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3-5 救助活動ガンバリます ③

~~~ 市庁前の広場 ~~~~~~~~~~~

気付くと目眩がする。立っているのがしんどい。

ミューミューは自分のタグを見る。

LIFEゲージが10分の3を示す。

自分の身が危険レベルであることを理解する。


まぁ、確認するまでもない。

明らかに気分が悪く、立っているのがしんどいのだから。

自分の身が危ないのはうすうす感じていた。

原因は、解毒剤の製造に体内の血液を使いまくったせいだ。


ミュー(さすがにヤバいな。) (>_<)


ミューミューはもうろうとしている中、360度見渡す。

倒れている人は依然と大勢いる。

緊急で対処が必要な人の数より、

救助している人の方が勝ってはいる。

このまま対応し続ければ、数人の犠牲者で済みそうだ。


ミュー(あと少し。)


ミューミューは気合を入れる。


ミュー「みなさん。」\(>_<)/


こん身の力を絞り出し、大声を出す。

周囲の目線が少女へ集中する。


ミュー「そこの人と、そこの人。

    あと、そこと、そこも。

    体温が下がってて危険です。

    すぐに厚手の物を掛けて体を

    暖めて上げてください。

    お願いします。」m(_ _)m


言い切ると、深いお辞儀をする。

身体が限界だ。

お辞儀をしたまま上半身を持ち上げられない。

地面を見つめ両手を膝に当てて倒れないよう踏ん張る。

顔を上げ、中腰の状態から息を吐きながら

ゆっくりと立ち上がる。


ミュー「ちょっと、あなた!」(>_<*)


ミューミューの言葉を無視して、

遠ざかる青年に向かって再度声を掛ける。


ミュー「アラン!」(>_<*)


その青年はピタッと止まり振り向く。


アラン「オレ?」( ‥)?

ミュー「そうよ、あなたよ。なに帰ろうとしてるの!」(--#)


ミューミューとサララが所有するタグは、

メーティスへの最上位権限を所有しているため、

彼の名前を入手するなど容易い。


アラン「あれ!どこかで、お会いましたっけ?」

ミュー「そんなこと、どうでもいいでしょ。

    私の話、聞いてました?」(--#)


アラン「えーっと。食事の約束でもしたっけ?」(;^^)

ミュー「信じらんない。」(--#)


ミュー「この腕章を見てください。私は警備隊です。」

アラン「警備隊?冗談でしょ。」( ^^)


ミュー「ふざけないでください。

    私は救助活動してるの。

    周りを見て!」(--#)


男1 「そうだ。みんな働いてる。」

男2 「お前も手伝え。」


近くに居た人が加勢してくれた。


アラン「分かりました。手伝います。

    何をすればいいですか?」

男3 「お前よ!放送も聞いてなかったのか!」


ミューミューはアランにも周辺の救助者リストを送る。


ミュー「被害者リストを送りました。」

アラン「えー、多くない?」


ミュー「リスト者の体温が下がらないよう

    優先順の高い人から救助してください。

    具体的には、メイン会場からブランケットを

    持って来て体を温めてあげて。」


アラン「メイン会場って。遠いじゃん。」(>。<)

ミュー「そうよ。早く身体動かしなさい。若者!」

アラン「あっああ。」


頭がもうろうとしながらも倒れている人を避けて歩いく。

頭から血を流して倒れている男性が視界に入る。

倒れたときに頭を打ったのだろう。


ミュー>>ネロ。この人、頭から血を流しているけど大丈夫?

ネロ >>後頭部からの出血が見られますが、

    傷口は浅く既に止血しております。

脳内部への損傷は見られないため問題ありません。

ミュー>>そう。


友達なのだろうか、隣で倒れている別の男性は危険者の一人だ。

真横にしゃがみこむ。男性のタグへ手を伸ばしたとき、

だれかがミューミューの腕を掴み、動きを止められた。


ライト「隊長、もう十分だ。休息してください。」(-- )

ミュー「もう、サララね。」(;>_<)


サララがライトへミューミューの活動を止めさせるよう

お願いしたのだとミューミューは悟った。


ミュー「こんなところで何をしているのですか?

