ゴブヨのお仕事
さて神坂からの啓示によりゴブヨが動き出しました。
「おはようございます」
廃コロニーの朝は異常に早い、シンジは何時も前の日の8時には就寝し
翌朝4時には目を覚ます。9時からの就業前に資料整理があるからだ
「一刻でも惜しいのにノンビリ朝食なんて摂ってられません」
シンジは大抵朝ご飯はサプリを飲んで終わりなのだ
「なりません、サプリなどでは栄養補給は絶対に不可能わたしが赴任した以上
シンジ様の健康管理は私の重要な仕事、これだけは守っていただきます」
「ぐ・・」
「なんで幼女の其方がこれほどのバランスのとれた食事を用意出来るのだ?」
「それは愚問、今はなんでも端末から得られる時代です」ゴブヨ
「たしかにな、問うだけ無駄か・・」シンジ
「はいこれ!」
「なんだこれは?」
「お弁当ですお昼に食べてくださいね」ゴブヨ
「お昼などは食べてる暇はないし我は入室しても直ぐに外にほっぽり出される
時間の概念などはもちあわせていない」シンジ
「だと思ってましたのでこちらの弁当はアラームが鳴ります」
「あ、アラームは完食しないと止まりませんので(^^)私の優しい魔法入りです」
「そんな下らない事で魔法を使って欲しくないですね」シンジ
「それにしてもメリダ様達にもシンジ様の生活を押しつけてたなんて・・
人権保護団体に見つかったら訴訟物です。アンドロイドだといって粗雑に
扱っていたら必ず痛い目にあいますから」ゴブヨ
「そんなことは黙っていたら誰も分からん」
「いーーーーえ。メリダ様達はホストに繋がっています情報管理されてると
言っても運用実績は誤魔化せません。当局が調べればすぐわかります」
「アンドロイド虐待罪ってシンジ様が想像してるよりも遙かに重罪なんです
こんな馬鹿げた生活が当局にバレたら本当に投獄されますよ」ゴブヨ
「そんなに酷い扱いなどしていないつもりだが・・・」シンジ
「ドロドロのメイド服着させて立って寝させて食事も日にカップ麺1個って
どんだけ虐待なのか・・」呆れるゴブヨ
「だから当人達が拒絶してるので仕方がないのです」シンジ
「そりゃご主人がそうですもの我慢するしかありませんわ」ゴブヨ
「ではどうすればいいのか?」シンジ
「だから私がつかわされたのですシンジ様の体調管理と生活は私の仕事です」
「仕方がない上からの命令もあるし従うよ」シンジ
「とにかく下らない食事と押し問答で30分も時間を無駄にしてしまった
これから9時までもう一切其方とは話さない」貝になったシンジ
「ガガガガガガガガ・・・」猛烈に仕事を始めるシンジとメリダ達
「す、すごい・・・指先が余りにも高速で見えない・・」シンジの凄まじい
仕事ぶりを初めて見たゴブヨが驚愕する
「ポーン」9時の時報
「さ、研究室で仕事です」サササと研究室に閉じ籠もるシンジ一行
嵐の様に去っていった・・・
「シーン」ひとりとりのこされたゴブヨ
「さって私は私の仕事を開始する時間です」腕まくりするゴブヨ
「バタン」何時もの通り5時になりつまみだされるシンジ
「しかし、いつも強引だなぁ・・」パンパンと裾を払うシンジ
「お帰りなさいませ」ゴブヨが向かえる
「早速食事と風呂ですね」バタバタと着替えるシンジ
「今日から別室で食事と風呂と就寝していただきます、ここは資料室専用です」
「うむ、資料に手をださないのでしたら他の事が別室なのは仕方ありませんね」
「ササどうぞこちらです」ゴブヨが別室の扉を開ける
「な、なんじゃこれ~」シンジ
「ですから別室です」ゴブヨ
「この廃コロニーにこんな空間はありえない」絶句するシンジ
