3-39 親友が居てよかった。
~~~ アストロ国:北門 ~~~~~~~~~~~~~~~
ミューミューは、北門入口でサララが出て来るのを待っている。
彼女が今どこにいるかは、タグで把握している。
北門の検問を抜けるための手続きをしているようだ。
通常ならば顔パスで素通りできそうだけど。
思いのほか時間が掛かっていて、なかなか出てこない。
サララは元気がなかった。身体に異常は見られない。
早くサララの顔が見たい。
軍の車が4台現れ、北門入口の前で停車する。
続けて、囚人護送車も3台現れ停車する。
ミューミューは何事が起ったのかと見届ける。
サララ「ミューミュー」\(>_<)/
北門入口からサララが飛び出して来た。
どこかで見たような光景がした。
サララが向かって来る姿を見て、悩みがありそうだけど、
とりあえず元気そうなので、ミューミューは一安心する。
サララはミューミューに飛びつき、抱きしめる。
まるで恋人同士のようだ。
ミュー「お帰り。」(^_^ )
サララ「ただいま。」( ^_^)
軍人に引きつられて手錠を掛けられた人達が
ぞろぞろと門の入口から出て来るのが見える。
ミュー「あれは?」
サララ「ああ。調査団の人達。
国境を越えて不法入国したら捕まえたの。」
ミュー「へぇー」
サララ「それよりもあの人達、酷いことしたんだよ。」
サララ「第三発光炉の3番館を無理やり動かして壊したの。
そのせいで、放射能が沢山出て、
私達、監視塔から出れなくなって。
ルジャンが身体を張って対処してくれたの。」( ..)
ミュー「ルジャンって、メンバーの?」(o_o")
サララ「そう。死んじゃった。」
ミュー「嘘!亡くなったの?」
サララ「うん。私のせいなの。」
ミュー「詳しく聞かせて。」
放射能が強すぎて、監視塔からでれなくなったこと。
放射能が弱くなるのに100年掛かること。
サララ自身が食い止めに行こうとしたが、
ルジャンが身代わりになってくれたことを説明した。
ミュー「サララの隊員さんは凄いね。」(^^ )
サララ「あそこに居た30名の人が、こうしてここへ
帰って来れたのはルジャンのお掛けなの。」( ..)
ミュー「ほんとそうだね。」
サララ「人のために命を掛けたの。」
ミュー「ZATのかがみだ。
人のためにって言う人、いるけど
本当に行動する人なんてそうそういないわ。」
サララ「私の身代わりになってくれたの。」
ミュー「サララだけじゃなく、みんなを救いたかったんでしょ。」
サララ「私が殺したの。」
ミュー「ダメだよ。そんな悲しいこと言っちゃ。
ルジャンさんの勇気ある行動が無駄になっちゃう。」
サララ「ルジャンに任せたのは正しかったのかな?」
ミュー「それはサララの捉え方次第じゃないかなって思う。」
ミュー「ルジャンさんを見殺しにしたと思うなら、
サララの行動は間違いだし、その行動を
誇りに思うならサララの行動は正しかったと言える。」
ミュー「私はサララが元気に戻って来てくれて、
ルジャンさんに感謝してる。
この話を聞いてZATの一員として尊敬します。
私は、サララもルジャンさんも間違ってないと
思います。」
ミュー「自分が止めに行った方が良かったと
今でも思ってる?」
サララ「わからない。
私が行ってたら失敗してたかも知れないし。」
ミュー「ルジャンさんに対して、後ろめたい気持ちがあるの?
それとも誇りに思うの?どっち?」(-- )
サララ「どっちと聞かれれたら。誇りに思うわ。」
ミュー「なら、みんな正しい行動をしたと断言できます。」(^_^ )
サララ「そうなるの?」
ミュー「なるの。」
サララ「ミューミュー、大人だね。」
ミュー「実はさ、私もメンバー2人が怪我しちゃって、
数時間前まで落ち込んでたんだ。」
サララ「怪我した隊員は大丈夫なの?」
ミュー「一人はZATの復帰は無理と、お医者さんに言われた。」
サララ「ごめんね。悪い事聞いちゃった。」
ミュー「平気。メンバーが私に教えてくれたの。
だれも、間違った行動をしてないって。
誇りに思えって!」
サララ「そっか。」
ネロ >>大きな地震が来ます。
ミュー>>また?こんな時に?