    私は救助しなさいと命令したはずです。」(--#)

ライト「ああ。だから隊長を救助しに来た。

    アンタはこの辺りで一番ヤバイ人間だ。」

ミュー「何言ってるの。私は全然元気よ。」


ライト「だめだ。

    もう立ち上がることさえ、きついのだろう。

    これ以上続けたらアンタ死んじまう。」

ミュー「元気よ。放して。」


ミューミューはライトから離れようと立ち上がるが、

よろめき膝から崩れて倒れかける。

ライトは、彼女の背中に腕を回し抱える。


ミュー「放しない。」

ライト「だめだ。」(--#)

ミュー「ここにいる5人だけ。」( --)


ライトは、ミューミューが助けようとしている

5人の危険者に目を向ける。


ライト「おい。そことそこ。何してる!

    早く、自分の上着脱いで、そいつに掛けろ。

    ぽーっと突っ立っているお前。

    そうお前だよ。早く動け!」(--#)


ライトは、3人の青年へ指示を出す。


ライト「隊長。あんたはよくやった。もう十分だ。

    あとは俺たちに任せろ。

    これ以上続けたら、あんた死んじまう。」

ミュー「私、死んでもいいんです。」


本心だった。


先日の出来事が回想する。

あるデパートで人が群がるバーゲンの中、

親からはぐれた子供を目にした。

わんわん泣きながらママ、ママ、と

叫ぶ5才くらいの迷子の少女。

手を取って何度一緒に探してあげようかと思ったが、

実際1歩踏み出すことができずにいた。

店員さんが対応するだろうと思たから。

だけど迷子の少女に気づいてくれない。

祈ることしかしなかった。

結果、お母さんが子供を見つけ、事なきことを終えたのだが。

ミューミューはずーとそれを後悔していた。


何で手を差し伸べられなかったのだろうと。

何で一歩踏み出せなかったのだろうと。

この世界では後先考えずに行動出来るのに、

なぜか現実世界だと小心者に戻ってしまう。

私は最低の人間だ。

とずーっと頭の片隅にひっかかっていた矢先に

この事件が発生したのだ。


ミュー(私は魔法少女だ。

    この世界なら私は何でも出来る。

    多くの人を救うことができる。)


ミュー「1人でも多く助けられるのなら死んでもいい。

    あなたなら理解してくれると思ったけど。」( i_i)

ライト「最高だ。」


ライト「だが、時には諦める勇気も必要だ。」

ミュー「偉そうに。ライトなら諦めないでしょ。」(--#)

ライト「あぁ、そうだな。」


ライト「人を助けて死ぬ?警備隊とし理想の幕引けだ。

だが、今のオレの救助者は隊長だ。

死なすわけにはいかない。」

ミュー「なにそれ。」(`3`)


ミューミューは本当に死んでもいいと心の底から思っていた。

死ぬと言っても単にこの世界から消えるだけ。

現実世界に戻るだけなのだからと、

楽観ししているところがある。

今まで無茶できたのも使命感からというよりも、

死への恐怖がなかったというのが強い。


とは言いつつもLIFEゲージを見るのは怖い。

死の実感が湧くから。

身体の倦怠感から何となく分る天国が近いと。


いざ死を目の前にするとどうだろう。

二度とこの世界に戻ってこれないって想像すると、

やり残したことは沢山あることに気づく。

お別れの挨拶をしたい人もいるし、

行ってみた場所も沢山ある。

不思議なことに急に死にたくないという

感情も芽生えてくる。


死んでもいい。死にたくない。気持ちが揺らぐ。


かなり興奮していた。

鼓動がゆっくりとしてきて、冷静さを取り戻す。

振り返ると自分の行動が恥ずかしくなってきた。


隊長として指示しなければいけない立場にありながら

隊員たちをほったらかして、英雄きどりで、

はしゃいでいたことに。

「頑張ったな」ってほめられたい一心で

動いていた気がする。

自分がやってたのは人助けではない。

ただただ、自分の心を救おうとしてただけだった。


ミュー(私は自己中で最低な人間だ。)


ミュー「隊長失格ね。」( i_i)


ミューミューはライトが来た時点で人を助け

しようとする気力を失っていた。

というか物凄い脱力感と眠気が襲いかかている。

会話するのもやっとだ。


ライト「隊長にもいろいろあるぜ。

    頭脳派とか、権力を持ってるとか、

    リーダシップがあるとか。

    暴走して隊員達に支えてもらう

    隊長ってえのもいいじゃないか。」(^^ )

ミュー「ディスってるじゃん。」( >_<)


ライト「逆だ。

    信じなくていいがオレはあんたを認めてる。

    メンバー全員、あんたの行動力には

    毎回驚かされてる。