「はい、どこでもゲートを利用させてもらい別の空間に案内しました」
「ならん、別の空間に移動などしたらなにかの故障で戻れない可能性がある」
「大丈夫ですこちらのゲートは直通ゲートなので絶対に安全安心です」
「つまり廃コロニー以外からはアクセス出来ないのだな?」
「はい、王族専用というか私専用のゲートを使ってますので絶対です」
「なにか仕組みがあるのだな?」
「は、王家専用につき国家機密です私は王家の養子特権があります」
「国家権力の横暴ってやつか・・・」シンジ
「あらいやだ人聞き悪い・・平和利用と言って下さい」
「して、ここはなんなのだ?」
「は、国家機密です」ゴブヨ
「なんにも分からないところで我は生活せよと言う事か?それって幽閉監禁
に近いと思うが?」シンジ
「人聞き悪いですわ、私はシンジ様のサポートにつき悪い様になんてしません」
「いや、サポートと称して人身御供だこれは」シンジ
「仕方がありません真実をお話致します」ゴブヨ
「気味が悪くて寝られないからな、頼む」
「実はココはテイロン島にある「秘密島」です」ゴブヨ
「む、以前にスタージナス様と来たことがある」シンジ
「はい、おもにリゾート目的でプライベート空間目的て重宝されてます
王家、王族には各自一つ配布されてるのです、ま別荘みたいなものです」
「王家御用達につきセキュリティ対策は最強です」ゴブヨ
「ホストと通信出来なくなりました」メリダ
「下界と一切遮断されてるのだな」シンジ
「はい、ここでしたら思う存分休養出来ます、ハイテク禁止ですし」
「我の仕事的には悪夢じゃな」シンジ
「ですからシンジ様にはここで生活して頂きます」
「もっとも全てはココの専属メイドが行いますので一切の不便はありません」
「直通ゲートなのだろう?メイド達はどこからくるのじゃ?」
「は、テイロン島との従業員専用のゲートがありそこから通います」
「大丈夫なのか?そのスパイとかは?」
「勿論ですあやしい者はゲート通過時に処分されますので万全です」
「つまり毒殺とか暗殺も不可能なんだな?」シンジ
「王家御用達ですから」
「わかった其方に従おう」シンジ
夕食を囲む一同
「さて、ゴブヨ其方は我の仕事中なにをする予定なのだ?」
「は、何度も言ってますがシンジ様の全面サポートです」
「具体的には?」
「何度も言ってますがともあれ生活環境を整えます」
「うむ、それは了解してる、で次は?」
「勿論並行して研究課題についてもサポート予定です。ですが私は
シンジ様の研究室には入りません」ゴブヨ
「なにか理由があるのだな?」シンジ
「はい、外からサポートした方が効率的な場合もありますので」ゴブヨ
「なにやら勝算があるのなら任せます好きに行動してください」シンジ
今まで数多のアンドロイドや部下を得たシンジだったが自分から行動する
部下は初めて。その意味でシンジはゴブヨの行動に興味がわいてきてる。
その夜
「うわーこんなフカフカベットは生まれて初めて・・寝れないよこれじゃ」
嘆くシンジ
「私に従って頂けると言質とりました文句は法度です」ゴブヨ
「ぐ、・・・してなぜ其方が一緒に寝るのだ?」
「あれ、風呂に一緒なのは平気なのに寝るのはダメなんですか?」
「いや、駄目と言っていない理由を聞きたかっただけ」
「シンジさまをお慕いしてるからです。それ以外必要ですか?」
「何度も言うが我には男女はないぞ」シンジ
「はい、わたしもそのようには接してません」ゴブヨ
「し、しかし手足が絡んでる様に感じるが?」
「私は幼女です甘えたい年頃です気にしないで下さい」
「う、うむ・・しかしメリダ達までもが絡んできてる理由は?」
