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4-6 カールじぃは天才でした

~~~ ルジェル軍事基地:会議室 ~~~~~~

ミュー「使えるミサイルって軍に残ってる?」

カール「あることにはあるが。

    1万キロ飛ぶミサイルなど存在せんぞ。」


ミュー「そうなの?

    ミサイルってどこまでも飛んでいくのかと思ってた。」

カール「バカな!何に使う気じゃ。」


カールとの通信をミュートさせ、ミューミューはテレスの顔を見る。

テレスはミューミューが何を言わんとしてるか察した。


テレス「隠すつもりはない。

    全て話してくれていい。

    だがオレの名前は伏せてくれないか。」

ミュー「どうして?」


テレス「オレの名を聞いたとたん非協力的に

    なるのは目に見えてる。」

ミュー「そうかなぁ?!」


テレス「しかも、テロの実験データで作った

    代物だと知ったらオレを殺しに来ぞ、きっと!」

ミュー「あぁ、あるかもね。」

テレス「あるのかよ。」 (^-^;


ミューミューは音声のミュートを戻す。


ミュー「世界中の島々に生き物を

    復活させようとしてるの。」

カール「そんなこと可能なのか?」


ミュー「遺伝操作で作った生物の元となる物が手元にあって、

    これを温暖地域へばらまきたいんです。」


ミューミューはテレスの顔を見て会話の内容が正しいか確認する。

テレスは首を縦にする。


カール「なるほど赤道付近に落としたいということだね。」

ミュー「温暖な地域ならもっと近くてもいい。」


カール「地上に落としたいということだね。」


テレスは手でジェスチャーする。


ミュー「海でも陸でもどちらでもいい。

    可能ならば両方落としたい。」

カール「2つあるのか?」


ミュー「5本あります。可能なら5か所へばらまきたい。」

カール「我が軍のミサイルでは600キロまでしか

    飛ばせられないぞ。」


カール「ん~ん。」

ミュー「成功すれば、また海には魚が泳ぎ、地上は動物が

    走りまわる姿を見ることができるの。

    お願い。何とかならないかなぁ?」


カール「ミサイルを魚雷に改良するのはどうだろう?

    4千キロ運ぶことができそうだ。」

ミュー「すごい。そんなの作れるの?

    魚雷かぁ。なるほどね。」


カール「ワシなら作れる。天才だからね。」

ミュー「おお、流石天才。」


ミュー「お願いしたいんだけど。いつ完成しそう?」

カール「今日中に作っておくから明日には渡せられる。」

ミュー「早!じゃぁ、明日センターへ取りに行くよ。」


カール「1つ難点がある。」

ミュー「難点って何?」


カール「魚雷なので、誰かが海にまで運ぶ必要がある。」

ミュー「なんだ。そんな事か。

    私がやるから心配いしないで。」


カール「そんな事かって。

    吹雪の中を進むことになるかも知れないんだぞ。

    吹雪でなくても夜になればー50℃だ。

    とてもじゃないが海まで辿り着けるとは思えん。」

ミュー「私がやるから多分大丈夫。」


カール「死ぬかも知れんというのに、呑気な。」

ミュー「その話は明日しましょ。

    お昼ごろ開発室に行くよ。」


カール「2人で来るのかな?」

ミュー「サララは多分来れないと思う。」


カール「そうか。みな忙しいからのう。」

ミュー「じゃあ、明日ね。」


セキュリティセンターとの通信を切る。


テレス「ありがとう。」

ミュー「何年も掛けて作ったんだよね?

