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2-43 わたし社会奉仕をはじめます【2021年12月6日】

~~~ 教室 ~~~~~~~~~~~~~

朝の教室。


たけし 「お前、鼻殴んぞ!」

マスミン「あんた凄いわ。

     女子に向かってよくそんな言葉吐けるわ。」


たけし 「女子?ババア―じゃん。」

マスミン「誰がババア―じゃー。

     っていうか、あんたウザイ。

     どっか行って!」


たけし 「ここは俺の席だ。

     お前がどこか行け。ボケ!」

マスミン「ははーん。

     私の事、好きなんでしょ?」


たけし 「え!俺がお前に?

     おぇーー。」


たけしは、ゲロを吐く仕草をする。


窓際の一角で見慣れた光景に、ミューミューは安堵する。

ミューミューはチャイムが鳴るギリギリに教室へと入り

自分の席へ着席しようとしたが、彼女らの会話に

圧倒され、2人の背に立ちすくんでいた。


ミュー 「朝から仲いいよね。」


会話が途切れ2人が振り向く。


マスミン「おはよう!来てたんだ。

     声掛けてくれればいいのに。」


たけし 「席をお守りしておりました。

     どうぞ、どうぞ。」

マスミン「キモ!」


何て平和なところなのだろう。

ミューミューは改めて実感する。

ここは戦争どころか、銃声が聞こえたり、

死者を見ることなど無縁だ。

そんなものはドラマや映画の世界だけと思っていた。


だが、今は違う。

つい先ほどまで、そんな世界に居たのだから。

そして、登校中にその光景を思い出し気分が悪くなる。

2人の言い争いが微笑ましく。

ミューミューを癒してくれたのである。


♪カラガラ。


先生が教室に入って来た。

クラスメイトの何人かは先生の姿を見て自席へと戻る。

ミューミューもまたカバンを置き、慌てて席に着いた。


~~~ 昼休み ~~~~~~~~~~~~~

隣同士のミューミューとマスミンは、机をくっつけて

仲良くお弁当を食べている。

話題は当然、向こうの世界でのことだ。


マスミン「勲章をもらったんだ。凄いよ。」

ミュー 「ちっとも凄くないよ。おおやけに言えないし。

     不名誉な勲章だよ。」

マスミン「そんなことない。

     世界を救ったんだから受け取るのは当然よ。」


ミューミューはテロ事件の一部始終をマスミンに話した。


マスミン「お城の監視塔を守ってた人達はどうなったの?」

ミュー 「2人もフィジ国へ身柄を引き渡すことになった。

     自国の軍事裁判に掛けるといってたけど。

     絶対、無罪にするよね。

     ずるくない?一般市民を攻撃したんだよ。

     死者も出たのに。」


マスミン「証拠があるのだから流石に無罪はないでしょ。

     下手すると死刑かもね。」

ミュー 「えー。無罪だと思うよ。

     裁判自体しない気がする。」


渦中の彼らは本国へと送還され、のちに裁判が開かれた。

テロとは言え、彼らがやったことは人道に反する。

自国も含め、3ヵ国に彼らの行いがニュースに流れて

しまってることから裁判をせざるおえない状況となり、

管理室最高責任者であったフリード氏を含めた全世界が

注目する軍事裁判が開かれることに。


判決は、全ての責任をフリード氏になすりつける形となった。

死人に口無しとはまさにこのことである。

なので監視塔の所長は、3段階降格で8年の実刑が言い渡さた。

その助手はというと3カ月の謹慎処分に留まったのである。


マスミン「アストロ国は誰も罪にはならなかったんだ。」


ミューミューは首を左右に振る。


ミュー 「モカリス総長1人だけが罪になった。

     そして、その責任を取ってデカルト大統領が辞任した。」

マスミン「そうなの?え、何で?