「あら、アンドロイドと言えども甘えたい時もありますわ」メリダ
「これはスタージナス様から教わったのです。皆で寝ると連帯感が強まると」
ゴブヨ
「分かった・・・とにかく明日も早い寝ましょう」
文句タラタラだったシンジだったが寝る事に関しては天才・・秒で寝息
そんな無理矢理生活が開始して一ヶ月すっかりシンジに生気がよみがえる
「なんか仕事時間は以前より短くなったのに効率が上がったような・・」
シンジ自身が実感し始めてる
「今度は土日週休二日制を取り入れます」ゴブヨ
「ば、ばかな、我には休日などは不要、それは絶対に却下する」
「ですがスタージナス様にお願いして土日は研究室と資料室立ち入り禁止と
させて頂きましたので」ゴブヨ
「な、つまり今日明日は廃コロニーに戻れないのか?」
「はい、そのための秘密島です」
「わ、我を騙したな!」シンジ
「人聞き悪いですわ、騙してなんていません」
「しかし、其方は絶対に安全安心だと我を油断させた!」
「仕事を休む事がシンジ様に危険を及ぼす訳がありません。ウソではありません」
「ぐ、ぬぬ・・・しかしココはハイテク禁止、研究活動がなにひとつ出来ない」
青ざめるシンジ
「従業員専用ゲートを使えばお忍びでテイロン島に遊びに行けますよ
というかわざとお忍びできる仕組みなのでしょうけどね」ゴブヨ
「テイロン島などに行っても結局我らの研究とは無縁の場所ではないか」
「当然ですテイロンはリゾート専用地、無粋な物などありません」
「あ、ちなみに民間のどこでもゲートからは絶対に廃コロニーに移動出来ません
例えシンジ様が自前でゲート作っても廃コロニーは魔法でロックされてるので
絶対にアクセス出来ませんからあしからず」
「ぐぬぬぬ、またしても無用、無駄な魔法を開発しおって」シンジ
「あら、全てスタージナス様の魔法です文句はスタージナス様にどうぞ」
「これは余談ですけど新開発されたこの魔法は王家、王族と公社すべてに適用
ダニア様もブラン様もみな同じです」ゴブヨ
「ぐははは、それは愉快、つまり大王もウラアール様も同じなのだな」シンジ
「はい、いまごろ大王も嘆いてるかと存じます」ゴブヨ
「なにしろ執務室が閉鎖されるのですから驚いてるでしょうね」ゴブヨ
「皆同じなら仕方が無い、うけいれるしかないですね」シンジ
「勿論非常事態の時は解除されますが結局年間を通すと同じ休養日取得と
なる仕組みです」ゴブヨ
「で、いきなり休みといわれても何して良いのか分からない」シンジ
「とりあえず今日は部屋の案内と島でノンビリしてみましょう」
「そおいえば食堂と風呂場と寝室以外知らんな」シンジ
「実際は結構ひろいのですよここの別荘は」ゴブヨ
「うわーなんだここは?」驚くシンジ
「ここは視聴覚室です。映画などの娯楽を鑑賞できます」
「ここは?」
「遊戯室です将棋とかボードゲーム、TVゲーム、卓球などが出来ます」
「で屋上になにかあるが?」
「はい、屋上にはプールが設置されてます」
「回りは海ではないか・・・プールなど必要か?」
「まあ、高級リゾートなんてそんなもんだと解釈してください」
「意味がわからんな・・・」
「屋上に併設されてる施設はなんじゃ?」
「は、トレーニングジムです。筋肉を鍛えましょう」ゴブヨ
「はあ?休みの日にわざわざ苦労して筋肉を鍛える?不合理だな」
「シンジ様の体には筋肉が全くついてませんどうか鍛えてください」
「いや、そんな事は不合理我には必要無い」
「不合理とか理屈に合わない事は一杯ありますがそれが「趣味」というもの」
「我には趣味など必要無い」
