雲では不十分、予想時間数十年と出ました」


「くっまたしても堂々巡りか・・・」シンジ


「あの差し出がましい様ですが実は・・」研究員


「なんでも言って下さい遠慮は無用です」


「創造の雲ってコロニー内に漂わせるナノ粒子コンピュータの事ですか?」


「よくご存じですねその通りです」シンジ


「はい、実はS5のコロニーでは、そんな研究をしていた様です」

「たしか貴方達はコロニーとも連絡とりあっていたそうですね」シンジ

「はい、コロニーには1人の天才学者がいてシンジ様と全く同じ研究してました」


「で、それで?」


「はい、こちらの火星の資料に運用に関するアルゴリズム解析データが

残ってます当然15000年前ですから古くさいでしょうけど」


「その判断はこちらでします。とにかく教えて下さい」シンジ


「はい、こちらのマイクロチップにソフトは入ってます」研究員


「ソフト解析入ります」メリダ

「解析完了・・・驚きましたこんなアルゴリズムは初めてです」メリダ


「どれどれ?・・・・なんじゃこりゃ!」腰抜かすシンジ

「これは現代でも全く未知のアルゴリズム・・・素晴らしい、即採用です」


瞬時に廃コロニーに転送し創造の雲に組み込む・・・すると

「ヴヴヴヴ・・・」雲が一瞬青白く光った!


「いかん爆縮か?」あわてるシンジ異次元に飛んだら大変だ

しかし今回は絶対数が足りなすぎたのだろう異次元には飛ばなかった

「やれやれ、助かった、今これを失ったら全てが頓挫だった」シンジ


「ですが大きさが1/3位になってちっさかったのが更に可愛くなりました」

リン


「濃縮しただけだから性能は変わらないはずむしろ効率UPした様に見える」

シンジ


「シンジ様大変です先ほど数十年かかるとされた解析予想ですが

数十ヶ月と改正されてます」



「おおおっ」驚く一同

「このまま解析をつづけてください」シンジ


「この調子ですから決して現代科学が旧地球より上回ってるとは言い切れません

やはり資料整理は吃緊の課題です」シンジ


「温古知新ですね」研究員


「うむ、結果がわかったら報告してくれ、我らは政務に戻らなければならん」

大王軍団がモニター会議を終了する。


「どうやら我々の実力を見届けて安心したようです」シンジ

「どうも王様達がいると萎縮してしましますしね」タクマ


「さ、結果がでるまで待ちましょう、今日は皆さんで歓迎会しましょう」

シンジ


「こちらにどうぞ」会場に案内するメリダ


3000人近くの研究員全員が会するのは大変なのだが

なぜか敷地内に会場があった


「この狭いSB内でどうしたらこの大会場が設営出来たのでしょう」タクマ


「それは私の専門分野です、ナノ粒子学です」シンジ

「意味がわかりません」タクマ


「つまり私達が縮小したのですよ」シンジ

「ば、ばかな・・・物理の法則ではありえません」タクマ


「話すと長くなりますがあり得るのです」シンジ

「ま、無粋な事は後回し、とりあえずパーティー開始しますよ」メリダ

いぶしがるタクマの背中を押して全員が会場に入った。


「それでは皆様の無事生還と今後を祈念してかんぱーい」シンジ

「今日は無礼講です遠慮無く飲んでくださいね」リン

「ぐわーなんじゃこの酒、美味すぎるぅぅ」


「はいそれは聖水酒です。貴重品なんですけど今日は無礼講です」

しかし酒が回るとみなオイオイ泣き出した


「うううう、まさか生きてまた酒が飲めるとは思ってなかった」

「すべてはシンジ様のお陰、命の恩人です」

そして辛く長かった火星での生活を語り出す


「どんなに頑張っても先が真っ暗の絶望感は想像を絶するのですよ」

タクマがしみじみ語る


「最後まで諦めなかったタクマ所長のお陰ですそして最善の保存状態に

していただいたのも生還につながりました」皆涙でタクマに感謝する


「一度は諦めた命、死んだつもりで今後は大王とシンジ様に尽くします」


「折角なのですが実は私は咎人、事件解決後には処刑される運命です」

シンジ


「ま、まさか、そんなことは私達がさせません全員の命をさしだしても

シンジ様をお救いいたします」全員


「ありがとう、君達のことは忘れないがこれは私自身のけじめ、とっくに

覚悟の上、今は事件解決に全力を尽くすのみです」シンジ


「とにかくまずは事件解決ですね、了解しましたその後はその後」タクマ


「ここにいる全員は元地球人ばかり、一心同体で団結しましょう」


「おう!異議無し。シンジ様に尽くすのみ!」全員

シンジ教とも言える強烈熱烈な信者がたった今出来上がった


火星研究員全員救出から2ヶ月が経過した


「ウラシマ効果の発症は心配無用と判断します」シンジが太鼓判

「これで隔離期間は終了したのですね」タクマ


「はい、後は皆様の自由意志で今後の身の振り方を決められます」


「もちろん、我々全員はここに残り事件解決に全力を尽くします」一同

「し、しかし・・・本当にいいのですか?貴方達は自由ですよ?」シンジ


「自由と言うのでしたらこれが私達の自由意志です心配なく」タクマ


「隔離期間が終わったからには移動というか出張とかも自由なんですよね」A


「勿論です・・が、大王命で只今貴方達の国籍を作ってるところです

政治が絡む事なので申し訳ありませんが渡航時には特別なビザが必要です」


「知ってますよ。即死魔法を受ければ世界どこへでも渡航自由との事」

タクマ


「し、しかし・・・貴方達は元地球人、そんな非人道的な拘束など出来ません」

シンジ


「いえ、我々は犯罪行為などしませんし大王に背くことも絶対にしません

なので即死魔法を受ける事で得られるメリットの方が遙かに多いのです」タクマ


「そうだそうだ、もはや我々も大王地球人となんら変わらない地球人

ならば郷に入れば郷に従えは当然。」一同


「分かりました私が大王に具申しましょう、皆さんの覚悟承りまた」


「で、話は違いますが3千人近くいる研究員ですがやはり組織は大事

私が勝手に部署分けしてみましたので草案に目を通して下さい」タクマ


「それは助かります、同じ事を思っていたところです。これは私の案ですが

全員を社員として法人化し会社を立ち上げようかと思ってます」


「その方がなにかと動きやすいし働きがいが増しますね」タクマ

「ですが、会社組織にする以上収支は大切です場合によっては倒産も

ありえます。現実は厳しいですよ」シンジ


「我々は研究員として教育を受けたものばかり研究畑なので経営のなんたるかは

全くド素人・・・そこはシンジ様よろしくお願いします」タクマ


「困ります、私も経営などはド素人・・」シンジ

「ここは、スタージナス様に頼るべきかと」タクマ


「うーん、スタージナス様に頼むととにかく先に「馬鹿者!」だからなぁ」

「シンジ様、人間なんて怒られてナンボです怒られる内が花なんですよ」

タクマ


「さすが15000歳の長老の言う事は違いますね」シンジ


「シンジ様を総帥として尊敬してますが私はまだ34歳ですからね」タクマ

「冗談です(笑)」シンジがはじめて人を笑わせる珍事・・


「とにかく3千人を路頭に迷わすわけには行きませんから責任者の私が

なんとかします。当然スタージナス様にも協力を仰ぎます」シンジ


「それでこそ我らの総帥、頼もしい限りです」タクマ





優秀なリーダーがいたお陰で火星民は救われたのです

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