あらたなる
る意思が動き出します
俺は滋賀内人、しがないサラリーマン35才独身・・・
昼前の消滅騒ぎの後奇跡?の生還を果たし昼食をとりさあ見積もり書書くぞ!
と意気込んだが能力平凡な俺ではとてもこなせない量、(;´д`)とほほ
でもなんとあの河井さんが残業で手伝ってくれるとのことこれはウキウッキ
まあ、先輩も勝手に手伝うとの事でうっとおしいくもあるが・・・
「さあ、滋賀さんチャッチャと終えて3人で飲みにいきましょうね」河井さん
おおっなんてカワイイ!よし頑張るぞっと・・・・
「アレ、あれれれ」
「キャア~!し滋賀さん!」河井さんの悲鳴!
「どうした!滋賀!また薄らと消えかけてるぞ!」驚く先輩
「へ?・・・うわああああああああああ」
「ここはいったいどこだ?」
再び黄泉の世界へ放り込まれた滋賀が叫ぶが誰も返事してくれない・・・
その時!
「すまん、内人・・・全人類の歴史の中で其方しか我とコンタクト出来る
人間は存在しなかった。関わらないと先代は約束したが二代目の私は約束してない
だから今回も頼む」
「へ?貴方はだれですか?なにがなんだか分かりません・・・」
「そっか先代が其方の記憶は消去したのだったな、まあ今回は別件なので
以前の事を思い出す必要は無い、とにかく我の代弁者となり協力してもらう」
「代弁者?協力?」内人
「うむ、其方の唯一無二の能力は神とコンタクト出来る希少能力保持者という
事、古今東西数千億の人類史の中で7人しか存在しない、6人はすでにみまかった
つまり其方だけしか存在しないのだ」
「私は平凡なサラリーマンですが?」
「よい、とにかく今からタイムスリップしてもらい協力してもらう是非は問わない
これは定めなのじゃ有無を言わせぬ、勿論解決後はちゃんと元に戻してやるから
安心してくれ。当然赤い糸はますます強まる事じゃやろう約束するぞ」神
「勝手に・・・なにするんですか!~ああああああああ」墜ちていく内人
「はっ?ここはどこ?」
意識を戻した内人だったが様子がおかしい
「私はだあれ?」意識がこんがらがる・・・
「うわああああああ」
「ゴブヨどうしたの」母親のゴブヤが心配する
「今ねとっても怖い夢を見たの」
「大丈夫よ私が守って上げるから」優しい母親
どうやら俺は転生してしまったようだ・・・なんか身に覚えがある???
今回はなぜかすんなりと転生を受け入れられてる自分が怖い
「前にも同じ事があったような・・・・」つぶやくゴブヨ
しかし、今回は猛烈にゴブヨの記憶が脳内に流れ込み滋賀内人としての意識が
あっという間に薄れていく・・・
「うわあ、俺はこのまま消えてしまう?」
「大丈夫じゃ、今はゴブヨに憑依したがすぐに同化する其方の根幹部分は
決して失われないが生活上幼女でなくてはならんので細工させてもらった」神
「意識が有る内に説明するが当然ゴブヨも我が選んだ逸材、其方とのマッチングも
最高なのじゃ、性別は変わってしまうがこれから人類の役に立ってもらう」神
「し、しかしなにをすればいいのか」内人
「心配いらん、我がすべてを導く、其方はありのままでいいのじゃ」神
「そろそろ記憶の統合が終わる、しばしの別れじゃ」神
「明日から学校なので今日はもう休んでね」やさしい母親
「はーい」けなげなゴブヨ
どうやら、ここは一般平民の家、平均年収が高い今の地球では貧困層かも知れない
2DKのモジュール、どうやら大王地球から近いサイド5の労働階級専用コロニー
に住んでるようだ、貧困の第一原因は母子家庭つまり父親がいない家庭だからだ
それでも母親はゴブヨを一生懸命育てて何不自由させてはいない。
しかし学校となるとこれからが大変、教育費が家計を直撃するからだ・・・
「明日からは仕事を増やさないと・・・」母親は憂う
ぴかぴかの一年生
「おかあさんいってきま~す」元気にゴブヨは登校する
なにしろ今まで家庭の事情で保育園にも幼稚園にも通った事がない
勉学というものがなんだかを全く理解していないゴブヨ期待に溢れている
「さあ、今日からこの教室でみんなで仲良く学びましょうね」担任の先生
「はーい」
ところがおかしい・・・
