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シンジの生活

どこでもゲートにより生活が一変しました


「スタージナス様、どうやらとんでもない事態になってます」タラン


「どうしたのじゃ?」


「どこでもゲートの汎用性がとてつもなく売り上げが当初見込みの数倍

いえ数十倍、大王やダニアが予想した通り流通が破綻してしまいました」


「しかし、我が社の利益は天井知らずなのだろ?」スタージナス


「ですが他の流通関係や運輸関連旅客事業等が壊滅状態になりました」タラン


「仕方が無い事何時の時代でも取り残されてしまう産業は発生する」

スタージナス


「ですが・・・我が社だけの一人勝ちはいくらなんでも」

「悔しかったら我が社を上回る新事業を興せばよいのだ、それが資本主義」

スタージナス


「しかし、それは多くの敵を作る危険な行為と存じます」ジパン


「だが、一度動き出してしまったら人類は後戻りなどは出来ない」

「確かにそれはそうですが・・・」ヤコブ


「流通や運輸、旅客事業だけではなく不動産事業も大変な事になってます」

タラン


「うむ今までの様な「立地条件」という概念が破壊されてしまったな」

「これがスタージナス様の言う所の未来なのでしょうか?」


「そんなことは予想していない、全ては神のみぞ知る所じゃ」スタージナス

「今やスマホやタブレットに行き先を指定して料金を確認してポンですからね」

「それだけではない犯罪が激減してるのも社会的に大影響だ」スタージナス


「確かにこの便利さを享受しようと思ったら犯罪を犯す愚に出れませんから」

ヘッテ


「テイロン市長から苦情が来てます」ジパン

「む、観光者が激減したのか?」スタージナス


「いえ、その逆です観光客が増えすぎてもうこれ以上受け入れ不可能との陳情です」


「うーむ、テイロンは上品が売り、これ以上観光客が溢れては質が

墜ちてしまいかねないな・・・」スタージナス


「どこでもゲートがあるのだから寝泊まりは自宅ですればいいのに」ジパン

「馬鹿者、それでは意味が無いのだ異国の空気を味わうのが目的ゆえ

われも大航海時代次々と異国の臭いを嗅ぐのが何よりの楽しみであった」

スタージナス


「はい、私も諜報活動を通して世界各国を回りましたがやはり旅は

いいものでした」タラン


「どんな先端技術が出来ても本物は揺るがないという証明だな」スタージナス


「御意」


「しかし、得た利益の還元だけは忘れてはならない、失業した者がいるのなら

積極的に我が社で採用するふれをだす様に」


「はは、さすがスタージナス様」ジパン

「皮肉な結果ですがどこでもゲート需要のほとんどが近距離移動です」

「人間というのは便利さにあながう事が出来ないのだな」スタージナス

「そして驚くべき調査結果ですが1人当たりの移動費の総額が変わってない

ことでした」グフタス


「距離当たりの単価が下がっても頻繁に利用する事で結果売り上げが

変わらないと言う事か・・・」


「人間というのは面白いものだな、そしてあきんどの深さ面白さ」


「更に付け加えると過疎地域での地価が上がり繁華街の地価が下がりました」

「立地条件という概念がなくなれば都市に住む必要もないからな」


「しかし、面白いデーターがでてきました」タラン

「ほう」


「スタージナス様と同じ事を思う民が多いのでしょう新地球へ移民する

民がここのところうなぎ登りです。特段好条件をだしていないのになぜか

ブームになっています」


「せっかく空気が美味いのに大丈夫かなぁ・・・」スタージナス

「うーん大気汚染などは大王地球にも存在しないのですけどね」


「やはり我が社とアナハイムの支店が出来たのも人々を引き寄せてるのかも

しれんな」スタージナス


「確かに先ほどの立地条件の無効化概念とは相反しますが両社の影響は

人々の深層心理に影響してるのかもしれません。関連企業もどんどん支店を

構えだして来てネオ東京はステータスになりつつありますからね。」


「それにしても面白いのは流行を生み出した本人がそんな事はスッカリ忘れて

次の事業の研究に没頭してるところじゃな」スタージナス


「どうやら本人はもっと稼がないとスタージナス様に捨てられると必死

みたいです」タラン


「ふ、未曾有の事態が起きてるなんて本人は全く感知せずか・・」スタージナス


「メイドロボット達には資金繰りは順調だと伝えてはいますが当の本人が

そんなはずはないと懐疑的のようです」タラン


