表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/103

3-4 救助活動ガンバリます ②

~~~ 国防省セキュリティーセンター ~~~

一人のオペレータが振り向き上司へ報告する。


オペレータA「たった今、犯人らしき人物から犯行声明が出されました。

       多数のメディアへ一斉に映像が投稿されたようです。

       その映像を入手しました。」


サモス「再生しろ」


国防省司令官であるサモスは、

その映像を正面の巨大モニタへ映すよう指示をする。


犯人「はじめまして。

   人類の進化について日夜研究しております。

   テレスと申します。

   この度、各地で多くの人が倒れ、

   睡眠に入るという奇病が発生しているかと存じますが、

   これは全て私が仕組んだ大実験であります。

   子供からお年寄りまで、約100万人もの方が実験に参加されました。

   この場を借りてお礼申し上げます。

   収集したデータは、人類の未来に向けて利用させていただきます。

   以上、お礼のご報告であります。」


サモスは、聞きき終えるとオペーレータへ

首を縦に振り内容を理解したことを伝える。


サモス   「テレスと名乗る人物は、本物か?」

オペレータB「フィジ国の生物学者、テレス博士で間違いありません。

       画像を解析した結果、編集した形跡はなく。

       声紋も本人と一致しました。

       テレス氏本人の声明で間違いありません。」


サモス   「そのテレス博士とやらは、今どこにいる。」

オペレータB「おそらくフィジ国に在住かと。」


サモス   「フィジ国から犯行声明を送信したのかね?」

オペレータB「いえ、国内からです。」


サモス   「では、テレス氏は国内におるのか?

       それとも共犯の仕業か?」

オペレータB「不明です。

       どこから送信されたかは現在調査中であります。」


オペレータBは体を正面にへと戻し調査を開始する。


この部屋にいるのは、国防軍総長サモス氏とオペレーターの3人。

オペレーターの1人にサララの姿があった。

サララは、テロ発生時に備え、隊員達と共にセキュリティーセンターで

待機中であった。

先ほどの会話でサララは動揺する。

彼女はテレスという人物を良く知っていたからだ。


サララ(あいつがテロ?嘘でしょ。

    バカだけどこんな大規模なことしないわ。

    そもそも何でアストロ国で実験なのよ。

    自国でやるでしょ。)


サララ>>ポポ、テレスの犯行声明が本物が調べて。


ポポとは、サララが身に付けているタグのAI名である。


ポポ >>声紋は一致しました。99%本人です。

    映像解析でも99%本人です。


サララ>>そう。 (.. )


サララはちょっとがっかりする。

テレスは人して、いかれた人物ではあるが犯罪を犯すような

人じゃないと思っていたからだ。

解析結果が本人と判定した以上、彼が犯行におよんだと

受け入れることにした。


サモス   「テレス氏を引き渡すようフィジ国へ要請しろ?」(--#)

オペレータB「既にあちらの政府へ問い合わせたましたが、

       フィジ国内にはおられないと回答されました。」


サモス   「国が保護しているということか!」

オペレータB「我が国内に存在しないのは事実です。

       ですのでフィジ国に居る可能性は高いです。」


人類は、タグを付けてないと生きていけない環境下にいる。

全世界の人々がメーティスという1台のスーパーコンピュータと

接続され、健康管理がなされている。

すなわち、誰がどこに居るかは把握できるのだ。

だが、誰でも確認できるという訳ではない。

プライバシー保護されてるからだ。

アクセスするためにはある一定以上の権限が必要となる。

軍の上層部であれば、国籍問わず国内の人物を探すことは可能だ。

そして、テレス氏を検索した結果、国内にいないことが分かった。

であれば、母国であるフィジ国にいると考えるのは当然である。


サモス   「相手はフィジ国の人間だ。

       我が国でどうのこうのできる問題ではない。

       犯人探しは後回しだ。

       まづは、国民の救助を優先する。

       至急大統領につなげてくれ。」


サララは政府専用回線を使って大統領を呼び出す。

すると、頭上の映画館のような巨大スクリーンに

あごひげまで白髪のおじいさんが映し出された。


大統領秘書「発生している大規模テロで何か進展があったのかね。」


白髪のおじいさんは、大統領側近の秘書兼相談役である。


サモス「はい、その事件に関することです。

    至急、大統領に判断したいことがありましてお呼び致しました。」

大統領「資料は拝見した。他国の薬品を使いたいということだね?」


白髪のおじさんから大統領へ画像が切り替わる。


サモス「あ、はい。閣下。

    他国の薬品使用の許可をいただきたいのが1点と、

    緊急を要するため、その薬品メーカーであるCAT社と、

    これから交渉に入りますので立会して頂きただきたい。」


大統領「我が国の薬品では解毒できるものが存在しなかった

    ということだな。迷っている余地はない。

    自体は国の存亡に掛かっていると言っても過言ではない。

    国民の人命が優先だ。進めてくれたまえ。」

サモス「ありがとうございます。では、交渉に入ります。」


サララはこの会話を聞き終えて、直ちにCAT社の営業回線へ接続する。


♪トゥルー、トゥルー (呼び出し音)


・・・


10秒待っても出てこない。

ドク、ドク、ドク。鼓動がたかなる。

この場にいる全員が大スクリーンに表示している『接続中』に注目する。


サララ(早くでろよ。会社でしょ。

    誰か居るはずでしょ。もう。)(--;)


事態は緊急を要する。

わざと出ないのか?

