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2-42 わたし、英雄になったようです

~~~ セキュリティセンター:会議室 ~~~~~~

大統領の勲章授与発言に対し、ミューミューは

待ったを掛ける。


大統領「それは困りました。

    テロの実行犯は全員命を落としたのです。

    ここで実刑判決を出すとなると、実行犯が

    生存してたということになる。

    ましてや、国がかくまっていたことに

    なってしまうのだが、如何なものかと。

    更には、隣の兵にも罪を掛けなければ

    ならん事になる。」

ミュー「それは。」


ミューミューは反論したいが、この先の言葉が出て来ない。

自分は何かしらの罰を受ける必要があると感じてる。

そう自分は犯罪者である認識だ。

だが他の人に罪が広がるのは本意ではない。

ましてや勲章などもらう筋合いはない。


サララは、ミューミューに話しかける。


サララ「私達が勲章を受け取らないと、ここは

    終わらないわ。

    私達は自分が悪いことをしたと思ってるけど、

    どうやら逆のようね。

    歴史で習ったじゃない。

    どの時代の英雄も沢山血を流してるわ。

    罪が問われれないと言ってのだからいいじゃない。」

ミュー「言いたいことは分かるわ。

    でも私達は違うと思うけど。

    少なくても勲章をもらうような行動は

    とってないと思っているだけ。

    しかも英雄だなんて。」


サララ「私だって勲章をもらうのは違うと感じてるわ。

    なら、奉仕すればいいんじゃない?

    ほら社会的に迷惑を掛けた芸能人とか

    やってたりするでしょ。

    いっしょに奉仕しようよ。

    それで返せばいいんじゃない?」

ミュー「奉仕って具体的になにするの?

    町のゴミ掃除だとか?」


サララ「なら軍に入隊して人助けするとか。」

サモス「人助けをするのであれば軍ではなく

    警備隊の役目になる。」


ミュー「警備隊?」

サモス「犯罪者を取り締まったり、怪我した

    人を搬送したりする仕事だ。」


サララ「火災で炎の中へ飛び込んで救助するとか?」

サモス「ああ。警備隊にも種類があって、

    ZATという組織がそれにあたる。

    だが、爆破物の除去だったり、

    崩れる瓦礫の中で救助するといった

    死と隣り合わせな作業を専門とする所だが。」


サララ「いいじゃない。面白そう。ZATに入ります。

    ミューミューもそうしようよ?」

モカリス「いや。君達には無理だと思うが。

     力作業だし幅広い知識が必要とする仕事だ。」


ミュー「そうだよ。私達にそんなの無理だよ。」

サララ「そうかなぁ。出来ると思うけどな。」


ミュー「確かに務まるかも知れないけど。

    遊びじゃないんだよ。」

サララ「分かってるって、ちゃんと考えて、

    私は本気で言ってます。」

ミュー「絶対、分かってないよ。」


サモス「ちょっと待ってくれないか!

    現場は君達が想像する以上に危険な場所だ。

    時には爆破物の前を横切ることもある。

    炎の中を進むこともある。

    いつ死んでもおかしくない作業だ。

    そんな場所だから、ほとんど助けられない

    のが実情だ。

    悲しい思いをするだけだ。」


ミューミューは悩む。

そして、サモスの言葉を聞いて決意する。


ミュー「わかりました。ならばZATに入隊します。

    これは遊び半分で決めた訳ではありません。

    テロ事件で多くの人が死にました。

    その人達は私が殺したんです。

    愛する家族が戻らず悲しんでいる人がいる

    でしょう。

    ベッドで横たわり絶望になってる人もいる

    でしょう。


    私は、そんな人たちにどう謝罪していいか

    ずっと悩んでました。

    精神誠意をもって謝罪したとしても犯罪者

    の言葉など届かないと思う。

    だって、私が同じ立場だったら、私は永遠に

    犯人を許さないと思うから。

    

    ここに来たら死刑判決が言い渡されると

    思ってました。

    なのに何のおとがめもがなく勲章だなんて。

    

    罪を悔い改めて、今後は人の活動をした。

    ZATは危険な場所での作業だという。

    ほとんどの人を助けられないと言いました。

    なら、私とサララなら沢山の人を救助できると

    思うんです。」


サララ「そうね。私とミューミューなら、あきらめた

    命を救うことが出来るわ。」

ミュー「やらせてください。お願いします。」


ミューミューは大統領に頭を下げる。


♪パチパチパチ (大統領の拍手)


大統領「素晴らしい。感動です。

    やはり、姫君らは崇拝に値する人です。

    思い描いていた通りにお人でした。

    まさに人類の宝です。


    確かに今回の事件で死者が出ました。

    その人達は死んでいいという人々ではありません。

    ですが聞いて頂きたい。

    それをはるかに超える人達をあなた方は

    救ったのです。

    全アストロ人を救ったと言っても過言ではない。

    我々だけでは、このミッションは成功しなかった。

    姫君らがいなければ、テロを決行しても

    しなくても我が国は滅亡に突き進んだことだろう。


    そして、悪の根源はメーティスを私物化した

    フリード氏だ。

    そこをはき違えてはいけない。

    彼が殺したのだ。あなた方ではない。」


大統領の話し聞いて、ミューミューは混乱してきた。


サモス「ZATだが、誰でも入れる部署ではないのだぞ。」

ミュー「もちろん理解しています。

    ですので、私達をテストしてください。

    基準をクリアできたら入隊するで構いません。」

サララ「そうね。テストで判断してもらうのが

    手っ取り早いわ。」


モカリス「いや。万が一、君達に怪我でも」

大統領「分かった。」


大統領は、モカリスの話しをさえぎる。


大統領「ZATの試験を受けて、基準を満たしていた

    のなら入隊を約束しよう。

    だが、もしクリアできないのであれば、

    逆にあなた方を保護させて頂きたい。」


大統領は、ZATの試験内容を知っている。

彼女らが体力的にも知識的にも、

クリアできないことを知っている。

この場の全員も同じ考えだ。

だから大統領はこの条件を飲むことにした。


サララ「交渉成立ね。」

ミュー「そうね。

    今後は多くの人を救う活動をするわ。」


大統領「ではZATの隊員として恥ずかしくないよう

    この勲章を受理して頂けないだろうか?

    ZATは警備隊の中から選び抜かれたエリート

    集団の集まりです。

    Z入隊するにしても何かしら肩書が

    あった方いい。」

サララ「そうね。女だとバカにされそうだし。

    受け取るわ。

    ミューミューもいいでしょ?」

ミュー「そういうことなら、分かりました。」


ミューミューは大人の話術にまんまと乗せられた

ような気がする。

正直、勲章をもらえることは嬉しい。

だが犯罪者であるという考えがそれを拒む。

堂々巡りだ。


ようやく話が元へと戻り、2人への勲章の授与式が

とり行われた。

聞くところによると、歴代の勲章の中で最上位だ

そうで、初の称号だいう。

本当にこんなものを貰っていいのだろうか。

ミューミューは戸惑う。


英雄ならば、国を挙げて大々的に行われるもの。

だが実情は、この会議室の30人足らずの祝福に留まる。

一般国民には知られてない英雄となったのだ。

本当に自分は英雄なのだろうか、疑問しかない。


本来なら、この状況は不本意なのだろう。

ミューミューは逆にそれでよかったと、ほっとしている。


こうして、ミューミューとサララは、アストロ国

初の英雄となった。

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