2-23 わたしの葬式に、わたしが参列しました
~~~ 排他区域 ~~~~~~~~~
今日は、マス国王女追悼式最終日。
そうモカリス総長が企てているラプラス城襲撃日
当日だ。
現在、参列の締め切り時刻が迫っており、
最終日だというのに列にはまだ多くの人が並んでいる。
献花台に到着するまでに相当時間が掛かりそうだ。
そこへ奇襲部隊の面々が登場する。
各々が個人行動を取っており、お互い見える位置に
いることはいるが、固まることもなければ
目も合わすことなくメンバー全員が列に並んだ。
突入部隊もサイ国の検問所で待機中である。
朝早くから準備しているせいか、落ち着きがなく
テンションが最高潮に達している。
これで役者が全員そろったことになる。
フィジ国の警備は追悼式初日から変わっていない。
というのも、今日の午前中も含め、毎日数名が
参列し、警備の状況を確認していた。
見える範囲だけだが、軍の配置は把握できている。
モカリス総長の作戦通り、成功率が一番高いのは
今日という日しか考えられないのを
全メンバーが実感することとなった。
~~~ サイ国検問所 ~~~~~~~~~
軍人1「あれ。お友達はまだ戻ってないの?」( ‥)
サララ「はい。怖くなってどこかで
隠れてるのかも。」(^^;)
軍人1「その気持ち分かる。君達はえらいよ。
戦場に君達を呼ばないよう頑張るから
安心して。」
サモス「何事だ?」( --)
軍人1「は!少女が1人。散歩に行ったっきり
戻って来ないため確認した次第です。」
サララ「ははは。心配しないでください。
作戦開始になったら通話で
呼び戻しますから。」(^^;)
~~~ 排他区域 ~~~~~~~~~
突入部隊はゆっくりではあるが、確実に進んでいる。
門の入口まであと20mと言ったところか。
緊張が増してくる。
身なりは、全員一般の服装をしており、
参列者に溶け込んではいる。
荷物は持ってなく、手ぶらな状態だ。
なので、警備のフィジ国軍に何名かすれ違ったが、
特に怪しまれることなくここまで進めた。
手ぶらとは言え、内ポケットには小さなナイフを
忍ばせている。唯一の武器だ。
セラミック製であるので、門のセンサーには
理論上引っかからないはずである。
だが一度も試したことはないので100%
とはいえない。不安があるとすればここだ。
先頭の1人目が1m。50cm。と門へと近づく。
胸の鼓動が高まり、息を呑む。
♪バリバリバリ (銃声)
参列者達「キャー。」
門の中から多くの人が流れ出て来た。
突入部隊は何事だと思い。
流に逆らい人をかぎ分けて門をくぐると、
フィジ国兵数名が、ある一点に向けて一斉射撃を
していた。
その銃口先を見ると、少女が銃を持って乱射しなが
ら走っているではないか。
そうミューミューである。
実は彼女。突入部隊の10m先に参列していたのだ。
そして門をくぐって、兵士とのすれ違いざまに
銃を奪い、上空に向けて発砲し走り去った。
♪ウゥゥー
警告音が城全体に響き渡る。
兵「直ちに城を出ろ。」
3名の兵が、ミューミューに発砲し、
50名の兵は、各配置場所で参列者に銃を向け
同様なごろつきが出ないか目をとがらせる。
そして残り50名の兵は、参列者を外へと誘導した。
兵「オイ、お前。今日は中止だ!戻れ。
うっ。」
近くの参列者「きゃー」
兵士の腹にナイフが刺さっている。
しかも同時に2人。
突入部隊の2名が2名の兵士から銃を奪った。
~~~ 監視塔 ~~~~~~~~~
レイモン>>何事だ!
ライト >>少女が突然銃を奪って逃走しました。
レイモン>>さっさと捕まえろ。
子供一人に何をしてる。
城内では無条件に殺していいのだぞ。
ライト >>所長。それが反撃しているのですが、
すばしっこくあたりません。
監視塔にはレイモン所長と、ハンス兵の2人がいる。
レイモン>>ははは。ライト隊長。
あんたの隊員は初歩の射撃訓練から
やり直した方がいいのでは?
レイモン「モニタに映せ!」
ハンス 「それが。」
レイモン「なんだ、少女などおらんではないか。
何をしているのだ。やつらは?」
ハンス 「さぁ~。
暑さで頭がおかしくなったんですかね?」
監視塔に居る2人は、モニタ越しに献花台付近の
映像を見るも兵士が誰もいないとこへ発砲している
ようにしか見えなかった。
レイモンは、念のため双眼鏡を使って、
2階の監視塔から兵士の発砲先を見る。
レイモン「どういうことだ!子供がいるぞ。」
ハンス 「そんなバカな。ほんとだ。あれ?」
ハンスも双眼鏡を使って確認した。
2人は、同時にモニタを再確認する。
少女が映っていない。
ハンス 「あの子。幽霊なの?」
レイモン「カメラが壊れてるのでは?」
ハンス 「それはありえません。
超音波、レーザー感知、共に数値は
そこに誰も居ないと示してます。」
ライト >>所長。
レイモン>>どうした?
ライト >>兵士が2人倒れました。
他にも仲間がいたようです。
これはテロであります。
レイモン>>全員射殺しろ。城には近づけるな!
レイモン>>全隊員に告ぐ。会場内で騒ぎが発生。
2名の隊員が負傷した。
北ブロックは、テロ集団に対処せよ。
東南西は、持ち場を離れるな。
警戒せよ。
♪ピッピッピ。(着信音)
レイモン>>これはフリード様。
フリード>>下で何が起きてる?
7階の集中管理室から最高責任者である
フリード氏が連絡してきた。
レイモン>>追悼式を利用してテロを起こした
者が現れました。
現在確認しているのは3名です。
もしかしたらもっと仲間が居る
可能性があります。
フリード>>レグ(戦闘ロボ)の使用を許可する。
200体ほど出せば絶望するだろうよ。
さっさと終わらせろ。
レイモン>>了解しました。
ライト >>所長。
レイモン>>次はなんだ。
ライト >>テロの仲間がまだいたようです。
8名に増えました。
一般人を盾にしてます。
如何致しましょう。
レイモン>>レグを出撃させる。
貴様らは何もしなくていい。
威嚇だけしてろ!
ライト >>了解。
ハンス 「所長。レッド200体、準備が整いました。」
レイモン「出せ!」
ハンス 「出撃。」
~~~ 献花台周辺 ~~~~~~~~~
ライト「一般人には当てるな。」
警備1「隊長。ナイフで刺された隊員2名を
医療班に引き渡しました。
意識があり、命に別条はないとのこと。」
ライト「そうか。」
ライト>>こちらシグマ1。全隊員に告ぐ。
レグが出動される。
テロ集団の盾とならないよう
移動せよ。
♪ゴゴゴゴ
献花台付近の何もない更地のところに、
地響きと共に5カ所が盛り上がり、
高さ1.5mの壁で出現した。
その壁から高さ1mほどのロボットが200体
出て来たのだ。




