4-12 革命ってこうやって起こるんだね
~~~ 地下都市:5階 ~~~~~~~
5階フロアのとある一角に人が集まり出した。
みな手作りのハンマーとかを手にしている。
なんとも物騒な連中のようだ。
目の前には認証ゲートがあり、ゲートを超えた
先に他のフロアへ移動できるエレベータがある。
一応、上下のフロアへ通じる階段もある。
各階の高さは100mあるら人が利用するには
相当な覚悟がいる。
集まった人は、ざっと3000人ほど。
かなり多い。
その中心には元大統領の姿が見える。
元大統領「諸君。よくぞ革命に賛同してくれた。
礼を申す。
現在この地下都市はアストロ人によって
仮政権が作られ管理されている。
これが正式となれば、我々フィジ人は
虐げられ、奴隷として扱われることと
なるだう。
そうなる前に我々が管理室を占拠する。
念のため再確認しておく。
我々の目的は、アストロ人と戦闘する
ことではない。
我々の手でこの都市を平和に維持させる
のが目的である。
管理室の占拠が成功した暁には、
地下都市全体を新生フィジ国として
即建国させる。
この地下都市とメーティスを我々が
支配し統治させるのである。
ここに居る者達には、各都市の市長と
なって引き続き協力を願う。
では成功を祈ろう。」
周囲の全員が無言で左腕を掲げた。
そして、その集団は認証ゲートへと進む。
当然のことながら認証はNGとなったので
通り抜けられない。
他のフロアへの移動はまだ許可が降りてない
ためだ。
だが、ここの連中には関係のないこと。
というか想定内。
手に持つハンマーでゲートを破壊したのである。
そして、強引に突破し、反対側へと出る。
エレベータは20機ある。
10機は人が乗り入れする一般用で、
残りは運搬用だ。
中型5機と大型5機が設置してある。
大型の方は、大量の資材を運搬できるため、
1機だけで3000人全員乗るのは楽勝だ。
一番近い大型機へと全員乗り込む。
内部には50インチモニタの操作パメルが
あり、目的地の1階を選択。
♪ガラガラ、ガシャン。
エレベータの扉が閉まる。
ここで想定外のことが起こる。
エレベータが動かない。
するとモニタが切り替わり1人の少女が映し出された。
どうやら制御室からの放送のようだ。
サララ 「皆さん、こんばんわ。サララと申します。
管理室から生中継してまーす。
代表と話がしたいんですけど。
元フィジ国大統領だと思うけど、います?」
元大統領「私がこの中の代表だ。」
元大統領が自ら名乗り出た。
サララ 「お久しぶり。大統領。」
元大統領「どこかで会ったか?貴様など知らんぞ。」
サララ 「えー-、超ーショックなんですけど。
この日をずっと待ち望んでたのに。
へこむわー。」
大統領はほんとうに彼女らのことを忘れていた。
サララはそれを説明するのが面倒だと思い
触れないことにした。
元大統領「小娘、何者だ。」
サララ 「一応都市の管理をしてます。」
元大統領「貴様が!
エレベータを止めたのもあんたってことか?」
サララ 「そうだよ。」
元大統領「ならさっさと我々を1階へ運べ!」
サララ 「あのぉ。状況理解してます?
主導権はこちらに在りますけど。」
元大統領「素直に応じないというのであれば、
手荒な手段を使わせて頂く。」
大統領の周囲は、にやつく。
サララ 「あなた達閉じ込められてるのよ。
分かってる?