「先生この教科書ではやさしすぎます」ゴブヨが手を上げて先生に訴える
「やさしすぎるって・・・ゴブヨちゃん生まれて初めての教科書でしょうに」
「とにかく、こんな易しい教科書では勉強になりません」ゴブヨ
「ザワザワ」どよめく教室
「ゴブヨちゃん・・・これが読めるの?」となりに座る女の子が驚く
「スラスラスラ~」読み上げるゴブヨ
「な、なんたること・・・」担任の先生が驚く
「ゴブヨちゃんはどこかで勉強してたの?」担任
「いーえ、今日が初めての勉強です」ゴブヨ
「わかりました、それではゴブヨちゃんちょっとこっちに来てね」担任
ゴブヨは校長室に呼ばれてしまった
「校長先生、またしてもゴブリンの突然変異です」担任
「ゴブリンは人間です言葉をつつしみなさい!」校長先生
「も、もうしわけありません」平伏する担任
公立小学校ではこの様な場合の対処方法が確立されている
「それではゴブヨちゃんこの装置を付けてね」やさしい校長先生
「はーい」
なにやらあやしい配線だらけのヘッドディスプレイを装着させられた
「ヴイーン」あやしく作動する装置
「校長先生、痛くもかゆくもありません」ゴブヨ
「当たり前です幼女にそんな負担は掛けませんよ」校長先生
しかしモニターに映し出される結果は幼女のそれではない
「こ、これは・・・ロッテンマイヤー理事に直ぐ取り次ぎなさい」校長先生
「ロッテンマイヤー理事、大変です」校長先生
ホットラインが結ばれてTV越しにロッテンマイヤー理事が問う
「どうされましたか?」
「まずこの数値をご覧下さい・・・」
「おおおおっこれは大王、ゴブータ様以来の数値・・・」ロッテンマイヤー
「直ぐに例の措置発動です」ロッテンマイヤー
「ははっ」傅く校長先生
「ゴブヨちゃん貴女は今すぐここからUSAに行き新しい生活をしなくては
なりません、ご両親に直ぐに連絡をとりますからココで待っていてください」
直ぐに出勤中の母親が強制的に職場から呼び出されてしまった
「あの~私仕事中なのですけど」母親
「今すぐ辞職してもらいます、すでに職場には通達済ですから心配なく」
校長先生
「そ、そんな!職場を失ったら私達は路頭に迷います・・・」
「心配いりません、ゴブヨちゃんは今から上級貴族扱い貴女はその母親として
生活は全て国が保障します、衣食住すべて国の負担ですから」
「申し訳ありません、ゴブヨ様と改めます」校長先生
「一体なにがあったの?」きょとんとするゴブヨ
「ゴブヨ様はたった今から王立魔法院卒業で大人扱いです」校長先生
「ええ????」困惑するゴブヨ
「なにしろ教えることはなにもありませんから」校長先生
「私なにも知りませんけど?」
「いま、数回会話しただけでみるみるしゃべり方が変わってますよ」
校長先生
「し、しかし私には何も自覚がありません」ゴブヨ
「え?貴女本当にゴブヨなの?」異変に驚く母親
「私はゴブヨです、なんにも変わりありません」ゴブヨ
「お、驚いた・・・ゴブヨ様はすでに大人話を会得してます」校長先生
「と、とにかく今すぐUSAにゲート移動してもらいます」
「しかし家財道具一式が・・・」母親
「大丈夫です後から責任持って届けさせます、今は身ひとつで行きましょう」
「ブーン」その日生まれて初めてゴブヨと母親はゲードを使いUSAに行った
「うわあ、すごい大都会」驚きのゴブヨ
「ごめんなさい急な事でしたのでこの程度の屋敷しかなくて」校長先生
「え、?このお城みたいな屋敷に住み込みなの?」母親
「ここで働くのですね」母親
「いえいえ、ここの主として住んでもらいます、貴女も上級貴族としての
教育を受けてもらいますからね」校長先生
「あとは執事やメイドアンドロイドに引き継ぎます私は戻ります」校長先生
「お待ちしてました」執事とメイド全員でお出迎え
「おかあさん、どうすればいいの?」驚くゴブヨ
「おかあさんも分からないわ・・・」おじけづく母親
「なにも心配ありませんどうか中にお入りください」執事が応える
「初めまして、私が当屋敷を全て統括します筆頭執事のコンドウと申します
以後お見知りおきを」傅くコンドウ
「一体何人ぐらいいるのですか?」母親
