スピンオフ ネオ東京編 プロローグ
前作直後の新地球での物語
「グオオオオオォ・・・」
「うわああああああぁあ」
ガバッと飛び起きる
しかし、あたりは「シーン」と静まりかえってる
「ふうう、又夢か・・」大汗が吹き出してる
俺はシンジ、ネオ東京に住む20歳。3ヶ月前に突然この地に住む事になった
現在この町は俺1人しか住んでいない。
☆
俺は半年前突然移民局とやらで目が覚めた
「うううう・・・ここはどこ?俺は誰ですか?」
「落ち着いてください。今はとにかく体を休めてください
落ち着かれてから事情を説明いたします。とにかく体力を回復しましょう」
一見人間風の看護師さん?が優しく面倒を見てくれる・・・
しかし、異質なのはすぐに分かった、なんと時折目がピカッと光ってる
「ご安心ください、私は医療従事専用生体アンドロイです」
「はあ、」
アンドロイドだと?いつのまに開発されたのだろう
うううっダメだ全く過去を思い出せない。しかしなんとなくだが
アンドロイドなどがいたとの記憶はない気がするそれは分かる。
なぜ俺がここにいるのか全く理解不能だが体力が弱ってるのは実感してる
とにかく回復を優先させるべきと理解した
「わかりました、とにかく安静にしますので事情を教えてください」
「はい、体力の回復をみて順次現状の説明を致しますのでご安心ください」
「お願いします」と手を出そうとしたがおおおっ手が全く動かない
手だけではない足も、首すら動かすのがやっと・・体が鉛の様に重いのだ
「こんな状態で回復するのでしょうか?」シンジ
「大丈夫です必ず回復します、信じてください」看護師
翌日から手足を動かすリハビリが開始された
「ううう、先生脳が燃えるようです」俺
「今、ちぎれた神経細胞が脳に繋がろうとしてます。この時期に
リハビリしなければ一生機能が回復しません。頑張りましょう」担当医
先生の話によると俺は長時間冷凍冬眠状態だったのだが昨日蘇生術により
目が覚めたそうだ、しかし長時間体を動かさなかったので大幅に機能が失われて
しまったらしい。特効薬の効果で回復出来るそうだが壮絶なリハビリが必要らしい
「貴方は若いのですから回復力は半端無いはず絶対に社会復帰レベルに
回復出来ます」担当医
地獄の様な一週間を経てようやく手足が自由に動かせるようになったのだ
「せ、先生見てください手足が自由自在に動かせる様になりました」俺
「よかったですこれで第一段階クリアですね」看護師のメリダ
「メリダさんがお世話をしてくれたお陰です、このご恩は一生忘れません」
「私は多くの患者さんを救うのが仕事ですから・・・」メリダ
「しかし、他の看護師さんはどこか事務的でしたがメリダさんだけは
血が通ってました。分かるんです」俺
「わたしはアンドロイドです確かに血は通ってますが貴方のそれとは違います」
メリダ
しかし、俺は惚れてしまった・・・人間ではないはずのメリダさんに
「私なんて目が光ってますし」もじもじしてるメリダ
「その光る目にやられてしまったんです・・・」心で思うシンジ
折角親しくなれたのだが身体機能が回復したらこの病院にいつまでも
入院してられない先生の話では、俺の様な患者が他に20億人もいるそうだ。
「それでは貴方のお名前は「シンジ」と決まりましたそれでよろしいですね」
移民局の担当員が俺の名前を勝手に決めてしまった。
「なぜシンジなのでしょう?」
「実は貴方の名前は冬眠カプセルに刻まれていたのです。ですからシンジという
名前だけは本物です。貴方は日本人のDNAと判明しています」メリダ
「なるほど了解しました」シンジ
「それではシンジ君、これからの事をお話します。覚悟はよろしいですね」
「はい、お願いします」俺
「貴方達20億人はある惨劇からの生還者です。なにが起きたのかは今は話せませんが
いずれ時がきたらお話しします」移民官
どうやら初めに話した様に俺達は緊急事態が発生し強制的に冷凍冬眠されたらしい
「その・・・質問なんですが・・・」
「はい、どうぞ」
「いったい俺達はどのくらい眠っていたのでしょう?」
「大変申しにくい事なんですが15000年以上です」
「え、まさかそんなぁ・・」俺はショックを受けた
道理で記憶が全く失われてる訳だ
「しかし移民官様はどこから来たのですか?」
「よい質問です。それもおってお話します」移民官
「とにかくシンジ君は明日当院を退院しますが社会復帰する前に色々教育実習を
行っていただきます。ご安心ください全てのカリキュラムが準備されてます」
担当官
「つまり私達の回復は全て計画されてる訳ですね」俺
「さすが、IQ最高値のシンジ君飲み込みが早いですね」
「ん??わたしのIQが高い?そうなんですか」
「はい、事前の検査で貴方の能力値は全て把握してます。ですから優先的に
蘇生されたのです」担当官
「つまり私は選ばれた?」シンジ
「はい、詳しくは話せませんが貴方の能力を生かして欲しいこちらの願いです」
シンジは知らない・・シンジは初めから選ばれた人間、前地球王のアレスにより
