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3-17 八方塞がりなんですけど、脱出できるかしら

~~~ OTM本社1階テーマパーク ~~~~~~~

19階で殺人事件、爆発、記者と名乗る少女、

そして不審者の2人組の発生により、

テーマパークの全てのアトラクションは

中止となった。

パニックを警戒し、入場者にはこのことは

伏せてある。

「システム故障により本日は閉店いたします」

と告げられていた。

だが、外には多くの警備隊と報道人が

集まっている。


誰がどうみてもただ事ではない。

システムの故障にしては異様だ。

テーマパークから出て来た人々は外の光景に

驚きを感じ、その場に留まる。

結果、何の報道も説明もされていないのに

OTM社の周囲は人であふれていた。


場内は光輝くネオンは消え、間接照明へと

代わり、館内全体の雰囲気が夜の町並みへと

姿を変えている。

営業終了のアナウンスと共に音楽が流れ、

スタッフ陣が観客をゆっくりと外へ誘導する。

今日は多くの観客でごった返していたため、

お客を全員外に出すのに時間が掛かっていた。

会場にはまだ1万人ほどの入場者が残っている。

全員出すのにあと30分はかかるりそうだ。


そんな真っ暗なテーマパークの天井に肉眼で

識別が難しいほど小さな物体が動いていた。


あわー、綺麗~。

サララは空を見上げてテーマパークの夜景を

楽しんでいる。

実際には、サララ自身がコウモリのように

逆さになって天井を歩きながら下を

眺めている景色だ。

サララは既にテーマパークの会場に辿り着いて

いおり、人目が付かない場所を探して、

歩いていたのだ。


サララ>>えー、終わっちゃったの?

ポポ >>はい、場内放送によると本日の営業は

    システム故障により中止とのことです。


サララ>>私のせい?

ポポ >>ゼロではありませんが、ジョンを殺害

    しようとした2人組が主な原因の

    ようです。


サララ>>そうなんだ。でも社長室での騒ぎも

    大事件だと思うんだけど。

ポポ >>社長はこのビルには居ないことに

    なっております。

    ですので、社長室での騒ぎは

    会社ぐるみで隠ぺいしております。

    秘書の報告では、サララ様は社長が

    居ないことを知って

    すぐに部屋を出たと証言されてます。

    また、事件のあった社長室はシステム上、

    倉庫に変更されており、現在、

    別の部屋が社長室にあてられてます。


サララ>>そうなの?

    じゃあ、社長とボディーガード達は

    どうなっているの?

ポポ >>そのまま放置のようです。


サララ>>でも、社長がいるところに、

    ZATを向かわっせているよね?

ポポ >>はい。そこにサララ様が隠れている

    という認識で向かっています。

サララ>>ならいいわ。


サララ>>あと、2人組はうまく逃げ切れられた

    のかしら?

ポポ >>既に当ビルを出て、現在車で北に

    向かって逃走中です。

    警備隊はまだそれに気づいてません。

サララ>>無事逃げ切れたのね。

    そ、私はその2人組みを追いますか。


サララは、死角となっている壁を走り降り、

1階の地へと降り立つ。

そして、出口へ向かう一般客と同化した

のであった。


~~~ OTM本社20階 倉庫前 ~~~~~~~~

ランナー2 >>こちらランナー2。

       2班、倉庫の前へ到着。

ランナー隊長>>こちらランナー1。了解。

       こちらは、あと30秒で到着する。

       その場で待機せよ。


ランナー2 >>指示された場所は社長室と

       書いてありますが。

       我々の居る場所は正しいので

       しょうか?

ランナー隊長>>管理室メンバーの位置を確認

       してくれ。


管理室   >>ランナー2の位置を確認しました。

       正しいです。

       そこは旧社長室で、現在は倉庫

       のようです。


管理室でモニタ監視しているランナー部隊の

現在位置と、ランナー部隊が実際に居る場所は、

ポポの仕業によって異なっているのであった。


ランナー隊長>>了解。


隊長も倉庫前に到着する。


ランナー隊長「オレとランナー2が突入する。

       残りは援護を頼む。」


メンバーは無言で了解を合図する。

全員が銃を構え、扉を開ける。

中を覗く。だれもいない。

音を立てずに侵入する。


秘書のディスクがある。

奥の部屋の扉を開けようとするが、

管理室からの報告通り、

破壊されているようで開かない。

ランナー隊長は確信する。

少女は奥の部屋にいると。


ランナー隊長は、メンバーの1人に、

念のため秘書の端末を調べるよう指示する。

続けて、別のメンバーには、ダイナシー(爆弾)

