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4-9 もう誰もしなせないわ

~~~ アストロ国:第2ステーション付近 ~~~~~~

吹雪で視界が悪い。


♪ドス


後方のウイングが仰向けで倒れ、雪に埋もれる。

ミューミューはそのウイングの胴体に乗っていた。

陥没の穴は広がり、穴とミューミューの居る位置に

急斜面ができる。

例えると巨大な蟻地獄の誕生だ。

そして、ミューミューはその蟻地獄に捕まってしまった

ということになる。


後方のウイングは、頭から中心の穴へ向かって

ズリズリとゆっくり滑り落ちてゆく。

落ちないようウイングの両手で深く積雪の中へと

潜らすも周辺の雪と一緒に移動し、まったく効果がない。

ミューミューは、ウイングをサーフボードのようにして

サーフィンをしてるような状態であった。


滑り落ちて行く中、ミューミューはウイングの胴体から

ワイヤーの先端を手に取り、ケーブルを10mほど引き抜く。

そしてワイヤーを握ったまま、斜面の上側へと大きく

ジャンプする。

すると空中でワイヤーがピーンと一直線に張り、

その反動でミューミューは状態を180度回転させ、

ウイングを正面にする。

と同時に身体は降下し、ミューミューの両足は積雪へ

突き刺さった。

ミューミューは、両手でしっかりとワイヤーの先端を握り、

腕を伸ばす。

それに合わせ後頭部が雪に付くほど海老反った。


ミューミューがやろうとしてることは、自身がアンカーの

フックとなって、ウイングが滑り落ちるのを

防ごうとしている作戦だ。だが止まらない。

体重差があるせか?止められない。

ワイヤが一直線に伸びたまま、ミューミューも引きずられ

ウイングと共に下る。


ボリス>>ミュー隊長殿。

    このままだと2人とも穴に落ちます。

    自分を捨て、この場を脱出してください。


ボリスは覚悟を決めた。

後方のウイングを操縦するボリスは、モニタ越しに

ミュー隊長の行動を一部始終見ていたのである。


ウイングの頭部は、ついに中央の巨大な穴にまで到達する。


ミュー>>ボリス、脱出して!

ボリス>>了解。


突然の隊長の命令に反射的に答えてしまった。

自分を捨てろと言ったものの、今は問答してる場合ではない。

ボリスは脱出することを考える。

だが、いざ脱出しろと言われてもウイングの搭乗口は背面だ。

仰向けで倒れている状況下では出るに出られない。

ミュー隊長もそのことは存じているはず。


ふと緊急脱出ボタンに焦点が当たった。

これを使えということか、と理解しボタンを押す。


♪ガシャガシャガシャ


ウイングの胴体がバラバラとなり搭乗者がむき出し

となる。


ミュー>>ワイヤーに捕まって!


タグから聞こえる隊長の声で、我に返り反応する。

穴までは2mと近い。

ボリスは即座に立膝で起き上がる。

下半身を動かさないようにしながら360度見渡すと。

ウイングの胴体の破片からワイヤーが上に向かて

伸びてるのを発見。

ボリスはそのワイヤーを握りしめる。

ビンゴ!薄っすらだけどワイヤーの先に人影が見える。

ミュー隊長だろうと確信する。


状況は好転してない。ズリズリと穴に近づいている。

ボリスはワイヤーの先端である胴体をよく確認すると

胴体からウイングの左腕がつながった

その左腕が重みで滑り落ち、連動して我々も

引きずられてる状況であることを理解した。


ウイングの左腕が穴へと落ちる寸前で、

ワイヤーが胴体から切断された。

これは、当然ミューミューの仕業である。

自然に切れる訳がない。

ミューミューがタグから指示を出したのである。

ウイング胴体と通信ができ、かつ制御できたのは

ラッキーだった。

失敗する可能性の方が高かったと言える。

この時、ミューミューは冷静でいた。

もし、ワイヤーが切断できなかった場合は、

手を離せばいいと考えていたから。


ウイングの左腕は、胴体の片割れと共に

穴の底へと落ちていった。


ミューミューはというと、ワイヤーの先端を握り

ながら後ろ向きで1歩上へ登る。

最悪なことに2歩分滑り落ちる。

2度やったが同じ状況で登れない。


ミューミューはその場にとどまり、ボリスを

引き上げる作戦に変更するも、ミューミューだけが

下がり失敗に終わる。

逆にボリス自身が登ろうとすると、2人とも

ズリ落ちる。

ボリスは穴までの距離が50cmと目の前だ。

下手なことができない。

ここで改めて、蟻地獄の怖さを体験したのである。


ミュー>>ボリス!この場で待機せよ。

ボリス>>了解


ミューミューは指示を出すものの、困った状況である。

八方塞がりと言っていい。

ここからどうするか。ミューミューは瞑想する。

とにかく急がねば。時間がない。

じっとしてれば滑り落ちることはないが、気温はー20℃

厚着してると言え、ボリスのタグでは10分と持たない。

落ちて死ぬか、凍死で死ぬかの2択しかない。


ルイス>>隊長!

ミュー>>ルイスどうしたの?


突然、上部にいるルイスから通信が入った。


ルイス>>ご無事でよかった。

    今、そちらに向かっております。


ミューミューが振り向くと、確かに誰かが走って上から

降りて来るのが見える。

ルイスだ!ミューミューは確信する。


ルイスは腰にワイヤーを付けている。

そのワイヤーは上の方まで続いていた。

その先は見えないが、おそらく先頭ウイングから放たれた

ものだろう。


ミュー>>確認しました。そのまま直進願います。

    もうすぐ我々を捕らえるでしょう。

    すごいわ。助かったありがとう。

ルイス>>マーシャの気転であります。

    どうしようか迷ったのですが、

    役に立ったのであればよかったです。


~~~ マス国:地下都市 ~~~~~~~~~

サララ「順調に進んでいるね。」

助手 「はい。」


サララ「そろそろ2陣が来るんじゃない?」

助手 「はい。先頭集団は3km先の位置におります。

    予定通り30分後に到着になるかと。」


サララ「そうね。

    2陣は全て一般人だから問題なさそうね。」

助手 「だといいのですが。」


サララは管理室に留まっており、フィジ国から来た

避難民の受け入れを監視しているのであった。


サララ「ここ任しても大丈夫?」

助手 「はい。問題ありませんが。

    どちらへ向かわれるのですか?」


サララ「フィジ国の連中、おとなしすぎるから

    ちょっと様子を見に5階へ行ってくる。」

助手 「騒ぎがないのであれば安心なのでは?」


サララ「一般人の中に凶悪犯の囚人もまぎれてるのよ。

    そいつらが黙って従うとは思えないわ。」

助手 「凶悪犯?それ本当ですか?」

サララ「えぇ。」


助手 「手ぶらで入国してるとは言え。

    地下都市には凶器として転用できる物は

    沢山あります。」

サララ「だから様子を見に行くって言ってるの。」


助手 「お一人で大丈夫ですか?

    サモス総長に相談された方がいいかと。

    手が空いてる者が居ると思われます。」

サララ「私1人で十分。

    集団で元アストロ人を5階へ連れて行く

    方が危険よ。

    火に油を注ぐようなものだわ。」


助手 「火に油とは?」

サララ「別の世界での例えよ。

    要するに火種になるってこと。

    通じた?」


助手 「理解しました。

    何かありましたら連絡ください。

    レグを出動させます。」

サララ「頼もしいわ。その時はお願いね。」


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