3-6 わたしJKしてます ①【2021年12月13日】
■■■ 2021年12月13日 ■■■■■■■
ゆっくりと目を開く。
見慣れた天井だ。
カーテン越しの日差しが眩しい。
ミュー(私の部屋だ。) (^_-)
♪ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピッ。
アラーム音が部屋中を鳴り響く
鳴る直前に目が覚めたようだ。
ミューミューは布団から出ずに右腕を伸ばし、
頭の上にある置き時計の形を指で確認しながら、
アラームを止める。
いつものように現実世界へ戻って来たのを実感する。
だが、今回は違っていた。
ミュー(ヤバイ、死んだよね。私、絶対死んでる。
救助どうなったんだろう。
みんな無事だったかな。
隊員達は、私が居なくてもちゃんと
連携してくれたかしら。)
ミュー(もう、関係ないか。
二度と戻れないんだから
考えてもしょうがない。)
ふとサララのことを思い出す。
ミュー(そうか!
サララに会えば、いろいろと聞ける。
どうしよう。私、住所知らないよ。
聞いておけばよかった。
もう二度と逢えないじゃん。
バカだな私。
サララと連絡を取る方法、何かないかな?)
ミュー(まって、私、本当に死んだのかな。
気を失ったかも知れないし。
夜になれば分かるか!)
もし生きていたら今夜向こうの世界へ行ける
というこをだ。
ミュー(お別れの挨拶してない人、いっぱい居るよ。
隊員達とあんな別れ方になるなんて。)
死んでもいいとは思ってたけれど。
いざ死んだことを実感すると胸が苦しい。
向こうで過ごした日々があふれ出す。
ミュー(私が居なくなったら隊員たちはどうなるんだろう?
部隊は解散になるのかな。
知らない人が隊長になるかも。
それはやだなぁ。
それよりも、私が死んだことを隊員達が
知ったら、どんな顔するんだろう。
泣いてくれるかな。)
ミュー(サララは大泣きしてるね。
どうしよう1人にしちゃった。
自分勝手で、ごめんね。) (@_@)
ミュー(あのとき、本当に人を助けたいという
思いで行動してたんだろうか?
救助している自分に酔っていたのかも。
わからない。自分がわからない。)
ミュー(最初は助けたいと思って行動していたのは
間違いない。
あの光景を見たら身体が勝手に動いてた。
けど、いつのまにか人を救うという
ゲーム感覚になっていたような気がする。
助かって欲しいと願うことよりも、
死人を一人も出さないという気持ちだった。
なんて意識で行動していたんだろう。
私は最低な人間だ。
そんなんでZATの隊長をやってたんだ。
はずかしい。隊員達に会わす顔がない。)
ミュー(あの国は素敵だった。
悪い人もいたけど、良い人も沢山いた。)
涙が耳へと流れる。布団で顔をおおい隠す。
ミュー(今になって後悔している。
サララに会いたい。
隊員のみんなに会いたい。)
・・・
~~~ AM7:40 玄関 ~~~~~~~
スニーカーを履く制服服姿のミューミュー。
ミュー「学校、行く。」( ..)
母 「あれ、朝ごはんは?」(-- )
ミュー「今日は早く学校行くからいい。」
母 「ちょっと待って。」
母 「ゴミ、ついでに捨てて来て。」
玄関の端に小さなゴミ袋が2つ置いてある。
ミュー「これね!行ってきまーす。」
母 「行ってらっしゃーい。」(^_^ )
赤く腫れあがった顔を見られたくなかったので、
学校を口実に家を出だ。
彼女は現役の女子高生。現在高校3年の17才。
学校は、歩いて20分位のところにのある。
自宅から近いという理由なだけで選んだ県立高。
通学路を一人で歩いていると、
どうしても夢のことを思い出してしまう。
かと言って誰かと会話したら泣いてしまいそうだ。
ミュー(自分の行動は正しかったのか?
あそこまでしなければならないことだったのか?
本当に最善の行動だったのだろうか?)
ミューミューは自問自答する。
ミュー(いや違う。
自分が死んだら、誰が仕切るの?