のセットを指示する。

その間、隊長と副隊長は銃口を扉に向け

構えている。


ランナー4、爆破の準備ができたことを合図する。

隊長は、爆破に備えて身を隠すよう指示を出す。

この一連のやり取りは全て無言で、

手のジェスチャーにより遂行されていた。


~~~ OTM本社3階S3022会議室前 ~~~~~~~

フォース隊長>>こちらフォース1、

       S3022会議室の前に到着した。

管理室   >>確認しました。

       その部屋に2人組が潜んでいます。


フォース隊長>>部屋の図面は受け取った。

       どの部屋に居るかわかるか。

管理室   >>妨害電波を出しているようで、

       半径30mの誤差があり正確な

       場所を特定できません。


フォース隊長>>なら他の部屋に居る可能性も

       あるのでは?

管理室   >>それはありえません。

       その周辺ではS3022会議室のみ

       ドアの開閉記録があります。

       その会議室以外ありえません。


フォース隊長>>扉を破壊した形跡がないが、

       鍵はかかってないのか?

管理室   >>はい。

       そのエリアは自由に使える会議室

       となっておりまして施錠して

       おりません。


フォース隊長>>了解した。

       これより突入する。

管理室   >>お気を付けて。


隊長と副隊長が、銃を構え、扉を挟んで

両サイドに立つ。

他の4人のメンバーは、少し離れたところで

扉を照準に合わせて身を隠す。

隊長は扉を開け、じっとその場で待機する。


なんの反応もない。

隊長は一瞬中を覗く。誰もいないことを確認。


隊長は目で副隊長に合図すると、

低い姿勢で2人は隊長、副隊長の順で

中へと侵入する。

援護という形で2人のメンバが銃を構えて

入口に立つ。


           │ │

 +───+─────+ │

 │部屋C│ 部屋A │通│

 │   │     │路│

 │   +─+\+─+ │

 │    \    \  │

 +─+\+─+\+─+ │

 │   │     │ │

 │部屋D│ 部屋B │ │

 +───+─────+ │

           │ │


隊長は部屋Aを、副隊長は部屋Bを、

銃を構えながら同時に開ける。

お互い誰もいないことを無言で合図する。

廊下に待機している残り2人のメンバーを

ジェスチャーで呼ぶ、

入って来た2人は、それぞれ一人ずつ手前の

部屋へ入り中を調べる。


隊長と副隊長は、更に奥へ進み、部屋C

の扉の前へと立つ。

副隊長と目で合図し扉を開ける。


すると、扉の一部が破損したのか、

上から小さな物が落ち来た。

それは転がり、隊長の足元で止まる。

目を凝らして見ると、

それには小さなディスプレイがあり、

5、4、

と数値が表示されていた。

二人はそれがタイマー式の爆弾であると

同時に気づく。


隊長「伏せろー」


メンバーは銃を構えるの止め、急いで身を隠す。

隊長と副隊長は、同時に部屋Cの中へと入り、

ジャンプしてカウンターを飛び越え、

転がり、うつ伏せの姿勢を取って、

耳を覆うようにして腕で頭を守る。


♪バーーン。


ものすごい爆風が部屋中を駆け巡り、

出口へと一直線に流れて行く。

隊長と副隊長は爆風の直撃をなんとか回避できた。

壁や天井の残骸が2人を襲い掛かる。

そして、カウンターが隊長側へと倒れる。


数秒で爆発は静まった。

隊長は、タグを見て、メンバー全員が無事で

あることを把握する。


隊長と副隊長はカウンターから抜け出し、

2人してD部屋の扉に銃口を向けたまま

部屋の中央へと移動する。


煙で視界が悪い中で、2人はライトを使って

部屋の床を見渡し、死体がないこと確認する。


部屋Dの入口をライトで当てると、

扉がひん曲がっているのが見える。

今にも倒れそうな感じだ。

部屋Dの中の状態はわからない。

容疑者が見つかっていない以上、

居るとしたら部屋Dしかない。

もしかしたら、今の爆発で2人の容疑者を

殺してしまった可能性も出て来た。


隊長は、メンバーを呼び援護を任せる。

部屋D前へ来る。

扉がひん曲がっているとは言え、

中の様子が見えない。

扉を蹴り素早く身を隠す。


♪バン


蹴られた扉は簡単に倒れた。


チラ見すると、部屋の中は綺麗だ。

どうも爆風の影響を受けていないようだ。

銃を構えて低い姿勢で中を覗く。


誰もいない。

机が1つあるだけで、物がない殺風景な空間だ。

どう見渡しても、容疑者が隠れる場所などない。

あるのは、テーブルの中央に5cm程度の

小さな縫いぐるが1体。

うつ伏せで倒れているだけだった。


隊長(こんなとこに縫いぐるみ?)


タグで容疑者の場所を確認するが、

示しているのはこの辺だ。


縫いぐるみを手に取る。正面を向けると両手に

1枚づつ銀色のコインを持っていた。

隊長は、ふとあることに気づく。

腰から真っ黒な袋を取り出し、片方コインを

手に触れないようにして袋へ入れてみた。


そして、タグで容疑者の位置を確認すると。

容疑者の1人がマップから消滅したのだ。


フォース隊長>>こちらフォース1、管理室! (--#)