    このまま生かされなかったら寂しいよ。」


テレス「運ぶのはオレに任せてくれ。」

ミュー「大丈夫です。私がやりますから。」


テレス「いやいや、そこまでは甘えられない。」

ミュー「さっきも言いましたけど。

    テレスさんには残った人類の力になって欲しいの。

    初めて地下都市に住民が住みます。

    いろいろと問題が出てくると思うんです。

    科学的な観点から解決が求められることだってきっとある。

    例えば何だろう。ん~ん。」


テレス「食物の栽培を増産させる事とか?」

ミュー「そうそう。例えばそんな感じ。

    鮮度を伸ばしたり、栄養価を上げたりと。

    テレスさんにしかできない事がある。」


テレス「まぁ、その辺は専門分野だからな。」

ミュー「試験管を海に持って行くとか力作業は私とかサララに任せて。

    テレスさんは、取り残された人類にして力を貸して欲しい。」


テレス「気持ちは分かるが、おそらく戻って来れないぞ。」

ミュー「分かってる。」


テレス「海までたどり着けるかすら怪しい。」

ミュー「普通の人ならね。私なら大丈夫。」


テレス「死ぬ気か?」

ミュー「死ぬ気はないけど。もう私、寿命が近づいてるの。

    どの道、近々死ぬわ。散々無茶した報いね。」


テレス「はぁ?何の話だ。重い病気に掛かってるのか?」

ミュー「私のテロメア見て。」


ミューミューは自信の健康情報をテレスへ転送する。


テレス「おいおい。」

ミュー「生物学者なら、その意味分かりますよね。」

テレス「その若さで何をしたら

    こんなにもテロメアが短くなるんだ?

    まさか!」


ミュー「サララも同じよ。」

テレス「・・・」


ミュー「だから、テレスさんに残った人たちのことを

    お願いしたいの。」


ミューミューは握手を求め、右手をテレスの前へ差し出す。


ミュー「もしかしたら、テレスさんと会うのは

    これが最後かもしれない。」


テレスも右手を出し、握手を交わす。


テレス「任せろ。全力を尽くすと約束する。」

ミュー「テレスさんが、本気を出してくれるなら安心です。」


握手を解き、テレスは内ポケットから試験管を取り出す。

涙声で語り掛ける。


テレス「例え人類が滅んだとしても、これが海に投下できたならば

    あなたは救世主となるだろう。」

ミュー「救世主は、テレスさんでしょ。何言ってるの。」

テレス「頼んだ。」


ミューミューは試験管5本を受け取った。


ミュー「次があるので先急ぎます。」


テレスはミューミューが会議室から出ていくまで

無言で頭を下げ続けた。


ミューミューは廊下を早歩きで外へと向かう。

輸送係が目に入り部屋の前で立ち止まる。

一瞬考え事して、中へと入る。


ミュー「すみません!」


カウンターには誰もいなかった。

ミューミューが声を掛けるとバックヤードから1人の男性が現れた。


受付 「はい?」

ミュー「これ、センターの開発室に届けたいんですけど。

    今出したら、いつ着きます?」


ミューミューはテレスから受け取った試験管を見せる。

受付は現在時刻を見て、輸送リストを確認する。


受付 「次は第3便だから、夕方に届きます。」

ミュー「ならお願いしたいです。」


この後も救助活動が再開する。

誤って試験管を破損させては託された意味がない。

先に送ってしまえばいいという事に気が付いたのである。


受付 「分かりました。」


受付は30cm四方の空ケースを取り出す。


ミュー「大きすぎじゃな?」( ^o^)

受付 「一番小さいの、これしかなくて。」(^_^ )


受付はケースを開け、あるスプレー缶を手にする。

ケース内へ噴射させると、スプレーから飛び出た液体が

みるみる泡となって膨張する。

見ると、ケースの3分の2が発泡スチロールで

埋まった感じになった。

そこへ、試験管5本を刺してケースを閉めた。

ケースの上部には小さな穴があり、そこへ先ほどの

スプレーを噴射する。

内部で膨張し、試験管が発泡スチロールのような物で

固められた。

どうやらこれで完成のようだ。


ミューミューがタグを操作すると。


♪カチッ


ケースの表示が『ロック中』へと切り替わる。


受付 「はい。OKです。ではお預かりします。」

ミュー「お願いします。」


ミューミューは部屋を出る。

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