     だって実行犯は全員死んだことにしたんでしょ?」


ミュー 「確かに実行犯は全員死亡なんだけど。

     テロを起こしたのが、アストロ国なのは事実だし、

     全世界を巻き込んだ事件なのにアストロ国に

     何の罪も発生しないのは世界の人々が納得

     しないってことになったらしい。」

マスミン「へぇーー。」


ミュー 「モカリス総長、自ら言い出したみたいだよ。

     アストロ国にも処罰される人が出ないと

     フィジ国の民衆が黙ってないって。」

マスミン「そっか。巨悪の根源は、フリードだけど。

     だからと言って武器を持って戦うのは間違いだからね。

     しかも、関係のない一般市民に死傷者が出てるし。」


ミュー 「そうなの。」

マスミン「ミューミューが落ち込むことないよ。

     私にはわかる。」

ミュー 「何が?」


マスミン「テロを計画した時点で、モカリス総長は全ての罪を

     1人で被るつもりでいたんだよ。」

ミュー 「そうなのかなぁ。」


マスミン「きっとそう。

     気持ちを理解できたような気がする。」


モカリス総長の身柄はどうなったのか。

彼は自国の軍事裁判に掛けられ、懲役300年という

最も長い服役刑が下された。

この刑は、世界に向けた表向きの判決であり、

実際は異議申し立てによる上告で、時間を掛け

テロへの嫌悪感が薄まったところで裁判をし、

刑を軽くするという暗黙の流れがあった。

だがモカリス総長は、なんと異議申し立てをせず、

そのまま受け入れてしまったのである。

サモス隊長をはじめ、多くの軍人が、モカリス総長に説得をした。


モカリス「私は国のために死んでくれと部下に命じた。

     そしてテロ当日、私はセキュリティセンター

     という安全な場所から指示を出していた。

     それはなぜか。全責任を負うためである。

     それが私の役目だからだ。

     甘んじて刑を受ける所存である。」


と言い。誰の言葉も聞き届けてはくれなかったのだ。

それに伴い、暫定大統領からサモス隊長を最高司令官に任命された。

モカリス総長の後をサモス氏が引き継ぐことになったのだ。


暫定大統領とは、現大統領の退陣により、

次の大統領選までの仮政権として、副大統領である

スタルコ氏が大統領を引き継ぐこととなった。

なので暫定大統領なのだ。


ミューミューとサララのZAT入隊試験については語るまでもない。

筆記および実技的にずば抜けた結果を出し、基準クリアどころか

歴代トップの成績で合格となってしまった。

さぁ、困ったのは大統領である。

軍の誰しもが合格するなど想定していなかったのだから。

内密ではあるが、彼女らはマス国の王女様だ。

しかも全世界の人々から神的な扱いで崇拝されている。

そんな王女様を死と隣り合わせの現場に向かわせることなど出来ない。

もちろん大統領を筆頭に軍の幹部は全員反対だ。


だが、約束は約束である。

そこで現在3チームあるZATへ彼女らを配置させるのではなく、

大統領直属の新たなZATチームを2つ作ることとした。

ちなみにZATは軍ではない。

なので軍で彼女らのZATを自由に動かすことができないことから

苦肉の策で大統領直属の特殊部隊という形を取った。


元フィジ国軍人であるライトと親衛隊の扱いに困っていたところ

新設のZATチームに入隊させれば、王女様合わせて彼らも

監視できるのでは?となり、彼らに相談を持ち掛けたところ

快く引き受けてくれたことから、事はその方向に進んだ。


ZATは隊長を含めた6名の小隊である。

現場での作業は主に隊長の指示に従う隊員達の役目だ。

したがって、ミューミューとサララを隊長に据えることは

即確定した。

親衛隊は5名。サララを加え1小隊が完成した。

残りは、ミューミューとライトの小隊だ。


こちらは、全警備隊へ慣例のZAT募集を掛け、入隊希望の

成績者上位3名をミューミューの部隊へ配属させる形を取った。

その3名に関しては、少女が隊長であることに戸惑いを見せた。

それは当然だろう。ZATは警備隊の中でトップに位置する部隊だ。

その隊長となればトップ中のトップということになる。

彼女と共に訓練することで、隊長と認めるのに時間は

必要とされなかったのは言うまでもない。


任命式が取り行われ、正式に新たなZATが誕生した。

活動当初は大統領のお抱えであり、名前だけのZATのはず

だったのだが、人手が足りなければ使わざる負えない。

そして彼女らは、出動するれば必ず結果を出した。

今では真っ先に声が掛かる存在となり、危険な場所へと頻繁に

出撃するといった当初の目的から離れることになる。

ZATは、軍の直轄でないことから、手出しできないのだ。

彼女らが出撃する度に、大統領を含め軍幹部は毎回冷や汗を流す

こととなる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんで頂けてるでしょうか?

今回で2章は終了しました。

次回は4章へ突入します。引き続き読んで頂けると嬉しいです。

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