「は、このお屋敷は仮住まいで本宅が完成するまで我慢して頂きますが
最終的に執事は3人ですが合計10人は務めます」
「執事だけではないのですね」ゴブヨ
「は、恐れいります、当然警護担当も配置します」コンドウ
「で、メイドはどのくらいでしょう?」母親
「は、すべて生体アンドロイドですが10体の予定です」コンドウ
「つまり監視役ね」ゴブヨ
「申し訳ありません、貴女は国の管理となりましたので・・・」コンドウ
「当然ですね」ゴブヨ
「で、王立魔法院を卒業した私は明日からなにをするのでしょう?」ゴブヨ
「は、まだ去就は決まってませんお望みのままに・・・」コンドウ
「すでに国が私を試してるのですね」勘ぐるゴブヨ
「は、貴女ほどの聡明さならば思いのままかと」コンドウ
「しかし、昨日まで全くそんな兆候なかったのに・・・なにかに取り付かれた?」
心配する母親
「おかあさん、私今日からなんだか突然目覚めた見たいです」ゴブヨ
「私、アスタージナス公社に務めたいです」ゴブヨ
「はは、そのように打診いたします」コンドウ
翌日小学生から一日で王立魔法院卒業扱いになったゴブヨは大王である
アスタージナスに謁見から始める。
「大王、お初にお目に掛かります本日付でアスタージナス公社任務となりました
ゴブヨと申します。どうかよろしくお願いします」
「大義でした、貴女の事は先ほど報告を受けました。どうかよろしく
多分ですが近いうちにゴブータの養女として王族入りでしょう」
「え?なんと!そのような事は存じませんでした」ゴブヨ
「残念ながら肝心のゴブータが独身故、養女化はちょっと先かもしれませんが」
「お母様私はまだ結婚など考えてませんし寝耳に水です」ゴブータ
「だまらっしゃい、5期目に入った大統領がまだ未婚だなんて世間体が許しません
ヤコブとヘッテという好人物がいるのに煮え切らない貴女にはっぱを掛けたの
です」アスタージナス
「しかし、私はどちらと決められません・・・」ゴブータ
「この際ですから2人とももらってしまいなさい」アスタージナス
「ゴブヨを失うわけにはいかないのです時期国王として欠かせません」大王
「確かにゴブヨの才脳は大王や私以来・・・大王の仰ることは正論ですね」
ゴブータ
「跡継ぎはゴブヨなのだから何の心配もいりませんよ」大王
「し、しかし・・・・」ゴブータ
「今のままで結構です」辞退するヤコブとヘッテ
「貴方達を失うのも国益に反します、どうしても王族入りして欲しいのです」
アスタージナス
「現状維持ならばお受けいたします」ゴブータ
こうしてなし崩し的に前代未聞の夫が2人という結婚が決定してしまった
「殿方は何人も側室が許されてるのになぜ女は1人の旦那しか許されないのか
いままで不思議しょうがありませんでした、良い意味での男女平等です」
あっけらかんのアスタージナス
「なんか懐かしい・・・」ゴブヨの中に潜む滋賀内人の感情が湧き出る
「大王って他人の気がしない」記憶を失ってる滋賀内人はそんな気がしただけ
「よかった、これで貴女は王宮いりですね」大王
「へ?いきなりそんな・・・」とまどうゴブヨ
「と言う事ですが公社入りにはなんにも問題ありませんし特権もありませんよ」
大王
「当然です、いち新入社員でお願いします」ゴブヨ
「で、明日からは王宮に住んでくださいね」大王
「ええええ?昨日引越したばかりなのに・・・」驚くゴブヨ
「大丈夫です王宮は広いので住むに不便はありませんから」大王
「いえ、そんな問題ではなく・・・」
「大義でした、下がってよろしい」大王
「ははっ・・・」下がるゴブヨ
「王女様こちらです」コンドウが傅く
「え?王女って誰でしょう?」
「ゴブヨ様以外にございません」コンドウ
「昨日私は急遽拝命を受けたのにどんでもない大出世で恐悦至極に存じます。」
コンドウ自身が我が身の大出世に驚いてる
「そっか、私の出世は皆の出世なのですね」
「御意、どうかこのまま女王になって頂きたくこれからも精進ください」
「まあ、望み薄ですねこれから結婚するゴブータ様の実子が最優先ですから」