選抜された20億の民のなかでも優秀とリストされ生前にアスタージナス大王に
その才脳を託されていたのだ。最初に回復を施された候補100人中の1人
アスタージナスの指示により当初からVIP扱いなのだが本人には知らせていない
「まだ理解不可能かとは存じますが時間短縮の為記憶操作を行います」移民官
「え?なにを行うのですか」
「まず、貴方の体を人間バンクに登録しコピー体を作ります」
「え、?しかしコピーと取るのなら私のリハビリは無意味なのでは?」
「いえ、機能すべてが完全コピーされますのでリハビリ後でなくては意味が
ありません」
「そういうものなのですか・・」
「で、コピーをとったとしてその後は?」
「はい、今の地球の全てを学習済の体になっていただきます」
「つまり面倒な学習をはぶいてくれる?」シンジ
「はい、時間短縮の為です。その時点で貴方の疑問のほとんどが解決されます」
「なるほど、細々説明受けるよりも早いですね」シンジ
「はい、人類300年の歴史を学んでもらいます」担当官
「300年?」
「はい、・・・とにかくコピー体になれば全てわかります」
「こちらにどうぞ」担当官
特殊なゲートをくぐると一瞬目眩を感じる・・
「はい、貴方はすでにコピー体ですオリジナルはホストコンピュータに保存
されました」担当官
「しかし、感覚的には何一つ変わりませんが?」
「当然です変わっては困ります」苦笑いの担当官
「どうですか?記憶に歴史が入ってるはずです」担当官
「おおお、分かります全ての疑問が解消されました」
実はアスタージナスによる脚本も多数・・玉虫色の記憶なのだ
特に元の地球がガンマ線バーストにより絶滅してしまった部分は伏せられてる
ほとんどの歴史はアスタージナスの住んでいる地球の記憶がコピーされてる
つまりUSAとEUが全人類を支配してる事も知らされた。
訳あって新しい地球が人類の手によって建設されそこにシンジが第一号として
暮らすことも知らされた。
「それで次のステップですが・・」
「はい、お願いします」
「貴方の居住地を決めましょう」
「はい、」
「記憶にあるとおり貴方はネオ東京住民でしたのでそこに住んで頂きます」
「はい、わかりました、ですが現在地はどこなのですか?」
「実はココは火星基地です、健康回復の為重力が1/3の火星が最適な為です」
「火星から地球に移動では大変ですね」シンジ
「いえ、時間的には一瞬です心配無用です」
「ですがまだネオ東京には誰も住んでません。シンジ君が最初の住民です」
「え、私1人でどうやって暮らすのですか?」シンジ
「大丈夫です住居モジュールにいれば全てが供給されます」担当官
「しかし、仕事は?」
「まあ、最初は在宅勤務ですね」
「多分ですが最終的にネオ東京には100万人ぐらいが居住する予定です」
「よかった、私1人ではないのですね」シンジ
「しかし予定が大幅に遅れてしまっていて多分4~5年掛かります
申し訳ありませんが数ヶ月~半年位はひとりきりの可能性が高そうです」メリダ
「なんか大変なんですね」
「大丈夫です、常に私達専任スタッフが手厚くサポートしますから」
しかし現実的には想定外の事態が発生し20億人のほとんどのカプセルは回収された
ものの今の科学力で安全完全に蘇生出来た個体はシンジ一体のみ
シンジは実際の所「上質」なカプセルで保存状態が優良だったのに関わらず
実際に蘇生してみたら予想外の事態が頻発して「超危険」レベルだった
本人には知らされてないがアナハイムの総力を挙げてもギリギリほとんど偶然の
要素が高かった奇跡的ともいえる。後で解析したところ成功率は1/10000
総力を挙げて開発した新ナノポーションですらまったく実力不足が露呈し
MSシュミレーターでの解析は全く役に立たなかった。ガックリMS
大王の指示により「あわてないで確実に」との判断で20億民全員が救出されるのは
飛躍的な技術が開発されるまで当面見送られる事になった
多分数百年を要するだろうとの専門筋の悲観的予想。
新型ナノポーションの開発が急がれる
大王の方針によりネオ地球は元地球人以外は移民しない事になった
勿論暫定的に移民官が地球に居住するのは仕方が無いがあくまでも元の住民が原則。
つまり当面超過疎状態なのは仕方が無い。火星に移民局を設置したのも
そのような背景がある。
「予想以上に現実は厳しいです」ブラン
「まさかこれほど困難だとは・・」ダニア
「MSシュミレーターの精度も上げなければなりません」MS
天才を多数擁するアナハイム社でも当初見解は予想が甘すぎたと痛感。
当初完全回復したとみられた王家一族、アレス王は自決したが残された2人も
現状では縮小体から戻すことは不可能と判定されてる。
なにが起きたかと言うと3人の王家が直面した「ウラシマ効果」が対処不可能レベル
最初に行った100体の冬眠カプセルの内シンジを除く99体は蘇生直後に
ウラシマ効果が発生、しかも劣化のスピードがとてつもなく冷凍縮小措置を行う前に
検体は完全に生命活動を停止してしまうことが判明した。