    学ぶべき所が沢山あるのは共通認識だ。

    真面目に取り組む姿勢もいい。

    隊員達のモチベーションに繋がっている。

    死ぬまで付いていこうと本気で思ってる。

    世界最強メンバーが認めてるんだ。

    あんたはまちがなく最高の隊長だ。」( -_-)


いつも、がむしゃらに任務を遂行しているだけで、

隊員が自分をどう思っているか考えたこともなかった。


ミュー「ライトの口からそんな言葉を聞けるなんて。

    録音しとけばよかった。」( ^_^)

ライト「おもしれぇ人だなぁ。」


いつも反抗的なライトが、こうして直接、

こんなやさいい言葉をかけるられるなんて。

すごくうれしいかった。


ミュー「え!ちょっと。」( @_@)


ライトは、ミューミューの膝と肩に腕を回し、

お姫様だっこで持ち上げる。

もちろん、そんなこと現実世界でもされたことない。

恥ずかしさあまり振りほどこうとするも力がでない。

自分は相当弱っていることを実感する。


ライト「隊長。回りを見てくれ。」('_' )


視界に入る全ての人が救援活動をしている。

子供までもが、小さな体で、大きな毛布を

運んでいる姿が見える。

ミューミューの頬に大粒の涙が流れる。


ミュー「私。この国、大好き。」

ライト「あぁ」


ミュー「ひどいことをする人もいるけど、

    見てよ!こんなにも心やさいい人達がいる。

    あんなに大勢居るんだよ。」


ミュー(家族や友人の安否を早く確認したい人も

    いるはず。

    なのに、見知らぬ人のために必死で

    ガンバってる。ステキすぎる。)


サララ>>ミューミュー!ミューミュー! (*>_<)

ミュー>>聞こえているよ。(^_^ )


サララ>>被害者全員に解毒剤を投与するよう

    命令が下ったわ。

    もう大丈夫だよ。みんな助かる。

    もうすぐ着くからそこ動かないで。( >_<)

ミュー>>来なくていいのに、もう。

    そんなに私のこと好きなの。 (T_T )


サララ>>泣いているの?

ミュー>>泣いてるよ。いっぱい良い事があったから。(^_^ )

サララ>>なになに、気になる。


ミューミューは意識を集中して、タグへ話しかける。


ミュー>>全隊員につぐ、軍から解毒剤を投与する

    報告が入りました。

    とりあえず最悪の事態は免れました。

    そろそろ政府から国民に発表されます。

    何十万もの市民が一斉に帰宅することが

    想定されます。

    協力者を募ってパニックにならないよう

    市民を誘導してください。

    最後まで気を抜かないように。

    以上


ライトは、隊長が自分に身を任し腕の中で

うつむく姿を見ると、

かつての自信に溢れていた隊長の面影が

ないことに気づく

今はどこにでもいる10代の少女だ。


素人でも見て分かる。彼女の体調はやばい。

ライトは、持っていた栄養剤を投与しようか迷う。

彼女の健康状態が把握できないため

うかつなことはできない。


ずーっと不思議に思っていたことがある。

隊長の情報が見れないのはなぜなのかと。

階級が自分より上なのだから参照権限がない

のは納得できる。

だが、自分のタグを彼女の首にあてて健康状態を

計測してもエラーとなるのだ。

これは、さすがにありえない。


どう見ても普通の少女だ。

きゃしゃな体つきなのに、自分よりも知識も

体力も上なのだ。

この少女は何者なのだろうと改めて考えてしまう。


サララ「ミューミュー。ミューミュー。」( >。<)


ミューミューは、声の方へゆっくり視線だけ動かす。

走ってくるサララが見える。


ミュー(ふふ。バカね。

    そんな必死に走て。かわいい。)(^_^ )


走って来るサララの顔を見て安心したのか、

ゆっくりと目を閉じ、全身の力が抜けていく。

ライトが気が付くと隊長は腕の中で

重い人形のようになった。


ライトは隊長を地面に上半身を起こして座らせる。

サララは勢いよくミューミューに抱きつく。

そんなサララの行動にミューミューは

一切反応を見せない。


顔は健やかな笑みを浮かべている。

きっと楽しい夢を見ているのだろう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 世界観もキャラクターも文章構成も独創性があって、惹きつけられるものがあります。 主人公の内面の葛藤も良く描かれているので、感情移入して読むことができますね。 今後が楽しみです!
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