「とんでもございません、実力至上主義の我が国で養女になられたと言う事は
それだけ見込まれたと言う事、実子などはなんの根拠にもなり得ません」コンドウ
王宮の別館に案内され住居を確認するゴブヨ
「あてがわれた屋敷の3倍は広いですね」ゴブヨ
「いえ、これは仮住まい、王女様専用の屋敷が急遽建てられる予定です
狭くて不自由でしょうがそれまでお待ちください、多分2~3日で完成します」
コンドウ
「それと出世された王女様です執事は10人、警護20メイドは40人です」
「実感まったくありませんが・・・」困惑するゴブヨ
「ご生母様は別館に移動頂き当面は貴族としての教育を受けてもらいます」
「離れ離れなのですね・・・」ゴブヨ
「いえ朝昼晩の三食には同席しますので大丈夫ですよ」コンドウ
「あら、よかった!」
「さ、それでは遅くなりましたがお昼ご飯といたしましょう」コンドウ
「うわーーーなにこれ」驚くゴブヨ
「は、全員が一同に会するのでちょっと贅沢にさせていただきました」
コンドウ
「貴方は本当に優秀なのですね、さすが筆頭執事」驚くゴブヨ
「お褒め頂き恐縮ですがこれ位は当然でございます」コンドウ
「ですが、明日からはもっと質素に願います私は贅沢を望みません」
「さすがは大王が見込まれた方、敬服いたしました、おおせのままに」
「本当は平民の私、こんな贅沢はとても食べづらいのです」ゴブヨ
「はい、全て了解しました」コンドウ
「ですが、今夜の晩餐会は大王同席なので我が儘は通りません」
コンドウ
「しかたありませんね、これも王女の務めなのでしょう」ゴブヨ
「そして明日からは出勤していただきます」
「望むところです、はやくお勤めしたくてうずうずしてます」ゴブヨ
晩餐会でゴブヨは初めて王族の面々と会する
「紹介します、こちらが私のお父様で事実上の支配者、スタージナス様です」
大王
「これこれ、そんな大げさな紹介はこっぱずかしい」スタージナス
「お目もじかない恐悦至極に存じます。」ゴブヨ
「おお、7才幼女とは思えない言動、さすがじゃ」感嘆するスタージナス
「そ、そんなぁ・・・」赤面するゴブヨ
「確かにこれは大王、ゴブータ様以来の才脳を感じますな」ジパン
「其方が言うとうそくさいなぁ」スタージナス
「そ、そんな事はありません、ここにいる全員の総意ですぞ」ジパン
いきなりスタージナスとジパン漫才の洗礼をうけるゴブヨ大笑い
「さすがお噂は存じてました、絶妙の掛け合い漫才ですね」ゴブヨ
「うむ、楽しんでもらえたら至極じゃ」はにかむジパン
つづけてタラン、ヤコブ、ヘッテと挨拶を交わす・・・
「で、明日からお主が務める公社の経営陣を紹介する」スタージナス
「ははっ」
「こちらが公社の総帥ダニアじゃ、そして副社長のブラン、幹部のシンジ」
その途端!
なにかがゴブヨ内部で発動した・・・・
「シンジ様・・・お久しゅうございます」
「は?我は其方とは初対面だが?」シンジ
その途端にシンジだけに思念通信が届く
「ご相談したき義がございます、後ほど」ゴブヨ
「うむ、この場はうまくとり繕うから其方は沈黙するように」シンジ
シンジもなにかを感じたのだろう
「はは、他人のそらにであろう」シンジ
「私としたことが大変失礼しました」ゴブヨ
その場をごまかす2人・・しかし隠密のタランの目は誤魔化せないそしてジパンも
「なにかあるな」内心思う2人
「大王、2人が怪しゅうございます、内偵いたします」思念通信を飛ばすタラン
「そうですか・・お願いします」大王
「男女が一目惚れするなんて茶飯事色恋沙汰なら報告無用です」大王
「いえ、そのような感情ではないはずです」タラン
「タランあの2人怪しいぞ調べるように」スタージナスも思念通信を飛ばす
晩餐会の会場は各人の思惑が飛び交う丁々発止の場となってる
しかし、ぼろを決してださないジパンの本音は誰にも掴めない
晩餐会はつつがなく終了し各人寝室にもどる
天蓋付ベットにまだ慣れないゴブヨだったが素直に寝室に入り
不寝番アンドロイドが警戒するなか寝息を立てる・・・
「さて、シンジ様起きていますか?」思念通信を飛ばすゴブヨ
「うむ、しかし驚いた其方7才で思念通信が使えるのか?」