つまりシンジ以外の性能が劣る冬眠カプセルでは劣化スピードが速すぎて
現在の科学力では対処不可能だったのだ。
結局シンジひとりしか回復できなかった。
技術が確立されるまで蘇生は中止が決定し20億人救出作戦は完全に頓挫
只一人生還を果たしたシンジについて今後の処遇をどうするか・・・
「残酷なようですがモルモットは必要です」との事でシンジ一人がサンプルとして
実検的に経過を見守ることになってしまった。
全地球上で1人生活・・ネオ東京にて
成田に到着しネオ東京に魔超伝導リニアがシンジ1人を乗せて運ぶ
「こんな近代的な設備におれ1人とはなんとも不気味・・」
そびえ立つビル群、駅、繁華街・・・誰1人いない
実際はちらほら人影は存在する、全てが設備の維持管理目的の生体アンドロイドだが
とりあえずシンジは新宿の高層マンションの一室に居を構えた地上45階部分
一階すべてがシンジの居室・・・10LDK途方もない広さ
しかし朗報もある。医療サポート(実際はサンプル測定)という名目であのメリダが
着任してくれた。本当はシンジのたっての要望が通っただけなのだが・・
その他にも女性型メイドロボットが2体世話をしてくれる事になった。
広大なテクノポリス、ネオ東京・・実際は廃墟と同じ俺は宇宙空間にたった1人
取り残されたも同然。なにしろ外に出ても誰1人いないので外出する意味が無い
とは言え衣食住何不自由がないのも事実、栄養は徹底的に管理されてるし
健康チェックも完璧なのだ。というか自身がコピー体なので生命の危険は
一切ない・・なぜここに住まされるのかの意味すら分からない
「一体俺になにができるのだろう・・」
メリダが語ってくれた
「本来なら20億民の生活の場として新地球を再開発し受け入れ体制を整え
皆さんに心地よく住んで頂く予定だったのですが想定外の事態となってしまいました」
「つまり、俺以外の民が回復出来る予定がたってないのいですね?」シンジ
「はい、ですが地球(アスタージナスの住む地球という意味)には140億の民で
溢れています。決してシンジ君ひとりではありませんから」メリダ
「こちらの地球に移民を集うことは出来ないのですか?」シンジ
「いずれはそうなるかも知れませんが今は我慢してください」メリダ
実際のところ大王は新地球に移民をよこす予定はない。地球だけでも人員不足なのだ
そんな余裕は今の所ないし20億の民のみが純粋な旧地球人、それは大事にしたい。
今の科学力では解析不可能だが大王を含め現地球140億はもしかしたら
生体アンドロイドの可能性もある。研究の意味でも種の保存は大事だと
大王は判断してる。
※アスタージナスは完全に滋賀内人と分離して神の存在は忘却してる
「わかりました、とにかく頑張ってみます」シンジ
「ささ、今日はお疲れでしょうゆっくり夕食を楽しみましょう」メリダ
「病院食はその、なんていうか味気なくて美味しく無かった、コッチは
どうなのですか?」シンジ
「はい、メイドロボットが腕によりを掛けてご馳走を作りました。全てシンジ君の
脳内記憶からたどり好みのメニューにしました。今日は特別ですけどね」メリダ
「皆で食卓を囲めるのですか?」
「もちろんですわ、4人で食べましょう」メリダ
「いただきま~す」
「さて、今日からシンジ様にお仕えするメイドロボットのメイとリンでございます
どうかよろしくお願いします」二人が挨拶をしてきた。
「あの、私はただの平民シンジです様付けは止めてください」シンジ
「いえ、あくまでもご主人様ですので」二人
「シンジ君、こればかりはどうにもなりません諦めてください」メリダ
「わかりました、特にこだわる必要もありませんからね」
二人のメイドは18~20歳位の設定なのだろう可憐で清楚でつつましい
ときおり目がキラリンと光るのが逆にチャーミングですらある
「お二人は通いなのですか?住み込みなのですか?あとメリダさんは?」
「はい、3人ともこちらに部屋をいただき住み込みと言う事でよろしいですか?」
「もちろんです、これだけ広いのですからどこでもお好きな部屋をお使いください」
「ありがとうございます」3人
「ですが、私は男、貴方達は見かけは女性です、けじめはつけましょうね」シンジ
「すべてプログラミングされてますのでご安心ください」メリダ
「ぶっちゃけ話しますが、私は男、本来ならこんなにうら若き乙女達を見たら普通は
ドギマギするはずなのになぜ平常心を保ててるのでしょう?」
「申し訳ありません、シンジ君がコピー体になったときにその方面の制御を
受けてます」メリダ
「それは良い事ですね。安心しました」心底安心したシンジ
「シンジ君は成人してるのですからお酒行けるのでしょう?」メリダ
「はい、たしなむ程度なら」
「とっておきの地球産聖水酒があります。皆で固めの杯と行きましょう」メリダ
※作品の都合上アスタージナスの住む地球は「地球」シンジの住む地球は「新地球」と
今後表します。
「お酒おkロボットとは恐れいりました」
「私達は生身の人間となんら変わりませんわ」メイ
「かんぱ~い」カチン!