ネロ >>2時間前の余震です。車の中へ避難してください。
♪ウーウーウーウー。
♪『地震が来ます。安全な場所へ避難してください。』
タグへ通報が表示される。
ミュー「地震が来る。車の中が安全だよ。」
ミューミューは、サララの腕を引っ張り、
車の中へ一緒に入る。
地震はビックリするほど大きなものではなく、
数秒で治まった。
ミュー「余震だって、結構大きいね。
やだな、いつまで続くんだろう。」(>_<*)
サララ「これ余震じゃないみたい。
巨大地震の前触れだって。」
ミュー「そうなの?」(o_o")
サララ「この島の建物がすべて倒れるほどの大地震が
近い内に来るって。」
ミュー「うそ。壁が倒れたら人類が滅亡するよ。」
サララ「ビルが倒れるってことは壁も倒れるかもね。」
ミュー「2時間前の地震だって、結構大きかったよ。
それでも建物はピクリともしなかったのに?」
サララ「知らない。テレスが言ってた。」
ミュー「えー。テレスって、テロ容疑のテレスさん?」
サララは首を縦に振る。
ミュー「どこでテレスさんに会ったの?」(>_<")
サララ「第三発光炉にいた。」
ミュー「えー。もっと驚き。
もしかして調査団のリーダがテレスさん?」
サララは首を左右に振る。
サララ「気が付いた時に居て。
調査団を妨害してたから
彼らに潜入してたんじゃないかなぁ。」
ミュー「Z地区に居たんじゃ。
探しても見つからない訳だ。
じゃぁ、つかっまった人達の中に
テレスさん居るのね?」
サララ「うんうん。逃げられた。
でも、場所を分かるようにしてくれてる。
見ると、今、フィジ国の端にある森の中に
居るってことになってるけど。
本当に居るかは怪しいわ。」
ミュー「テレスさんの妨害って、発光炉の再稼働を
阻止しようとしたたのね。」
サララ「調査団の目的は、この国の光エネルギーをかすめ
取ることだったんだけど。
テレスが言うには、地下に巨大地震の元が
あるから阻止しようとしてたみたい。」
ミュー「さっきの地震は発光炉を動かしたってことね。
ってことは、今アストロ国のエネルギーは
奪われているってことなの?」
サララ「うんうん。それは私たちが食い止めたんだけど
発光炉が動いてしまって、
いつ巨大地震が来てもおかしくないって。」
サララ「テレスの話を信じるならね。
本当に地震が来るか、めっちゃ怪しいけど。」
ミューミューはネロ経由でメーティスに問い合わせをする。
ミュー「メーティスに聞いてみたけど。
この余震は続くけど、終息に向かっているって。
もっと大きな地震が発生する確率は13%だそうよ。
テレスさん、勘違いしるんじゃ」(‥ )?
ミュー「サララは信じてるのね」
サララ「あんなんでも学者だから、うそは言ってないと思う。
メーティスと結果が異なっているという点で言えば、
どちらを信じるか?と聞かれれば
当然メーティスを信じる。
でも、本当にそんな地震が起こるなら、
早く対策しておかないと。」
ミュー「そうだよね。サララの言う通りかも。
ちょっとでも可能性があるから
今からできることをするべきだわ。」
サララ「私もそう思う。」
サララ「でもこの話、信じると思う?」
ミュー「そうよね。科学的根拠がどこにもないもんね。
しかも、テレスさんの言葉じゃ、
誰も信じないだろうし。」
サララ「そもそも、どう対策する?
確実に地震が起こると仮定してもできることなくない?」
ミュー「思い付かないけど。何かできることがあるはず。」
ミュー「例えば避難するとか。」
サララ「どこへ?」
ミュー「ないかぁ。」(>_<")
ミュー「対策は置いといて。すべきことは、
センターの人達に信じてもうらうことね。
テレスさんから何かデータもらってる?」
サララ「うんうん」
ミュー「じゃあ、テレスさんからデータをもらいに行こう。
連絡は取れるんでしょ?」
サララ「居場所は分かるんだけど。連絡は取れないの。」
ミュー「どいうこと?」
サララ「そうなの。いろいろとおかしいの。」
ミュー「ならテレスさんに会いに行きましょう。」
サララ「そうね。」
ミュー「ちなみにテレスさんは、建国祭の犯人だったの?」
サララ「それが。聞く前に逃げられた。」
ミュー「ならそれも合わせて、聞きに行きましょう。」
サララ「そうだね。」
ミュー「フィジ国、久しぶりだね。楽しみ。」(^_^ )
サララ「目的変わってない!」( --)