「はあ?こんなことは常識ではないのですか?」ゴブヨ
「いや、非常識じゃ。思念通信などは選ばれた人間にしか使えない筈」
「それは存じませんでしたがなぜかシンジ様には伝わる気がしたのです」
「いや、今は是非を問うてる場合ではない、して要件とは?」シンジ
「はい、私実は神からの啓示をシンジ様に伝えるために生まれて来たのです」
「おお、やはりそうか!実は予見していた」シンジ
「やはり、そうでしたか・・・なんとなく分かってました」ゴブヨ
「経緯などはどうでもよい、して啓示とやらはなんじゃ」シンジ
「はい、20億民の救出方法についてヒントを得られました」
「おおおっそれを待ち望んでいたのだ」
「太陽系だけにあつて他の恒星にない部分を研究ください」
「うむ、他には?」
「は、じつは人類未到達の科学がまだあります」
「だと思った、してその未到達分野とは?」
「ワン様が開発しシンジ様が魔改造したたデジタル分光器がヒントとの事」
「分かった・・・全ては創造の雲がらの啓示なのじゃな?」シンジ
「それは私には分かりません」ゴブヨ
「そして、メリダ様を大事にしろと啓示を受けました」ゴブヨ
「プライベートまで干渉するのか?」シンジ
「違います」ゴブヨ
「とにかくご苦労様、あとはこちらで頑張ってみる」シンジ
「私も明日から出社しますのでご協力いたします」ゴブヨ
「頼む、其方だけが頼りじゃ」シンジ
翌日王宮からゲートで公社に初出勤のゴブヨ
「おまちしてました」社員の歓迎をうけるゴブヨ
「わ、私は一介の平社員、困ります・・・」
「飛んでもございませんゴブヨ様は王家にして7才にて王立魔法院卒業の天才
平社員扱いなど出来ません」広報担当マイヤー
「其方はシンジ付きの特別研究員扱いじゃ。頼むぞ」ダニアが直々に挨拶
「ははっ」
「挨拶はこれで終了、各自職場に戻るように」ブラン
「ゴブヨ、シンジは変わっていてなぁ・・・職場は廃コロニーなんだよ」ダニア
「は、覚悟の上でえす」ゴブヨ
早速廃コロニーに移動するゴブヨ
「うわーーーー汚い!!!」
「こらこら開口一番苦情かよ」シンジ
「いくらなんでもこの環境は酷すぎます。私幼女なんですよ」
「しかし、掃除の暇がないのじゃ、時間制限があるのでな」シンジ
「別にシンジ様がしなくても回りにメイド達がいるでしょうに」ゴブヨ
「ここにいるのは全て重要な研究員メイドなどは無用」シンジ
「しかし・・・どう見てもメイドアンドロイドですが?」
「残念ながらメイドの仕事はさせてない、全ては私の助手だ」シンジ
「あらあら・・・全てシンジ様の色にそめてしまったのですね」
「人聞きが悪いな・・それだけ研究に没頭してると言いなさい」シンジ
「しかし、私が務める以上この環境は受け入れられません」ゴブヨ
「勝手にしてくれ、とにかく私は其方からもらった課題をせねばならん
研究室に閉じこもるから後は好きにしてくれ」シンジ
バタンと研究室に閉じ籠もってしまった。
メイド達も一緒に入室してしまって誰もいなくなる・・
「これは呆れましたね」
しかし、入社の条件で個人的なメイドロボットは連れてこれない約束
情報漏洩が懸念されるからだ。
「ですが、ここに在る素材で新たにメイドアンドロイド作成は許可されてるはず」
勝手に社内規則を誇大解釈するゴブヨ
「これは好都合、廃コロニー内に必要な物資は全て揃ってますね」
ウキウキ、ゴブヨなんと初仕事はメイドアンドロイド作成。
シンジが入室してから丁度8時間
「ドタン」「うわああああ」
いつものようにスタージナスの魔法で研究室から強制的につまみ出されるシンジ
「こんなことでは課題なんて全くクリアできないよ」
パンパンと白衣を払い文句を言うシンジ
「申し訳ありませんがそれ白衣なんですか?泥衣にしか見えませんが・・」
「別に作業着なんてどうでもいいのです」全く気にしないシンジ
「それになんかすっぱい臭いが・・ウェ」ゴブヨ
「着替えなんてしなくても人間生きて行けます」全く気にしないシンジ
「ですが、か弱い幼女がいる前でそのような不潔は耐えられません」
「う、うむ、分かった少しは気に掛けよう」シンジ