「いえ、シンジ様は狂信的な研究お宅、それが趣味なのですが気がついてません」
「我は研究のために生まれて来たのだ。それが20億民を救う唯一の手段」
「まあ、それはそれこれはこれですわ」ゴブヨ
「確かに・・其方の意見は一見邪魔してるのかと思うことが多いが
結果をみれば研究効率が上がってる・・・どういう仕組みなのか」
「人間は機械ではありません、説明の付かない事も一杯あるのです
休養は仕事の為に絶対必要なのです」
「気がつかなかったが風呂も種類があるのだな」
「はい、ジャグジーもサウナも露天風呂も完備してます」ゴブヨ
「いつもは飲み込むようにして食べた朝食もゆっくり食べると美味しいな」
「はい、折角メイド達が腕によりをかけ作った料理です味わってください」
「うむ、それは失礼だったな」
「しかし食べるほどにココの料理は美味い」
「はい、テイロンは全てが超一流です」ゴブヨ
「なんだかここが気に入ってきましたよ」シンジ
「それは朗報です」ゴブヨ
その日生まれて初めてシンジは娯楽アクション映画を鑑賞し感嘆する
「うわーーー、こんなに手に汗握る物語がこの世にあったとは知らなかった」
「はい、映画なるものは人々に夢と希望を与えてくれます」
「なるほど・・・これが趣味なるものか?」シンジ
「趣味というのは多様にこざいますこれだけではありません」ゴブヨ
「なにやら絵がうごく物語も創造欲を刺激するな。作者の芸術生が全てで」
「は、アニメなるものは人類が生んだ至高の娯楽の一つです」ゴブヨ
「映画も凄いがこの音響もすさまじいな」シンジ
「は、音響も芸術ですから」
「うむ、人類が築き上げた集大成と言う訳か」
「は、娯楽というのは目でみて耳で感じ脳を刺激し化学反応を起こさせるもの」
「娯楽などとバカにしていたが作る者にとっては真剣勝負なのだな」
「は、さすがシンジ様そこに気がついていただき・・」
「実はな・・・テイロン島はセキュリティが万全と聞き其方だけに言うが」
「はっ」
「資料のなかに娯楽に関する資料も相当ある。今まで我は不要だと分類してたが
そうではないのかもしれん。その分野の資料整理を任せても良いか?」
「は、お安い御用です」ゴブヨ
実はエンタメ業界は全てアスタージナスの記憶が全てだった、大航海時代に
舞台演出などのノウハウが今日現在まで発展してきたがまだまだ未開発分野
旧人類の資料が整理されれば人類発展に多大な益をもたらす事だろう
映画鑑賞を終えゆっくりと昼ご飯をとった後
「午後はなにするのだ?」
「は、それでは散策などを致しましょう」
「うむ外に出るのは初めてですね」シンジ
「おおお、なんて美しい島と海・・・」
「キュキュキュ」「砂が鳴いてる・・・」
「最上質の砂浜はそのように踏みしめると音が出ます」ゴブヨ
「明日は泳いでみませんか」ゴブヨ
「うむ、泳いだことは一度もないが其方が教えてくれるのなら」
「はい、そのための安全な屋上プールですから」
「しかしこの島には別荘以外にはなにもないのだな」シンジ
「はい、街がお望みでしたら後日お忍びでテイロン市に行きましょう」
「うむ、少し興味が出てきた来週の休みの日にお忍びしてみましょう」
生まれて初めてシンジに研究以外の興味というのが芽生えてきた
なんだかんだで2日の休みはあっというまに終わってしまった
「退屈な2日間になるかと覚悟したが意外に楽しめた、明日から仕事頑張るぞ」
「はい、そのための休息日です」ゴブヨ
「では、行ってきます」研究室に入室するシンジ
「さて、私も今日から資料整理の仕事頑張りましょう」張り切るゴブヨ
しかし能力無限大のゴブヨとゴブヨが作り上げた万能メイドの実力
