裏ルートを手に入れたら学校で絡まれたことについて
だるい。なぜこうなった。
『クリア』
流れるテロップ。あ、皆さん今
「え?プロローグからクリア?早すぎね?」
とか思った人もいるでしょ。 ご安心ください。フツーのゲーム
をクリアしただけです。あ、本当に普通のゲームのやつ。
みんながするような、あ・のゲームですよっ!
と、いうかテロップ長っ。校長先生の話とどっこいどっこいだよ、
マジで。
やっと終わった、と思うのもつかの間。自分の茶髪でショートカットのアバターが
こっちに向かってゲーム機の中で歩いてくる。ヤバイ。これは裏ルート的なヤツかもしれない。
『あなたはノーセーブでラスボスを討伐しました。』
あー。確かノーセーブだったけ。攻略サイト見まくってたなんて
言えない、言えないッ!
『裏ルート※勇気のある方のみ進んでください。ストーリーから
いつでも開けます。』
いやいやいやいや。怪しすぎるだろ、何が勇気のある方のみだよ。
別に怖がってるとかそういうのじゃないから!勘違いすんなよ!
すんごい動揺していたからかその後に表示されているものを適当に
ボタンを押して気づかないうちに・・・zzz寝てしまったようだ
このゲームは終わりではない。始まりに過ぎない。
ぶっちゃけ私学校行く意味ないと思うんだよね。中学の門にある看板が廃って見える。例えば満開の笑顔を咲かせてる隣りのやつ。あんな奴はいいけれど私はいわゆるその真逆。
私、橘 伊織は帰宅部、友達ゼロ。下校のチャイムと同時に下駄箱へ。別にいじめとかそういうの受けてるわけじゃないし、別にこの生活に不信感なんて抱いたことなんて1度もない。まぁそんな直径1m
以内に人を寄せ付けない能力なんかをもってそうな人ですけど、
ピロンピロン。人間注意報 人間注意報。人が近づいてきます。
珍しく、すごく珍しく近づいてきたのは一応クラスメートの伏沼 リカ。流行を詰め込んだらこうなりました、っていう感じのクラスの中心的人物。彼女の周りには常にアリみたいに人が群れている。だから正直言って私は苦手。だから!何故そんな彼女が私の周りにいるのか不思議で不思議でたまらない。勝手に私がはわわわわと慌ててるとリカは私の目の近くで手をフリフリさせてわざとらしい子供みたいな声でいった。
「いーーおっりさーん!聞こえてますかー?おーいおーい」
「あ、ごめん何?」
「ほら!いおりさん!あのゲームノーセーブでクリアしたでしょ!」
ぎくぎくぎく。冷や汗が流れる。攻略サイト見まくってたなんて言えない!「えーっと、そうだけどなんでリカさんが知ってるの?」
彼女のポニーテルがゆらりゆらりと揺れる。
「ふふん。それはこの私だもの。クラス全員のフレンドコードなんて採取済みよ!」
「そ、そうなんだ。」
あーやっぱりこういう人はほんとに苦手だ。心の中でため息を一つつき冷静を取り繕って私は会話する。
「あーそうだった・・・かも?。」
「むー。ひどいなぁ 伊織さんは。」
頬をむーっと膨らませて怒ったような顔つきになる
「そんでさ、わざわざノーセーブ、って書いてあったからなんか意味あんのかなーって、事件の香りがーって。」
「さあ、わかんないけどちょっとおかしなことはあったよ。えっと」
私は裏ルートが開通されたこととか、全て話した。リカは好奇心があふれる目で熱心に話を聞き入り、首を縦にふって聞いてくれた。
「へぇー。おーいみんなみんな!聞いて!。」
「え、ちょ、やめやめ!!!。」
もう一度言うが彼女はクラスの中心的人物だ。彼女が一声かければクラスの人は大量に群れてくるのだ。そしてクラスの人達も熱心に話を聞き入り・・・
「伊織さんの家いっていい?」
って口々にみんな言い出した。なんですか。普段関わりないくせにこういうときだけ。駄目に決まってんだろうが!私はもう一回顔と心を落ち着かせて一息ついて作り笑顔を取り繕って言った。
「ごめん。いま部屋散らかってるんだ。また今度話すね。」
するとクラスの人達は一斉に散った。はぁ。なんかもう疲れたなぁ。