それとも営業終了なのか?

と各人がいろいろと頭を駆け巡る。


通信ランプが『交信中』へと切り替わる。

相手側が接続を受けたことを意味する。

50代半ばくらいの小太りで、ジャージ姿の優しそうな

おじさんがスクリーンを2分して右半分に映し出される。

大統領は、左半分に表示されたままだ。


社長「どうも遅くなってすんません。

   CAT社社長のリマルディです。

   他国の政府からの直通だったもんで、

   受付が出たのでは失礼に当たると思いまして

   私が直接出た次第です。

   自宅にいるもんでお見苦し姿をしておりますが、

   そこはご了承願いたい。」(^_^ )


ニコニコ笑顔で、やさしい口調。

この場の全員が、親近感がある印象を受け、少し安心する。


サララ>>ポポ。なんか人良さそうだけど、この人、信用できるの?

ポポ >>フィジ国内では、TVでの露出が高く、

    世間的には愉快なおじさんで通っているようです。

    ですが、職場では非常に厳しいらしく

    会議等で部下へ罵倒する光景が何度も目撃されてます。

サララ>>そう。外面だけ良くて、悪人なのかしら。


サモス「いえ、こちらこそ事前にアポイントメントを取らず、

    直接お呼び出しして申し訳ない。

    事態は緊急を要しておりまして、社長自ら出迎えて

    いただいたことに感謝を申し上げたい。」m(_ _)m


サモス「ご紹介が遅れました。

    わたくしは、国防司令官の総長をしております

    サモスと申します。

    早速ですが、緊迫した状況にありまして

    本題に入らせていただきたい。

    御社の薬品である品番T115の利用許可を

    いただきたいのが要件です。


    すでに耳に入っているかと存じますが、

    国内で大規模なテロが発生しました。

    被害者は約100万人、みな睡眠状態の病状を

    発祥しております。

    一刻も早く解毒しなければ多数の凍死者が出てしまいます。

    そこで薬品を調べたところ御社のT115が速効性の

    解毒作用があり、副作用も小さいことから

    最適と判断した次第です。

    利用分すべて国が買い取らさせていただきます。

    ご検討願いたい。」


この世界において、薬は物で売っているのではなく

データとして売買されている。

タグからデータをダウンロードするとそのデータパターンを

基に体内の物質を使って薬品を生成し投与する仕組みと

なっている。


各国で認可を受けた薬品は、成分をメーティスへ登録すると、

登録者の許可がない限りダウンロードおよび複製することは

できない仕組みなのだ。

メーティスは、タグだけでなく、軍、商用に関係なく、

全世界のすべての機器に繋がって制御されている。

別の機器を用いて製造することも不可能となっている。


社長 「ニュースを拝見しましたわ。

    これはまた、お気の毒な事になっていますなぁ。

    緊急事態であることは理解したわ。

    ちょっと確認なんやけど、あんたにはうちの製品を

    利用許可する権限はあるんですかねぇ。

    国が金出すと言ってますけどほんまにできんの?」


サモス「はい、今回の事件で大統領の命により

    全ての権限を与えらております。

    法的なことはこちらの判断で対応できる

    手はずになっております。

    すなわち、大統領と直接交渉していると

    いっても過言ではありません。」


社長に知られていないが、この会話は、

大統領官邸にもリアルタイムで流れてる。

大統領官邸内では側近も含め事の行く末を見守っていた。


社長「弊社の製品が人命救助の役に立つのであれば

   喜んで提供させていただきますわ。

   事件が事件なだけに、今回は無償で提供させていたします。

   その代わりと言ってはなんですが、

   交換条件として前々から申請しているうちの商品を

   おたくの国で扱えるようにしてもらうことはできんだろうか?」


サララは大統領の顔をみる。

即答すると思ったのだが、難色を示していた。

サモス総長は、オペレータAに目で合図をし、大統領の決断を待つ。