あっという間に娯楽分野の資料仕分けが完了してしまった
仕事から戻るシンジにゴブヨが資料目録を渡す
「はい、まだ分類にすぎませんが資料整理が完了しましたお目通りを」
「え、?バッ馬鹿な・・あれほどの資料を区分け出来たのですか?」
「内容はともかく仕分区分けだけでしたら単純作業ですから」ゴブヨ
「ぐ、其方は天才か?・・・王立魔法院S級7才卒業だけの事はある」
「そ、そんなぁ大したことはしてませんし明日から内容チェックです」
「う、うむ頼みました。成果を期待してます」シンジ
「ごほんっ・・・それでだな」
「はい?」
「先日其方が話していた資料の整理・・・たのんでもよいか?」
「先日は拒否されたのに?」
「いや、なんだその・・・我が同じ事しようとしたら数年かかると判断し
拒否したが其方の能力ならもっと短時間で区分けできると見込んだ」
「わかりました。その役目必ず果たします」ゴブヨ
「よろしくお願いします。お陰で我は研究にますます没頭出来ます」
数日が経過した・・・・
「驚きました」ゴブヨ
「ん、なにがですか?」シンジ
「旧地球滅亡前の資料がこれほど残っていたとは・・・」
「うむ、先代神が記録媒体に残した記録、記憶もあるがそもそもココの
廃コロニー内に膨大な資料庫が存在してたようです」シンジ
「区分けは出来ますが全資料の解明などは絶対に不可能ですけど?」
「そのために又新しく創造の雲を増産してるのです」
「なるほど・・・意味が分かってきました」ゴブヨ
「実は火星にある遺跡にも相当数の資料が手つかずで残ってるのです」
「数量は分かりますか?」ゴブヨ
「いや、私自身まだ旧火星の遺跡を訪れていない」
「一度全員で視察する必要がありますね」ゴブヨ
「しかし、公社の研究員が遺跡をくまなく発掘してるが資料が見つかって
いないのです」
「え?それなのになぜ資料が眠ってると分かるのですか?」
「うむ、ここだけの話で口外禁止だが先代神が示唆してくれた」シンジ
「なにかしらの謎説きが必要なのかも知れませんね」ゴブヨ
「私の考えにすぎないが多分「資格者」のみが閲覧出来るのでしょう」
「なるほど・・ますます行ってみたいです」
「ですが、ここの資料ですらほとんど手つかずなのに火星の資料などは
とてもかまってられないのが現状なんです」シンジ
「強力な検索エンジン開発が急務ですね」ゴブヨ
「え?そんなものは出来るのですか?」シンジ
「その方面のエキスパートのMS姉妹に協力を仰ぐべきです」ゴブヨ
「しかし・・・あの2人に借りをつくるのは嫌です」シンジ
「ですが研究一筋のシンジ様では資料整理などはとても出来ません」
「そうだね・・今のままでは数年かけようと半分も整理出来ませんね」
「適材適所です、へんなプライドなどは無用ですよ」ゴブヨ
「実は私はあの2人がどうも苦手で・・・ゴブヨ君交渉頼んで良い?」
「はい、お安い御用です。それでは近日中に交渉いたします」
「ありがとう。もし上手く行ったら私もご褒美をあげましょう」シンジ
「え?ご褒美ですか?」
「ま、その時のお楽しみに」
「朴念仁で聖人君子でかたぶつで女心理解力0のシンジ様が???」
「まったく私は生きる即身仏ですか!」大笑いの一同
数日後
「今日はなんの用でしょう?」ミライ
「はい、おばさま。実は・・・」
「おばさま扱いは酷いですね・・確かにおばが適切ですけどぉ・・」
「私はゴブータ様の養子につきセイラ様とミライ様はおばさまですからね」
「なんか私達まだ嫁入り前なのに一気に老け込んでしまいそうです」MS
「しかし、あのゴブータ様がご結婚されたとは未だに信じられません・・・」