手荒な手段?やって見なさいよ。」
女性 「きゃあ~~~~。」
1人の女性がモニタの前に連れて来られた。
両手を縛られてる。
元大統領「ここに人質が10名居る。
我々を1階まで運ばないと言うので
あれば、今から5分ごとに1つづつ
死んでいただくこととなる。」
サララ 「ちょっとその人達、自国の民じゃない。
どうせ仲間なんでしょ。騙されないわ。」
元大統領「はったりかどうかは時間が経てば
分かること。
もちろん同族を手に掛けたくはない。
だが革命に犠牲はやむを得ないと
考えている。」
1分経過。
2分経過。
3分経過。
元大統領「ちなみに、人質全員失ったとしても
我々はあきらめない。
破壊しながら我々は1階を目指す
だけのこと。
最悪の時はメーティスの破壊もシェアに
入れるつもりだ。」
4分30秒経過。
女性 「きゃあ~~~~。」
人質の首に刃物が当てられる。
この光景はカメラを通じてサララにも見えている。
恐らくはったりではないようだ。本気で殺す気でいる。
人質の怖がり方も本物だ。
彼女のタグ情報を見ると心拍数が上がり
ノルアドレナリンが上昇してる。
恐怖を感じてる証拠だ。
4分58秒経過。
♪ガシャン。ギィーーー。
エレベータが上昇を開始した。
人質の首から刃物が遠ざけられる。
元大統領「勇気ある決断に敬意を称する。」
サララ 「何を偉そうに。ここからは交渉よ。
どうしたら人質を解放してくれるのかしら?」
元大統領「我々が管理室を制圧し、私にメーティスへの
管理者権限が付与されたら解放すると
約束しよう。」
サララ 「なら、今管理者権限を付与してあげるわ。
だから人質を解放して、
あんたたちも戻りなさい。」
元大統領「騙されんぞ。
権限があっても管理室がなければ糞の役にも
立たんことくらい。
とりあえず、貴様のところへ伺うとしよう。」
~~~ 地下都市:1階 ~~~~~~~
元大統領一行は1階へ到着した。
エレベータを降りて、認証ゲートを抜けると、
1面が芝生で小屋以外何もない空間が現れる。
異様な空間である。想像と大きく異なっていたのである。
小屋は一軒だけである。
なぜか天井からつるされ地上30cmのところを浮いていた
形となっている。
管理室は特別である。地震とか来ても壊れないような
設計思想なのだろうと各々がかってに解釈し、
管理室とはそういうものだと納得するのであった。
小屋の前に1人の少女が立っている。
先ほどモニタ越しに映っていた少女だ。
一行は、警戒しつつも小屋の前へと近づく。
サララ 「お待ちしてたわ。」
元大統領「自らお出迎えとは。
こうして肉眼で見ると可愛らしい少女ではないか。
なぜ貴様のような小娘が管理権限を持っているか
アストロ人は理解できん。」
サララ 「さぁ、約束通り人質を解放しなさい。」
元大統領「いやダメだ。
私に管理権限があることが条件だったはず。」
サララ 「さっき付けたわよ。確認してみなさい。」
元大統領「ふふふ。あはははは。ついにやったぞ。
革命は成功した。これで私は初代国王となる。」
大統領は、自身のタグを見て管理権限があるのを知った
のである。
サララ 「そうね。そうなるわね。」
元大統領「約束だ。人質は解放しよう。」
側近が目で合図すると、人質の両手首を縛っていた紐が
解かれた。
サララは人質たちに話しかける。
サララ 「あなた達はエレベータを使って5階へ
戻りなさい。」
人質の10名は固まって認証ゲートへと走り姿を消した。
サララ 「後は好きに使えば!私は帰る。」
サララの行く手を2人の体格のいい男が阻む。
元大統領「すんなり返すとでも思ったか?
今度は貴様が人質だ。ここに残ってもらう。」
サララ 「あら同感ね。
私もあなた達をここから出す気はないわ。」
♪ドーン。
認証ゲートが潰され、コンクリートのようなものが
流れ出て来た。
要するに二度と他のフロアへ移動できないよう壁を
塞いだのである。
この空間は四方を壁で覆われ、出入り口は先ほどの
認証ゲート1つのみであった。
ここから誰一人出られなくなったということだ。
そう、サララ自身もである。