「で、話を変えるがどうなのだ?シンジの言う所の創造の雲は順調か?」


「いえ、聖水隕石が資源を運んでくるのは数年かかります、いくら焦っても

こればかりはどうにもなりません」ジパン


「ふ、魔石コアは粒子縮小化が不可能だからな、通常コイルエンジンでは

時間が掛かるのもしょうがなかろう」スタージナス


「は、タキオン粒子を添加することでかなりスピードUPにはなってますが

シンジが要求する資源量が半端ありませんから」タラン


「その件ですがシンジからの研究で魔石を粒子縮小化することで容易に

マイクロブラックホール化が可能になり時空エンジン製造コスト大削減

になるとか」タラン


「むう、それはアナハイムとの協議が必要だな特許問題があるからな」

スタージナス


「しかしシンジの存在を知らせなければなりませんが?」タラン


「いや、東インド会社としての交渉なのだから我が矢面に立てば良い

ダニアは普段からこのような話の際には忌憚のない意見を交わしてるから

我の権力や地位などは気にしない」


「まあ、何にしろ一度アナハイムとは話し合う必要がある、打診せよ」


「は、直ちに」タラン


「たった今思念通信で打診したところスタージナス様のご予定にあわせる

との事です」


「あははは、ダニアめ我が暇だと思ってあなどってるな」

「どうされますか?」ジパン


「一応我が軍団内で資料整備や意見の合致をせねばならん一週間後位だな」


「しかし、我らはスタージナス様のご意見に反論などありませぬ」ヤコブ

「馬鹿者!イエスマンは駄目だといつも言っておろう?」


「ですが・・・スタージナス様のご意見以上に意見など皆無なのも確かなのです」

「いや、それは違う皆からあがってくる情報を総合的に判断してるだけ

決して我の独断ではない」スタージナス


「つまりスタージナス様の発するご意見は我ら全員の総意そのものです」タラン


「む、・・・・確かに理屈は通っておるな」得心するスタージナス


「とにかくハイそうですかと相手の手に乗っては舐められると言う事

特段予定がなくても一週間後が丁度だと思う」


「はは、さすがスタージナス様慧眼でございます」ヘッテ


「実際の所はシンジに会って今回の報告と新しい企画がどのくらい進捗してるか

その他諸々我らが軍団で見聞する必要があると判断したのだ」スタージナス


「なるほど一週間の骨休めですね」タラン

「なぜ其方は我の本意を見透かすのか・・・」


「は、長年スタージナス様に仕えてますので、それに全員とっくに理解

してます。私だけではございません」タラン


「え?そうだったんですか?」ジパンだけそらとぼける


「こやつ・・・また道化のふりしおって」スタージナス





「邪魔するぞ」突然廃コロニーに軍団がぞろぞろ押しかけて来た

「な、何事でしょう皆様そろって?」シンジ


「其方のご機嫌伺いじゃ、それにいい加減少し休め」スタージナス


「スタージナス様のお陰で毎日16時間も休ませて頂いてますが?」シンジ


「ばかもの!それでも其方は日本海軍だろうが!」

「は?」


「月月火水木金金じゃ、つまり休日などとってないだろ?」


「はあ?しかし私はこの世に生を受けて一度たりとも休暇など取ったことが

ありませぬが?」


「お前はウラアールか!」おこるスタージナス


「とにかく今から全員でテイロンに行くぞ、拒否権はない。今すぐじゃ」

「ひえー、し、しかし今大切な研究の大事な時休んでる暇などありません」


「おのれは我が社の社員だろうが!総帥の言う事が聞けないのなら・・・」

すごむスタージナス


「ひええええ・・・」シンジ。


単独行動中は怖い物なしだったシンジだがスタージナスだけにはいっさい

頭が上がらない。シンジが心酔してる唯一の人物。


「いいかげんメイドロボット達にも休みを与えてやれ!馬車馬同然に酷使

してるとその内ぶっ壊れるぞ」スタージナス


「いえ、我らはシンジ様にこき使われるのが至上の喜びなので」メリダ達


「とにかく30分で支度せい、即座に転送するぞ」スタージナス

「しかし、なにを用意すれば良いのか・・・」シンジ


「あーー手ぶらでも構わない、テイロンに行けば全てが揃っている」

「スイマセン着替えもろくに持ち合わせてなくて・・・」シンジ


「まったく、一時改善したかと思えばまた不潔人間に逆戻りか?」

「申し訳ありません。ココに引きこもってるとついつい」


「この変な臭いは其方から発してるのか!」怒るジパン

「あきれましたね」ヤコブ


「スタージナス様の部下でなければ即刻首はねてる所だが」タラン(本気)