「というか今すぐ着替えてください、準備してあります」ゴブヨ
「しかし、どこでそんな準備をしたのですか?」シンジ
「はい、シンジ様を待ってる間に用意しました」
「つか、プライベートなメイドは禁止と申していたはずだが?」
「ですからココで作りました、材料は全部そろってましたから」
「し、しかしたった8時間でこのメイドロボットを作ったと?」シンジ
「あら、簡単ですわ3Dプリンターでなんでも作れますから」ゴブヨ
「し、しかし其方に3Dプリンター操作など教えていないが?」シンジ
「あら、折角少ないとはいえ今現在20億個も粒子コンピュータが浮かんでます
使わさせて頂きました。なんでも教えてもらえます」
「おどろいた・・君はなんでも自主的に出来るお子ちゃまなんだね」シンジ
「あら、一応大王から王立魔法院卒業を得てますけど?」ゴブヨ
「なるほど、伊達ではないということか・・・甘く見過ぎていたかもしれんな」
「助手としてきたからには働かないと意味がありません」ゴブヨ
「君は・・・なんだ、その神様の媒体だけと思っていた」シンジ
「それは余りにもと言う物・・・わたしだって自我はありますから」ゴブヨ
「分かった分かった・・・とにかく今日はこれ以上研究できない夕食頼みます」
「はい、全て用意してあります。カップ麺は今後禁止ですからね」ゴブヨ
「な、なんと!カップ麺こそこの世の集大成、これほど合理的な食料は
他にないのに!禁止とはなにごと」怒るシンジ
「はあああ・・・あきれるしかありません」ゴブヨ
「とにかく着替えてください、はいこれ」ポンと着替え一式を渡すゴブヨ
「うん、それでは」その場で脱ぎ出すシンジ
「はああああ?正気ですかここに幼女がいるのに目の前で着替えとは」
「言っておくがココは我が城、誰にも邪魔はさせない自分の家でどこで着替え
ようと我の勝手なのだ!」怒るシンジ
「はいはい、わかりましたそれでは私も着替えてきますので隣の部屋に行きます」
「一緒に着替えれば良いでは無いか、メリダ達も何時も一緒だぞ?」
「はいはい、シンジ様の無頓着ぶりは大王やスタージナス様からも言われてました
でも、私は別室で着替えますので」ゴブヨ
「さて、着替えもすんだし今日の夕飯ななんですか?」シンジ
「はい、栄養のバランスをとりつつヒョロガリのシンジ様用にガッツリ系です」
「あのね、人間なんて生きていければ大丈夫なんだよ必要以上に食べる必要なんて
ひとかけらも合理性がない」シンジ
「それにしても痩せすぎです、気がつきませんか?ヒョロガリはもてませんよ」
「私は男女のことなど全く無用につき以後つつしむように」シンジ
「文句をいいつつもガッツリ食べてますね?」メリダ
「当たり前です、私は出された物はありがたく食べる性格なのです」シンジ
「しかしこのせまい研究室内でメイドロボット多すぎだ、もう少し減らして
ください」
「いいえ、これで必要最低限です、これから身の回りの世話は全て私担当です
研究室全部の改良を行いますので」ゴブヨ
「あ、それ必要無い散らかってる様でも私には絶対必要な資料ばかり
頼むからいじらないで欲しい」シンジ
「大丈夫ですちゃんと整理整頓すればもっと効率よく資料が探せます」
「む・・ではやってみてください、駄目なら元にもどしますからね」シンジ
「ふう、美味しかった。それでは寝よう」シンジ
「その前にお体をお清めください」ゴブヨ
「風呂なんて一週間に一度で十分だよ」シンジ
「よい研究をする為には清潔が一番大事です。これは絶対に譲れません幼女の前で
臭い臭いは我慢なりません」ゴブヨ
「ったく困ったものです。わかりました風呂入ります。一緒しますか?」
「シンジ様がお望みなら・・・」恥じらうゴブヨ
「何度も言ってるが私に男女は無い、当然メリダ達ともいつも一緒だ」
「まあ・・」信じられないゴブヨ
「わかりました、それではお風呂も明日以降改造しましょう」ゴブヨ
「なんで?そんな必要は感じてないが?」シンジ
「あの狭い浴槽にみんなで入るのですか?」ゴブヨ
「それがなにか?」シンジ
「貧民街で育った我が家よりも狭いんですけど・・」ゴブヨ