~~~ OTM本社20階 倉庫前 ~~~~~~

♪ドーーン。


爆発音と共に倉庫の扉が吹き飛び、

煙が全体を覆う。


女性「キャー。」


微かだが、女性の悲鳴を捕らえた。


隊長「ターゲットだ!」


ランナー隊長を含む3人が腰を低くして

部屋の中へと突入する。

煙で室内の視界は悪い。


タグで確認するとターゲットは隣の部屋にする。


ランナー隊長「うつ伏せになって

       両手を頭に乗せろ。

       おかしな行動をしたら射殺する!」 (-- )


隣の部屋へ届くよう大きな声で指示をする。


女性「うつ伏せになりました。

   撃たないでください。」 {{("o_o)}}


隊長を先頭に、3人はターゲットのいる

部屋の入口まで来た。

空調が働き、視界が一瞬でクリアになる。


隊長は、一瞬部屋の中を覗くと、

女性がうつ伏せになっているのを確認した。

と同時に倒れている2人の男性も確認した。


隊長は銃を構えて、低い姿勢で突入する。。


ランナー隊長「質問するまで何も言うな。

       動いたら撃つ!」


1人は、その場で隊長の援護。

もう一人は、社長室を見渡す。

と同時に2班も入ってきた。


うつ伏せになっているのはスーツ姿の女性だ。

あとの2人は男性で、倒れていて意識が

ないように見える。


ランナー2「隊長。

      こちらに男性2人が倒れおります。

      重症のようで意識がありません。

      2人とも手錠を掛けられています。」


ランナー隊長は、女性のタグと自分のタグを

近づけ、身元を確認する。

社長秘書と認識する。


ランナー隊長「社長秘書のアーノさんですか?」

女性    「はい、秘書をしております

       アーノです。」


ランナー隊長「手荒な真似をしてすまない。

       身体を起こして結構です。」


彼女の側にいる男を照合すると、

驚いたことに社長であった。


ランナー隊長「こちらは、社長でらっしゃい

       ますか?」


社長の返事はない。

秘書はそうだと首を縦に振る。


タグで確認したところ命に別状はないが、

秘書以外、全員すぐにでも病院へ運ぶ必要が

ある。


ランナー隊長>>こちらランナー1。

警備隊本部 >>こちら警備隊本部、どうぞ。


ランナー隊長>>倉庫に突入したところ、

       社長とその秘書および不明な

       男性4名、

       計6名を発見し、保護した。

       秘書以外は、意識がなく重症

       のようだ。

       至急、救急隊を要請したい。


警備隊本部 >>一般市民からの通報があり、

       救急隊は既に向かわせている。

       あと数秒で到着する見込みだ。

ランナー隊長>>一般市民?


ランナー隊長(なぜ一般市民がこの状況を

       知りえた?)


ランナー隊長>>了解した。(--#)


ランナー3 「隊長。秘書の端末からこんな

       ものが入っておりました。

       テロ事件に関係するものと

       思われます。」


ランナー隊長は、それを確認する。

救急隊が到着する。


ランナー隊長「社長を緊急逮捕する。

       怪我人の5人は、軍の病院へ

       運んでくれ!

       秘書のあなたに、いくつか

       聞きたいことがある。

       軍にご同行願います。」

社長秘書  「はい。」


ランナー隊長(ASC社長はどこにいる?)


ランナー隊長>>こちらランナー1、

       本部応答願います。

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