「よく見るとメイド達もボロボロではないか」

「主が着替えないのに我らだけが着替えられませぬ・・・」メリダ

「美しい女子にいったいなにさせてるのじゃ」スタージナスもマジ切れ


「ほれ、30分たった、いくぞ」「シュワン・・・」


「こ、ここは?どこですか?」驚くシンジ


「ここがテイロンの秘密島じゃ、完全プライベートリゾートだよ」

「なんという海の美しさ・・・我ははじめてみました」感動のシンジ

「いらっしゃいませ」

なんとイーシャ達がメイドで勢揃いして三つ指ついて出迎え


「こら、イーシャ達は許可したがなぜゴブータまでいるのじゃ」

「はい、私もすこし働き過ぎましたので休暇を頂きました」


「バカモン!メイド服着てなにが休暇じゃ、それは仕事というのだ」


「し、しかし私は7才で大王に召し上げられてから一日も休暇なと

とったことがなく休み方を存じません」ゴブータ


「なんともはや・・・」あきれるスタージナス


「とは申しますが我ら軍団も完全に休暇などとったことはございません」

「うぬらもか!」

「スタージナス様もです」タラン


「我は年がら年中休暇中じゃよ、隠居じゃからな」スタージナス


「自覚がないということは恐ろしゅうございますね」イーシャ

「なにがいいたい?」スタージナス


「何時も何時も無理難題を自ら請け負って世界中を飛び回ることが

隠居で休暇とは言いませぬ」ネハ


「ぐ、しかしそれは我が好きでやってること」


「我らもです」全員の声が一致した


「まあ、なんだ、ということでみんなでこれから休もう」

いきなりトーンダウンのスタージナス


全員大爆笑


「シンジ達はまず風呂入って着替えよ」


「ははっ」シンジ


「ばかもん!こんなところに来てまでかしずくな。無礼講じゃ無礼講」

「し、しかし本当に無礼講して首跳ね飛ばされた輩を私は見てます」

「我はそんな事はしない安心せい」


「まあ、言葉まで崩す必要はないがくつろぐ気持ちを持てということだ」タラン

「わかりました」シンジ


「ん、それでいい」スタージナス


それからはワイワイガヤガヤ和気藹々・・・

シンジは生還してから初めて心からの「休日」というものを理解した

メリダ達に生気がみるみるよみがえってくる・・・・

「アンドロイドなのに・・・」不思議がるイーシャ


「イーシャ様、メリダ達は違うのです・・・量産型ではありません」タラン

「人類の科学はここまで来てるのですね」驚くゴブータ


「恋か・・・」ぼそっと独り言スタージナス


「それにしてもこんなに美味しい食事は初めてです。確か以前にテイロン産

魚貝類取り寄せて皆様にお出ししたのにこの味は別格に感じます」シンジ


「さもありなん、テイロンで食べるテイロン産は味が一段も二段も上がる

これは科学では解明できない不思議な事。我らも理解出来ない」タラン


「テイロン人気がなぜ衰えないのか・・・この味が大きいと思う」ヤコブ

「本当に理解不能なのですがジパン産コシヒカリですら美味しくなります」ジパン


「これは一度科学的に研究する必要がありますね」シンジ


「いや、それは必要無い。なんでもかんでも科学で解明するのでは

夢がなくなる。テイロンについてはそっとしておこう」スタージナス


「はは、我らにとっては料理の美味しさが全てですからね」ジパン


「きっとテイロン特有の魔粒子が存在するのだろう・・」シンジは思ったが

スタージナス様の言う通り究明は控えようと内心で誓った。


夜の宴会シンジは生まれて初めて公私の私で酒を飲んだ

「お酒とはこんなに心地のよいものだったのですね」シンジ

「うむ、本来酒はこうして皆で心を砕いて酌み交わすもの」スタージナス


「ありがとうございます、今日一日でシンジ目から鱗が沢山とれました」

「うむ、わかってくれたのなら何も言うことはない」スタージナス


「だがな」


「はい?」


「ジパンの酒にだけは付き合うな!こやつは底と言う物を知らんやつじゃ」