オペレータは何かの作業を開始しする。


緊急事態だというのに何を迷うことがある。

答えは1つだ。

国民の命を最優先するのであれば迷うこはないだろう。

サララは焦る。


サモス「この件に関し、わたくしには回答権がありません。

    少々お待ち頂けないだろうか?」

社長 「ええよ。いくらでも待つよ。いい結果を期待しとるで。」


サララ>>ポポ。何で悩む必要あるの。いいじゃん許可すれば。 (..?)

ポポ >>自国の会社がつぶれるからではないでしょうか。


サララ>>会社がつぶれるの?どうして?

ポポ >>購入する品番T115は、今回の事件以外使い道はありません。

    現に発売開始から1つも売れておりません。

    睡眠薬の解毒なんて使う用途がありませんからね。

    単価も安いため、たとえ3倍の価格で購入したところで

    会社には大きな儲けにはならないでしょう。

    それよりもこれをきっかけに我が国へ進出した方が

    ビジネス的には効果は大きいと判断してのことでしょう。


サララ>>なるほど。でもたかが薬でしょ。

ポポ >>CAT社の商品は、単純に値段が安い上、

    品質はAAAと世界最高ランクであります。

    品数とブランド力で、市場が独占されることは間違いありません。

    さらにCAT社には系列会社が多数あり、

    これを期に関連企業が我が国へ押し寄せてきたら、

    おそらく自国の有名メーカーや子会社は

    苦しい状況に陥ることは間違いありません。


サララ>>そういうことね。(..)


大統領もサモス総長も即答できない。

難色を示している理由を理解した。

確かに、ここで国民を救ったところで自国の会社が

潰れてしまってはもともこもない。

もし、大企業が潰れてしまったら数えきれない数の

失業者が現れることになる。

結果的に多くの国民を殺すことになりかねない。


サララは事情を理解する。


オペレータA「結果がでました。

       我が国の品質基準でチェックしたところCAT社の

       公開薬品1万2千品の内、9000品目は

       認可可能という結果です。

       2500品目は警告で、

       残り500は危険と判定されました。」


オペレータAは、CAT社の全薬品てに対して、

安全性があるか自国の品質チェックを実施したのだ。

検査レベルは、国内標準値よりも1つ上の品質で

チェックにもかかわらず、CAT社の製品は素晴らしく、

7割以上がパスされてしまった。


この結果は大統領官邸と国立免疫研究所へ即座に通知されていた。


オペレータB「国立免疫研究所からの返答が来ました。

       結果は驚くべきことで国内メーカーに取って脅威とのこと。」


オペレータA「SSランクでの測定も完了しました。

       基準値クリアは約7000品目。警告4000、

       危険1000という結果です。」


オペレータAは、気を利かし平行して

更にもう1つ上の安全基準にてチェックを実施してたのだ。


実施内容は、データベース化した1万人の人体モデルに薬を投与し、

人体への影響をシミュレートするという検査方法で、

薬の効き具合や副作用など1000万項目にもおよぶ

チェックを約半年間経過させ測定するというものである。


各安全基準は、1つのシミュレーションで単に結果に対する

閾値が異なるというものではなく、

人体の体調や環境など条件が異なるのだ。

なので再シミュレーションを実施したのである。


大統領は腹をくくり首を縦に振る。

サモスはそれをモニタで確認した。


サモス「リマルディ社長殿、お待たせしました。

    大変失礼ではありますが。

    御社の薬品を我が国の安全基準に基づいて

    品質チェックを掛けさせて頂きました。

    パスしたのは約7000品目となります。

    結果を送付したのでご確認願いだい。

    この7000品目に限りアストロ国での販売を

    許可いたします。

    よろしければ交渉を続けさせていただきたいのですが、

    如何でしょう?」(‥;)


社長 「おかしいですなぁ。

    うちの商品は全て販売できる水準だと思っとたんだが。」(‥ )?