「さて、飲みながらで結構なのですが、明日以降私はどうすればいいのですか?」
「はい、当初お伝えしたとおり在宅勤務をしていただきます」メリダ
「どちらに務めるのですか?」シンジ
「実は最初にお伝えしたとおりシンジ君のIQが素晴らしく優秀なので是非
アナハイム社に勤務して欲しいとアナハイム社総帥からの要望が来てます
さらに、大王の実父であるスタージナス様の手持ち会社東インド会社からも
是非にと勧誘を受けています。その他にも数百社から誘われています」
「しかし、私自身なんの情報もなく、どこに務めたら良いのか判断出来ません」
「ですよね。ではとりあえずアナハイム社にお世話になってみてはいかがでしょう」
メリダ
「君が私の秘書になってくれるのなら了解します」シンジ
「え?私ですか・・・私は医療アンドロイド、お仕事関係の知識はありませんけど」
「いや、そんなはずは無いはず、ホストに繋がってるのでしょ?いくらでも変更
可能と思いますが?」シンジ
「さすが高IQ・・・説明しなくてもご存じなんですね」メリダ
「うん、実は入院中に予習しておきました」シンジ
「まあ・・」メリダが感心する
「とにかく明日、そのように移民官様にお伝えください」シンジ
「分かりました。それではアナハイム社にも打診しておきます」メリダ
「それでは、今日はもう遅い寝ましょう」シンジ
「えっとまだ各人の部屋割りが決まってませんけど」リン
「男女の制御がされてるのですよね?だったら皆で一緒に寝ましょう」
「まあ・・・」メリダ
女性陣3人はお互いに目を合わせるが「それもそうですね」と納得
「このネオ東京に住むのは我らだけ、仲良く行きましょう」シンジ
「なんだ惚れちゃいそうです」顔を赤らめるメイ
「あれ?そんな感情はないのですよね」シンジ
「はい、男女の感情はありえませんが好感度というのは別ですからね」メリダ
「それでは今日から4人は一心同体でいきましょう、その方が楽しいですからね」
仲良くベットに潜り込む4人、思念通販により「特大サイズのベット」を
オーダーしたのだ。
「しかし私は一文無しの筈なのにこんな高価なベットをなぜ買えるのでしょう?」
「はい、シンジ君は新地球の移民扱いですので一律20枚の金貨(2千万円)が
自動的に銀行口座に振り込まれています。ご安心ください」メリダ
「怖くて聞けなかったけど、新宿の高層ビルのまるまる一階分の部屋なんて
普通は家賃200万以上の筈ですけど?」シンジ
「ご安心ください、ネオ東京の住民はシンジ君只一人家賃を払う大家さんなんて
いませんから」メリダ
「光熱費は?」シンジ
「はい、特別にすべて無料ですご安心ください」メリダ
「ふーーーん、しかしタダより高い物はないというから、後からノシつけて
請求されるのだろうね」シンジ
「はははは、多分そのとおりですね」メイ
「不謹慎で申し訳ないが、本当に美女3人に囲まれてるのになんの感情も
起きないですね。これは傑作かもしれません」シンジ
「まあ、シンジ君ったら・・・」3人はシンジに絡まってスヤスヤと眠りにつく
さあ、明日からなにが起きるのか・・・・
こんにちばんわ(おはようございますかな)
結局どうしても続編が書きたくてネオ東京編スタートしてしまいました。
今後ともよろしくお願いします。<(_ _)>
はて、本編最終回で約束された筈の20億民の回復が頓挫・・・
いったいどうなるのか。今後の展開に注目ください。
シンジ君の活躍はいかに?