セイラ
「てっきりスタージナスおじい様とご結婚されるのかと思ってました」ミライ
「えええ?しかしゴブータ様は大王の養子スタージナス様は大王の実父
倫理的におかしいですわ」ゴブヨ
「ふん、王家なんて都合でなんとでもなりますしゴブータ様とは血縁はありません
いくらでもでっちあげできますわ」ミライ
「し、しかしスタージナス様にはすでに正室も側室も大勢いますし・・」
「そんなのは王家では当然、今更1人2人増えてもなんにも支障ありません」
セイラ
「それにしても旦那様が2人というのも前代未聞ですね」ゴブヨ
「殿方は何人でも女人を囲えるのに女子がダメというのも不公平ですからね」
「うーーーん、理論的にはそうですが私は駄目ですね」ゴブヨ
「まあ、なんておしゃまな7歳でしょう」セイラ
「ほ、本当は私達姉妹もスタージナスおじいさまと結婚したかったのですが
さすがに血縁なので大王にこっぴどく叱られました」MS
「あきれました」ゴブヨ
「なんというかスタージナスおじいさまには不思議な吸引力というかオーラが
男女関係無く引きつけてしまうのです」MS
「ゴブータ様の洗脳魔法と同じでしょうか?」ゴブヨ
「いえ、魔法などではありませんねあれは持って生まれたカリスマです」
早朝からお茶会の話題が進むがそろそろ本題
「で、話が随分それましたが要件伺いましょう」セイラ
「あ、そうでした。つい恋話面白くて夢中になってしまいスイマセン」
「こんな話してたら1日なんてあっというまに終わってしまいますわ」ミライ
「で、本題なのですが。実は旧火星の遺跡のどこかに絶滅前の地球の資料が
あるそうです」ゴブヨ
「以前大王調査隊が遺跡を徹底的に調べましたが今の所そのような
資料は見つかってませんね」ミライ
「シンジ様が神から絶対に存在すると啓示を受けたそうです」ゴブヨ
「伊達や酔狂のヨタ話ではなさそうですね」セイラ
「は、その発掘は私達の手により行いますが、資料が発見された後の整理について
是非MS様のご協力を仰ぎたく参上しました」ゴブヨ
「なるほど・・旧人類の歴史資料となれば膨大でしょうからね」ミライ
「さすがはMS様話が早くて助かります」ゴブヨ
「うーん協力はやぶさかでは有りませんが具体的に数量が分かってからでも
遅くない気がしますが?」セイラ
「実は今日まで秘匿してましたがシンジ様の詰める廃コロニーにも相当数の
旧人類の資料が残ってます」ゴブヨ
「な、なんとそれいままで秘密にしていたのですね。国家反逆罪ですわ」
「20億民救出までシンジ様の量刑については保留と大王お墨付きです」
「んまあ、大義名分を盾に不埒な悪行三昧・・」
「シンジ様にとっては処刑100回が101回になっても大して変わらない
そうです」あきれ顔のゴブヨ
「うーん犯罪者の片棒を担ぐのってなんかためらいますわ・・」ミライ
「ですから私が派遣されたのです」ゴブヨ
「んまあ!なんて狡猾・・・敵前逃亡」ミライ
「とにかくシンジ様ひとりではどうすることも出来ない量なんです
どうか、どうかお助け下さい」土下座するゴブヨ
「王家の養女が土下座なんてなりません」おどろくMS
「大願成就のためなら大した事ではありません」ゴブヨ
「く、・・・これでは協力しなければ我らが犯罪者みたいに思われそうです」
「その資料とやらはあらゆる媒体なのですね」セイラ乗り気になってきてる
「はい、ほとんどがマイクロメモリーチップですが書籍その他も多数です」
「ふむ、とりあえず万能型解析器の開発からですね」ミライ
「ドロップするだけで解析分析区分けが出来る装置が必要です」セイラ