「まあ、身の回り担当をお願いした以上君の好きにしてください」シンジ
その日はシンジのメイド3人とゴブヨ5人でギュウギュウに入浴した
「アンドロイドといってもやはり風呂は気持ちいいです」メリダ
「生体アントロイドなんですから清潔は大事ですよ」ゴブヨ
「しかし、ご主人様が入らないのに我らが勝手に入る訳には行きません」メイ
「大丈夫です今日から毎日入りますから」ゴブヨ
「さあ、これでもう気が済んだですか?もう寝ましょう」シンジ
「ご自身のプライベート時間はないのですか?」ゴブヨ
「はあ?なにそれ。そんな物は必要無いし無駄だよ」シンジ
「しかし、8時間働いて8時間寝るとしたら食事入浴以外の時間余りますけど」
「私の日課は夜は直ぐに寝て朝起きたら研究用の資料を精査する。研究前の
準備が必要なんです」シンジ
「結局12~14時間以上働いてるのですね・・・」ゴブヨ
「資料整理は働いてる時間ではないしスタージナス様にも制限されていない」
「あきれました・・」ゴブヨ
「とにかく明日があるのです寝ますよ」
なんとシンジは寝袋を出してその場に寝てしまった・・・
「まあ、あきれましたベットもないのですか?」
「そんな物は不合理だよ意味が無い」シンジ
「それにメリダ達を見てみなさい彼女達は立ったまま寝るんだからね
横になって眠るだけ我は贅沢なんだよ」シンジ
「信じられません、生体アンドロイドといっても人権はあります。立って寝させて
たんですか?」ゴブヨ
「なんども言ってるがこの狭い研究室寝床なんて不合理なものはいらないのです」
「大丈夫ですゴブヨ様私達はもう慣れてます」メイ
「私は人間です、どこで寝るんですか?」ゴブヨ
「そこらへんの床いくらでも余ってます好きな所で転がりなさい」シンジ
「だめだこりゃ」
というか寝転がる床なんてほとんどない、資料の山とゴミの山・・・
「あしたから戦争ですわね」密かに胸に秘めたゴブヨ
しょうがないのでその日は万が一と思い持ってきた携帯寝袋で寝たのだった
翌朝朝食
「スタージナス様が訪問したときはここまで酷いとは言ってませんでしたが?」
「もちろんだよ、接客の時は前日に所員全員で掃除して全て縮小化して
隣の部屋に放り込んでおくからね」シンジ
「どうりで隣の部屋縮小フィルムの山だった訳ですね」
「あ、あれほとんどゴミだから元に戻さないでね」シンジ
「呆れました、ゴミを縮小してなんになるのですか?」
「そんな事をしてる時間はないのです」シンジ
「さ、朝食が済んだら私に話し掛けないでくださいね、これから資料精査です」
シンジは宣言しその後一切質疑応答を拒否してしまった
「一体この資料はなんなんなのか・・」ゴブヨ
「ゴブヨ様それだけは絶対にさわらないでください、神様との契約事です」
「なるほど先代神様との約束なのですね、了解しました」
実は昨日夢の中で現神様とのコンタクトがありあらましは聞いている
「なぜ現神様が先代の事をご存じなのですか?」夢の中でゴブヨが尋ねる
「今でも滋賀内人の中に先代の神様がいるのじゃよ、彼のみが会話できる
いろいろと引き継いでるところじゃ」神様
「なるほど、先代神とコンタクト出来るのは滋賀様のみで間接的に
会話できるのですね」ゴブヨ
「うむ、遠い世界にいる先代神と滋賀はどこかで結ばれてるがどこなのかは
我でも分からない、しかし滋賀を介して間接的にいろいろ事情を聞けるのじゃ」
さて、具体的な話をしよう」神様
「はい」
「まずは先代神の苦労話からだが・・」
「神様にもご苦労があるのですね」
「当たり前じゃ、我と先代は人類により創造された神、森羅万象については
万能に到っていない」
「仕組みは分かりませんがお話お続けください」
「うむ」
「なによりも最初に苦労したのが第二の地球探しじゃった」
「ダニア様やブラン様も嘆いていましたが人類に適合する惑星が全銀河を
くまなく調査しても見つからないと・・」
「実際の条件はあの者達が想定した数値よりも遙かに高いのじゃ」
「な、なんと・・・」ゴブヨ
「創造の世界の話をするつもりは無いが同じ条件の恒星系などは無い」