「ほへ?私ですか?そんな事はありませんまだたったのボトル2本」ジパン

「ばかもんん、心づくしの高級酒を浴びるほど飲みおって・・・

ウラアールがいたら腰抜かすわ!」


「まあまあスタージナス様、お酒などいくら飲んでも・・・」イーシャ

「甘やかすでない一体いくらする酒だと思ってるのじゃ」


値段を聞く一同「ひ、ひえーー」


「だろ?たかが酒でと言える値段ではない」スタージナス

「し、しかしこれ程の高級酒って存在するんですね」メリダ


「世の中には常識の範囲を超えた物はいくらでも存在するのだ」


「お酒の値段でどうのこうのは無粋ですぞ~」泥酔してるジパン

「本人だけは天国じゃな」呆れるスタージナス


「で、無粋ついでだがシンジ申し訳無いが明日から数時間はビジネスの

話もするぞ」スタージナス


「は、秘密島に来た段階で極秘の話もあるとふんでました」シンジ

「うむ、良い心がけ」


「アナハイムとの調定ですね」シンジ

「ほう、わかっていたのか」


「はい、当然我が社との摩擦は避けられないと思ってました」

「だが今回は其方の存在は隠すことに決めた、我が全ての責任をとる

しかしすり合わせも必要なのだ」


「理解してます、それでは明日私が以前に作製した報告書をお渡しします」


「な~に2人でコソコソしてるんですか~」泥酔ジパンが絡む

「こやつ、無礼講にも限度が・・・」スタージナス

「駄目です今日は無礼講とスタージナス様が宣言してます」シンジ


「う、うむ・・しかしジパンめ」

「いや、これはジパン流忍び技かもしれません、油断召されるな」警戒タラン

「なーに今回は本音じゃろう。ジパンは酒になるといつもこれじゃ」


「ですが人間の本音の本音を引き出せるのは酒の席ともいいます」タラン

「其方も心配性じゃな・・そこがいいところなんだが」スタージナス

「は、ですから私は今まで泥酔と言うものを知りませぬ」タラン

「ある意味可哀想でもあるな」スタージナス

「悲しいサガです、自分自身でも呆れてます」タラン


「うわ~い♪」ついに裸踊り始めるジパン


「きゃーー」大喜びのイーシャ達

「ばかもん、裸踊りの本質は見せてはならんのだ、ギリギリで隠すのが芸」


一同大爆笑


ついにスタージナスの背中をビタンビタンとあれでビンタするジパン


「ジパン様いくら何でも無礼すぎます」タランの堪忍袋の緒が切れかける

「まあよい。無礼講無礼講」スタージナス

「感服しました。これほど心が広くて寛容だったとは」心酔するシンジ


「いくらなんでもこれ程泥酔のジパン様ははじめて見ましたわ」キラン

「ふ、テイロンは何もかも効果を高める魔法があるのだろうて」スタージナス


「うい~い」バタンとジパンは崩れ落ちてしまった・・大体からしてガブのみ

するような酒ではない、アルコール濃度が半端無いのだ


「ごーー」大いびきで寝込んでしまったジパン

「やれやれ、誰がジパンに布団かけてやってくれ」スタージナス


「はいはい」メイが布団を持ってきて優しく掛けてくれた


「とにかく今日は久々に美味い酒であった皆そろそろ寝よう」スタージナス

「え、こんな大きいベットがあったんですね」驚きのシンジ


「うむ、我らは全員で同じベットでねるのが習わし、其方も一緒じゃ」

シンジは生まれてはじめて人肌のぬくもりを知った・・・スタージナスの

優しさにひとしれず涙するのであった



「おはようございまーす」相変わらずイーシャは7時に皆をたたき起こす


「な、なにごと!」ビックリして飛び上がるシンジ


「これも我らの決め事、7時に全員起床するのだ」スタージナス

「おはようございます」何事もなかったように爽快に挨拶するジパン


「ふ、ジパンさすがじゃな」スタージナス

「へ?どうしたのですか?」ジパン

「いや、なんでもない。おはよう」




スタージナス式接待に感涙のシンジでした

はじめてのぬくもり

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