私が救助するのではなく、
協力者増やす方を優先すべきだった。)
ミュー(いや、私が助けなかったら
確実に5人は亡くなってた。
少なくても一人も死者は出てない。
はやり、間違ってなかった。)
ミュー(でも。
私が倒れたことによって、
あの後、大量の死者が出たかもしれない。
正解が分からないよ。)
ミュー(もう一度、みんなに会いたい。)
1粒の涙が頬を伝わる。
泣いてる事がばれないよう歩きながら、
滴の跡を手で拭き取る。
夢の世界はつらい事ばかりだった。
だけど、今となっては、笑って話せる思い出である。
それはサララの存在は大きい。
同い年で同じ境遇を持ったサララが居たから。
ミュー(やばい)
考えないようにしようとすればするほど、
1つ1つの苦難が良い思い出として変換され
フラッシュバックする。
ミュー(私はきっと、泣き顔のまま歩いてる。
恥ずかしい。)
通学路が徒歩でよかったとつくづく思う。
バスや電車だったら、今頃恥ずかしい思いを
していたに違いない。
とくかく、誰とも目が合わないよう早歩きで
校門通り抜け、教室へと直行した。
~~~ 教室 ~~~~~~~~~~~
机に座り両手で頬を押さえて、
ゆっくりと動く雲を眺める。
ミューミューは瞬間が好きだ。
何もかも忘れて無心になれる。
腫れていたまぶたはすっかり元に戻っていた。
マスミン「おはよう」(^0^ )
・・・
マスミン「お・は・よ」(^_^ )
ミューミューの耳元でささやく。
ミュー 「きゃ!」( >_<)
ミュー 「びっくりしたぁ。」(^_^;)
マスミン「ごめんごめん。
そこまで驚くとは思わなかった。
どうしだの?黄昏ちゃって。
ドラマのヒロインみたいだよ。
声掛ける前に写真撮っとけば良かった。
失敗。」(*^_^*)
ミュー 「やめてよー。恥ずかしい。
ちょっと考え事してただけ。」(//∇//)
話し掛けて来たのは、クラスメイトで親友のマスミン。
座席はミューミューの右隣だ。
彼女はカバンをフックに掛けると、
ミューミューを正目にして座る。
マスミン「なになに。いつものやつ?
今日は、超~ハードスペクトルだった?」
ミュー 「それスペクタクルじゃない?」
マスミン「細かいことはいいよ。
それでそれで?
悩みごとって例のやつでしょ?」(^_^ )
ミュー 「んーん」(?..)
マスミン「内蔵とか飛び出して気持ち悪い系?」(^_^ )
ミュー 「ホラーじゃないよ」
マスミン「そう言うのホラーって言うんだっけ。」
ミュー 「違う?スプラッタかな?バイオレンス?」
マスミン「だっけ?」
ミュー 「私、バカね。ボキャブラリが全然ない。」
マスミン「そんな事どうでもいいよ。」(^_^ )
マスミン「それより、早く聞かせて。
もう、それが楽しみで学校に来てるんだから。」
ミュー 「そうなの?」(>_< )
マスミン「そうだよぉ。
先々週読んでたフォーエバーあるでしょ。」
ミュー 「読んでたね。そういえばどうしたの?」
マスミン「ミューミューの夢の方が面白すぎて、
ず~っと中断してる。
っていうか、もう読まないし。多分。」
ミュー 「じゃー、残念なお知らせがあります。」;^^)
マスミン「まさか、昨日夢を見なかったとか!」(*_* )
ミューミューは首を左右に振る。
マスミン「なになに、気になるじゃない。」(^_^ )
ミュー 「んーん。そうじゃないの。
大事件が起こったよ。今日も。」
マスミン「驚かせないでよ。もう。」(>_< )
ミュー 「私死んじゃったんだ。
だから今日で終わりなの。」;^^)
マスミン「どういうこと?詳しく聞かせて!」(>_< )
ミューミューは建国祭の見回りから話を始める。
テロによって100万人もの人が被害にあったこと。
自分の血液を使って夢中で救助活動を続けたこと。
気が付いたら自分が立てないほど衰退してて
死んでしまったことを。
親友に、私がどういう思いで行動したのかのか、
事細かく語った。
マスミン「毎回思うけどさ、ミューミューかっこいいよ。」(9_9 )
ミュー 「どこが?全部タグの力だし。
私自身、役に立ってない感じだよ。」( ..)