「でしょうね」
「と言う事で先代が可能性のある星をいくつか見つけて創作したのじゃ」
「あらましは想像がつきます。」
「うむ、大王地球を作る前に先にジェネシスを作り魔石を十分に蓄えてから
大王地球を一気に作り上げたのじゃ、あ先代神がな」
「ほかの候補星はどうしたのですか?」
「ジェネシス育成がかなわず放棄した」神様
「35万ほど候補星を選んだが成功したのは大王地球だけだったのじゃ」
「正に天文学的確率でしたね」
「うむ、実の所先代神もほとんど諦めていたそうじゃ」
「その35万の候補星はダニア様やブラン様の設定した条件なのですね?」
「うむ、時系列からしたら先代神の方が先だが確かに条件は同じ」
「なぜ他の候補星では実現出来なかったのでしょう?」
「わからん、だが必ず正否の原因はどこかにあるはず、故に課題に
出したのじゃ、シンジなら必ずつきとめると睨んでおる」神
「酷い話ですね、神様が出来なかった課題をシンジ様に丸投げするとは」
「ばかもん!神様はなにからなにまで救うだけが能ではないのだ
時として試練を与えるのも神の務めじゃ」神様
「うーん・・・都合の良い丸投げにしか聞こえませんけど・・」
「夢の中だとおもって・・本来なら其方に天罰を与えてもおかしくない不敬」
「神様はそんな事も出来るのですか?」ゴブヨ
「我をなめるでない!世の中の不幸は全て我が管理してるのじゃつまり
神様にそぐわなければ・・・言わずともわかるな?」
「私をおどすために夢に現れたのですね・・・」
「ご、ごほん!ばかもの違うに決まっておろう。其方に伝える事があるからじゃ」
「はあ・・」
「とにかく話を戻す」
「と言う事で我はワンが以前に開発した分光器にヒントがあると睨んでる」
「なぜ、そう思うのですか?」
「ワンは太陽光を詳しく分析して農業開発を行った。だが系外惑星での
農業開発はワンが開発した装置では思うような収穫が出来ていない」
「ダニア様からお聞きしましたが確かに誤差にしては数値が大きすぎると」
「うむ」
「しかし、ウラシマ効果と全く同じで原因が全くわからないとも」ゴブヨ
「つまり、先代神が課した課題「人類未到達の科学」なんじゃよ」
「なーんだ、結局神様仏様でも分からないからシンジ様なのですね?」
「我は仏様ではない!」
「お主の不敬は幼女だからと許してつかわすが・・とにかく不思議なのは」
「はい」
「コロニー内とかでの農作物にはこの不思議な誤差が出てない」神
「それは当然です、管理された人工太陽光ですから全て計画通りな筈」
「おかしいと思わないのか?」神
「そ、それは・・・自然の太陽光には人類が未解析な部分もあるのでしょう」
「なぜ太陽と大王太陽にはそれがないのか・・」
「ですから、堂々巡りですが最終的に選ばれた星だからでしょう」ゴブヨ
「うむ、つまりこの広い大銀河の中で人類が住めるのはこの2つの惑星だけ
いや太陽系だけということだ」神様
「じゃ、逆に言えば原因が分かれば人類が銀河中に進出出来る?」
「可能性はあるが人類にその野望はあるまい」神
「ですね、いまの二つの地球だけで持て余してますからね」
「ですが、神様、今現在でも小規模SBで他惑星に人類は移住してます
勿論観光目的で生産性は皆無ですけど」
※SBとは結界魔法を利用した簡易ビニールハウス、人類適合型環境作製装置
「そんなものは宇宙船と同じ事恒久的でない以上適合したとは言えない」
「しかも聖水がなければ維持出来ない不完全生命維持装置じゃ」
「たしかに・・」
「とにかく、シンジに課題を課す以上ゴブヨ其方がサポートするのじゃ」
「は、かしこまりました」ゴブヨ
「我らは我らで独自に考察を進める、何かが分かったら夢で伝達する」
「あら、それまでは私に不幸はおとずれないのですね(^^)」
「ばかもん!運命などは存在しない。全て自分の手でつかみ取るのじゃ
神のご加護などを信じるでない!」神
「神様がそれを言うのですね」ゴブヨ
「と、とにかくしばしの間さらばじゃ・・」
「さて、サポートと言われてもどこから始めるのか・・」
前回の埋め合わせで今回は長文にしました<(_ _)>