「是非、検索エンジン化して下さると助かります」ゴブヨ
「しかしそれだけの事をするとなるほホストコンピュータの能力が・・」
「大丈夫です今現在どんどん増殖してる廃コロニー内にある創造の雲を
ご活用ください」ゴブヨ
「私達がいちいちあそこに行くわけには参りませんまずは安全なアクセス
回線が必要ですが用意出来ますか?」
「は、それぐらいなら容易い御用です私が責任もって完成させます」ゴブヨ
「分かりました。それでは私達はアルゴリズム開発とアプリを提供しますので
実用化は貴方の責任で開発してください」MS
「は、わかりました。本当にありがとうございます」傅くゴブヨ
「王女が簡単に傅いてはなりません」セイラ
「でも火星探索は面白そうね、3人で行きませんか?」ミライ
「え、いいのですか?是非是非、楽しみです」ゴブヨ
「王家の紋章が謎説きに必要ならば我ら3人は最適ですからね」ミライ
「ですが護衛とかも必要かと」ゴブヨ
「大王に相談して選りすぐりを紹介してもらいましょう。出発はそれからです」
「なんだかワクワクしてきました」はしゃぐゴブヨ
そして今回はUSA剣技大会でそれぞれ3度づつ優勝してる⒉人が選抜された
勿論剣技だけではなく王家付き護衛なのだから全ての条件を満たしてる2人
「今回栄えある王立調査隊護衛長を拝命しましたローレンでございます」
「副長を拝命しましたユウカでございます」精鋭⒉人が挨拶する
「え?隊長と副長?2人だけではないのですか?」
「は、今回は王立調査団という事で部下8人の兵士兼研究員もお供します」
「な、なんか大げさになってきた・・」
「ゴブヨ様お言葉ですが火星遺跡の大きさご存じですか?」
「いえ、まったく」
「実は今現在も発掘作業がつづいていますが地上部分だけで2平方㎞です
更に地下部分はどのように広がってるのかまだ判明してません」
「しかし、科学の粋を集めた解析装置があるのでしょう?」ゴブヨ
「残念ながら1万5千年の時は膨大です遺跡のほとんどは埋もれてしまって
発掘作業だけでも膨大なのです」
「広大な遺跡のなかのどこに資料室があるのか罠は仕掛けられていないのか
とにかく危険度は最大値です油断出来ません」ローレン
ちなみにローレン、ユウカ共に18歳美少女剣士当然王立魔法院S級首席卒業
「なんか物見遊山気分でしたが甘く考え過ぎだったようですね」セイラ
「は、大王が申すには最低でも一月は探索が必要とのこと」ユウカ
「今回派遣される兵士ですが当然、発掘に関するエキスパートばかり
文武両道の優秀な猛者ばかりですので御安心下さい」
「そ、そんなに・・・なんかドキドキワクワクしてきました」ミライ
「私がダニア様に交渉して最終的には大王命で任務期間無限大で
MS2人をお借り出来てます」ゴブヨ
「な、なんと手回しのいいこと・・」呆れるMSだが好奇心で一杯なのも事実
「とても残念なのですが民間に秘匿する意味でどこでもゲートでの移動は
不可能です旧地球に移動後そこから3日掛けて専用護衛艦で移動します
「ぐ、軍隊まで動員ですか?」セイラ
「今回の調査は王立調査隊ですから軍隊出動は当然の事」ローレン
「また今回の専用護衛艦は宿舎も兼ねています。法律で火星遺跡付近には居を
構えられませんので」ユウカ
「それだけ国家機密だと言う事なんですね」セイラ
「お察しください」ローレン
「そ、それだけ大がかりな調査なのになにも発見出来ませんでしたでは
すみませんね」ミライ
「大丈夫ですシンジ様曰く必ず資料館は存在するとのこと」
「今はそれを信じるしかありませんね」ミライ
環境改善




