3-29 発光炉防衛戦①
~~~ Z地区:旧居住区と平原の堺 ~~~~~~~~~~
隊員を500m後ろで待機させ、
サララだけが敵二体のウイングへとゆっくり近づく。
2mまで接近したところで、サララは停止しウイングから降りる。
銃を持たず、見るからに丸腰の姿だ。
道を塞ぐ2人は、若い女性の声だけでも驚きなのだが、
出てきたのは見るからに十代の少女であった。
見張り2>>OTMで出くわした少女じゃないか?
見張り1>>まさか、こんな顔だったか!
サララ 「また会いましたね。2度目ましてですね。」(^_^ )
見張り1「さて、どこかでお会いしたでしょうか」
見張り1>>確かにOTMにいた子のようだ。
見張り2>>だろう!
ここで道を塞いでいる2人は、OTM社から脱走した2人組である。
当初は調査団に合流する予定でいたのだが、
Z地区から出て来る集団を感知し、合流を中断させ
何者がやって来るのかここで待ち伏せしていたのである。
サララ 「初対面で、挨拶代わりに
私に弾丸を打ち込んだじゃない。
覚えてないの!数時間前のことよ。」(^_^ )
見張り2「もしかして付けてきたのか」(#--)
サララ 「そりゃそうよ。あなた達を追いかけたら
面白いことになるかな~って。」
見張り1「何者だ!」
サララ 「だから軍だって言ってるでしょ。
この部隊の小隊長やってます。」(^_^ )
見張り1「ふざけるな。OTN社の者か?目的はなんだ。」
サララ 「あぁ、女だからってバカにしてるでしょ。」
見張り1「ならば軍の証明をみせろ。」
ポポ >>調査団のリーダーが、『追い返せ!』と指示してます。
サララ「あんたと話しても時間の無駄ね。
私の軍服とウイングの機体を見れば
軍の関係者だって分かるもんでしょ。
調査団のリーダーさん出しなさいよ。
私達の会話聞いてるんでしょ。
フィジ国の調査団が、勝手に我が国の国境を越えて、
第三発光炉へ向かっていることは分かっています。
これは国際問題です。
いいの?
戻って軍にこのことを報告するけど。」(^_^ )
ジャック「調査団リーダーのジャックです。
そちらの者が大変無礼なことをいたしました。
代表者である私が謝罪させていただきます。
失礼致しました。」
ジャック「誤解されているようですので、申し上げておきますと
我々は、この近辺の地質調査に来ております。
爆薬等を使いますので、安全のためにそこの者に
通行禁止の指示をさせていただいた次第です。
本件に関してアストロ国へ許可書を頂いております。」
サララ 「国境付近の排他的地域で作業するという
申請書が出ているのは私も知ってるわ。
だけどね。今あなた達が作業している場所って
記載している場所と大分食い違ってますけど。
アストロ国に不法侵犯していますが、
納得の行く説明をしていただけるかしら?」(--#)
ジャック「我々は申請の通り、
排他的地域内で作業しておりますが。
誤解されておりませんか?」
調査団が第3発光炉に向かった時点で、
彼らの目的は見えている。
フィジ国のエネルギー供給量が足りなくなりつつある
現状からも明白だ。
彼らは、稼働を停止しているアストロ国の発光炉から
燃料棒であるナーシニウムを盗み取ろうとしているのだ。
ナーシニウムは月に存在する物質で、
今現在月からの採掘は不可能。
各国でのストックも存在しない。
すなわち、現在稼働中の発光炉の燃料を
使いきってしまったら、全ての機器は止まり、
人類は原始時代へと逆戻りになることを意味する。
そんな貴重な資源をフィジ国は使いまくっており、
日々使用量を増加しつづけている。
2年後には供給が追い付かないと推定している。
サララ「バレないと思ったら大間違いよ。
相手が悪かったですね。
あなた。今、アス国第3発光炉内の3番炉にいますよね。
逆探知して位置を特定させていただきました。」
ジャック「言いがかりだ。
まさか、我々をネタに国際問題にしようと
しているのはアストロ国の方ではないのですか?」
サララ「あら!はったりだと思ってるの?
そちらと本国の会話を録音しましたけど。
大統領官邸にお友達がいるのね。
思わぬ収穫だわ。」
ジャック「・・・」
ジャック>>まずいことになりました。
こちらの会話が傍受されております。(;--)
ハリー >>冷静になれ。はったりだ。
技術的に逆探知など出きるわけがない。
向こうの揺動に乗せられるな! (--#)
ジャック「何の事でしょうか。
なぜここで副大統領が出てくるのかが、
わかりませんが。」
ジャック「我々は新エネルギーを研究している小さな会社です。
官僚とつながりなどありえません。」
サララ 「AT薬品会社の社長って、副大統領の弟よね。
あと、PCM社から多額の政治献金を受け取ってるし。
建国祭テロの首謀者は、副大統領だったとは。
驚きよ。国を挙げてのテロ計画だったとは。
最低な国だわ。」
ジャック「あなたは本当に軍の方でおられますか?