マスミン「そんなことないって。
なんか少年マンガに出て来る
正義のヒーローだよね。
いいなぁ。私もなりたいわ。」
ミュー 「ちっとも、かっこよくなんかないよ。
アニメみたいに悪役を倒すようなことは
してないし。
もっとリアルで目を背けたくなるような
事ばかりだから。
今回の事だって、人を救うために助けた
自覚全然ないし。
隊長の役目もたしてなかった。」
マスミン「そんなことない。」(^_^ )
ミュー 「ある。」( --)
マスミン「自分が倒れそうになるまで、
気付かず必死になって処置したんでしょ?」(^_^ )
ミュー 「うん。」
マスミン「最初の人が目を覚ましたとき
嬉しかったんだよね?」
ミュー 「もちろん。すごくうれしかった。
お母さんが目を覚まして
子供が抱きついたとき泣いちゃった。
今も言ってて泣きそう。」( ;_;)
マスミン「でしょ。嬉しかったんだよね?
それのどこが偽善なのよ。」(T_T )
ミュー 「なんでマスミン、涙ぐんでるの?」
マスミン「いい話だなぁって。
うん、うん。泣ける。
聞いてるだけで情景、浮かぶわ。」
マスミン「多くの人を救ったのは事実でしょ?」
ミュー 「確かにそうだけど。」
マスミン「死を覚悟してまで人を助けたのは尊敬できる。
たとえ、その行動が不純だったとしてもだよ。」
ミュー 「確かに死んでもいいとは思ったけど。
こっちの世界があるからで、意味が違うよ。」
マスミン「ミューミューがフラフラになるまで
無意識だったのは事実でしょ?」
ミュー 「無意識というか何も考えず必死だった。
それを無意識っていうのか。」
タケシ 「だよね。普段、おとなしい人が、
車を運転すると別人になっちゃうって
やつに似てるよね。」('_')
ミュー 「・・・」
マスミン「・・・」
タケシ 「違った?」(‥ )?
マスミンの真後ろの席であるタケシが身を乗り出して
2人の会話に割り込む。
マスミン「気持ち悪う。
女子の会話盗み聞きしてたの?
やらしい。」(-- )
タケシ 「お前の声がでけんだよ。
校門から聞こえて来てたわ。っていうか、
お前何で目真っ赤なの?」(`3`)
マスミン「今すごくいいところだったのに。
あーあ、全てぶち壊し。いつもいつも。
友達いないからって、
私たちの会話に入らないでくれる?」(--#)
タケシ 「うるせぇ。
お前だって友達居ねぇじゃねえか。
ミューミューだってあれだろ。
隣だからしょうがなく付き合って
あげてるんねすよね?ね?」(--#)
マスミン「あー、ミューミューって言った。
どさくさに紛れて話しかけないでくれる!」
タケシ 「ミューミューに話し掛けるのに
いちいちオマエの許可いんのかよ。
オマエはマネージャーか?」
マスミン「ここまで頭悪いとは思わなかった。
バカは相手にしない方がいいね。」
タケシ 「だれがバカじゃ!38点に言われたくない。」(--#)
マスミン「昨日のテスト見たのね。変態。ストーカー。」(>_<")
真っ赤になってマスミンが怒鳴り、
2人は同時に立ち上がる。
クラスメイト全員が2人に注目する。
先生「はーい、そこの2人。
夫婦喧嘩はまだ続きますか?
そろそろ授業始めたいんだが。」(^_^ )
先生が教壇から2人に注意すると、
教室中が笑いで響き渡った。
マスミン「はーい。」(-_-)
と言って、ゆっくり座席して鞄から教科書を取り出す。
タケシはというと、無言で椅子に座ると、
腕で顔を隠すようにして先生が見ている前で
堂々と寝たふりをする。
いつもの授業風景へと戻った。
そんな中、窓際の一番後ろの席に位置する伊福部は、
二人のやりとりを聞いてて消化し切れないでいる。
伊福部(タケシくん、今の、落ちないじゃん。
全然ダメ。
そこは、『続きはWebで』とか
『妻がご迷惑をお掛けしまして申し訳ありません』だろう。
教室中がドッカ~ンドッカ~ンだったよ。
あーあ、やっちまった。)
誰にも存在を気づかれず、教室片隅にもう一人
寝たふりをしながら妄想する彼の姿があった。
ここまで読んでいいただき嬉しいです。\(^o^)/
少しでも心に残る物がありましたら一言でいいです。「感想」を頂けると嬉しいです。