サモス「私は専門外なので詳しいことは分かりかねぬ。

    国民の安全を守らなければならない立場である以上

    NGとなったものは許可できない。

    どうかご理解していただきたい。

    パスした7000品目に対しては、

    我が国での販売をこの場で許可致しましょう。

    どうかこの条件で呑んでいただけないだろうか?」(‥;)


社長 「人命を守りたいのはメーカーも同じ。

    まぁええわ。1分ほど時間をくださいな。」


といい、リマルディ社長のモニータが真っ暗になった。


サモス   「現在の被害状況はどうなっている?」(‥;)

オペレータA「被害にあった988,352人は、今のところ全員命に

       別状はありません。

       ただし、危険な状態の方が約1000名ほどおります。

       10分以内に対処しなければ

       この1000名が死亡する恐れがあります。」


サララ(1000名?嘘でしょ。

    さっき確認したときはもっといたはず。) (..?)


1000名と聞いて驚く。約6000人は確実に居たからだ。

サララはもう一度調べてみる。

確かに現在の危険者は1000名となっている。


先程調べた時の危険者リストを見ると、確かに6000名の記録が残っている。

現在の状況と照合すると、その内5000名もの人々が危険レベルから

安静状態へと改善されている。

そして、安静状態へと変化した5000名の内、4900名は

テオンビル周辺の人々だ。


危険者のほとんどがオンビル周辺に集中しており、

90%が安静状態となったのは驚くべきことだ。

医療スタッフ、警備隊合わせて10人も満たない状況下で、

多くの人が亡くなるのはやむ終えない。

でも結果は違った。

このまま進めば、テオンビル周辺ば死者を出さずに

済みそうな勢いである。


やはり、現場にミューミューの部隊が居たのが大きいと、

サララは感じている。

焦っていた自分がバカらしく思えて来た。

改めてミューミューはかっこいいなと再認識する。


端末を眺めていると、350名ほどの被験者が完治したのを発見した。

完治?


サララ(まだ、ワクチンを投与していないのに

    完治するはずはない。

    どういうこと?)


回復した人たちのタグを解析したところ解毒剤が

投与されたことだと判明した。

あの場でそんなことが出来るのは、ミューミューしかいない。


なぜなら通常他者から薬品を人体へ送り込むことなど

政府以外出来ない仕組みだからだ。

しかも誰が接続したか分からないなんて通常有り得ない。

この世界でこんな芸当が出来るのはサララとミューミューの

2名しかいない。


サララは大きく動揺する。

いやな予感しかしない。

確認するのが怖い。


サララ>>ポポ。ミューミューの健康状態を教えて?

ポポ >>かなり危険な状態です。

    自分の血液を使って薬品を作り出し、

    テロ被害者へ解毒して回っているようです。


サララ(やっぱりだ!無茶してる。急いで止めさせないと。)


ミューミューに直接言ってもこの状況では

言うことを聞かないのは目に見えている。

目の前に助けを求めている人を見かけたら絶対に止めないから。

自分もそうだから。


社長「遅くなってすまへん。

   多くの命が掛かってるのでお急ぎなのはわかりますが

   こちらも多くの社員を抱え、彼らの生活を守らなければ

   ならない。ご理解願いたい。」

サモス「ごもっともな判断かと。

    寛大な対応に感謝している次第です。」


社長「そちらの申請を受けとりましたわ。

   経理部に急いで処理させてますさかい、

   1分後には使えるようになるはずですわ。

   毎度ありがとうございます。

   また何かありましたらご気軽にお問い合わせ願います。

   24時間、いつでも相談にのりますんで。」


と言い残し回線がプツと切れた。


サララ(ミューミューが危険だ!) (..;)


サララは立ち上がる。


サララ「総長、お話が。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