今の発言は大問題です。
我が国に対する侮辱です。
あろうことか、副大統領をテロ事件の主犯扱いされるとは。
撤回して頂きたい。
根拠もなく、あなたの想像で語ったとのことであれば、
アストロ国に対し抗議文の送付、
ならびに謝罪を要求させていただきます。」
サララは、タグから取り出した細いケーブルをウイングへとつなく。
そして、ウイングのスピーカを使って、
大音量で、調査団リーダーと副大統領顧問の会話を再生させた。
♪ハリー 「あの少女は本当に軍人なのか?」
♪ジャック「わかりません。
あの機体は特殊部隊のものです。
盗んで来たとは思えません。」
♪ハリー 「レプリカだろ。」
♪ゴニョゴニョ (早回し)
♪ハリー 「お前たちがどこで作業してるなど知る方法などない。
さっさと燃料棒を抜く作業を優先しろ。」
♪ジャック「了解しました。」
大統領官邸にいるハリーは動揺する。
傍受されるはずのない会話が録音されていたのだから。
ハリー >>その部隊を始末しろ。一人も逃がすな。
ジャック>>了解。
♪ドーン、ドーン、ドーン
副大統領顧問であるハリーは、1km間隔で設置した中継機を
全て起爆させ、調査団との連絡回線を強制切断した。
サララ「あーあ。回線切られちゃったね。
あなた達、捨てられたわよ。」
調査団リーダーは、見張り番へ命令する。
ジャック>>全員始末しろ。一人も逃がすな。
見張り1>>了解
見張り2>>了解
見張り人が乗る2体のウイングは、
サララの方へ真っ直ぐと腕を伸ばすと、
両手首が90度真下へ折れ曲がり、手首から銃口を出す。
♪バリ、バリ、バリ、バリ、バリ、バリ。
2体のウイングは弾を連写で放つ。
銃口を少しづつ動かし、サララをハチの巣にする気だ。
サララは微動だにせず、笑みを浮かべて立ち尽くしている。
ミスト小隊のメンバーはというと、
サララの指示がないため、ただじっと傍観し続けるだけだった。
相手が2人なら手助けするまでもないとみな感じていた。
少女が倒れない。
というか、乱射された無数の弾が、なぜか当たらないのだ。
一発だけ、左腕をかすめた。
サララ>>ちょっと、1発当たったわよ。
遊びすぎじゃない。
ポポ >>すみません。
ですが、サララ様が少し動いたからです。
私の操作にはミスはありません。
サララ>>あーっそ、私のせいなのね。
ポポ >>いえ、私のミスです。失礼しました。
ポポが敵のウイングを遠隔操作し、
サララにギリギリ当たらないよう
銃口の位置を微調整していたのだ。
サララ「当たりませんね。ちゃんと狙ってる?」
見張りの2人はあせる。
こんな近距離で弾が当たらないなんてことはない。
そして突然、引き金を引いても弾が発射されなくなった。
気づくとウイングの手足でさえも動かせない状態となっている。
計器を見返しても異常はなく、全て正常値を示している。
すぐに悟る。正面に居る少女が何かしらの方法で
コントロールを奪っているのだと。
サララ>>ウィリ、この2人を国誕際テロ事件の
重要参考人としてセンターまで運んでちょうだい。
OTNでの襲撃事件も聞きたいしね。
ウィリ>>了解です。ですが、途中で逃げられたりしないですか。
サララ>>大丈夫。プログラムを書き換えたから
操縦できないどころか、
ウイングから出ることすらできないから。
ウィリ>>了解しました。
サララ>>あと、ウィリの後を付いていくようにしといたから、
ワイヤーで引いて行く必要はないです。
勝手について行くので。
ウィリ>>了解しました。
サララ>>では、行ってちょうだい。
ウィリ>>皆さん、お気を付けて。
ウィリが乗るウイングは、180度方向転換して来た道を
戻り始めると、見張りの2人が乗るウイングも
金魚のフンのように3mづつ間隔を開けて一列に続いた。
ルジャン>>帰り道気を付けろよ。
つまずいて倒れたりしたら後ろの2人も
倒れるから恥ずかしいぞ。
メンバー全員が笑う。
サララ>>見捨てられた調査団に会いにいきますか。
リーダーがどんな顔をしているか楽しみだわ。(^_^ )
【つぶやき】
仕事が忙し過ぎて、執筆する時間がとれない。トホホ




