愛する「 」
テーマ「恋文」
未来の君へ
この手紙を読んでいる君は、今ここにいる君と同じ人だろうか。違う人なのだろうか。どちらにしても、この手紙を読んでいるということは、僕はもう隣にはいないのだろう。
僕は未来の君にこの手紙を残す。君がどこの誰であろうが関係ない。僕の君への想いを綴ろう。
あの日、僕は君に約束したね。君は笑っていたけれど、僕は本気だったんだ。「約束する」と君は言った。その言葉で、僕がどれだけ救われたことか。僕の涙をすくい上げた君の指の冷たさが、僕の心に火を灯したんだ。
僕に灯った火が燃え上がったのは、君が笑いかけてくれたから。僕は怖くなったよ。このままじゃ、身体まで燃え広がりそうだった。このままじゃ、君を燃やし尽くしてしまいそうだった。君の笑顔が、全てを灰にしてもまだ消えることのない、業火をこの身に宿したんだ。
僕の業火がこの身に留まるのもまた、君の笑顔が眩しいからだ。君の笑顔を曇らせたくないから、僕は身を焦がすこの熱を抑えられる。僕の炎を生み出すのも飲み込むのも、君がいたからなんだ。
君の手を初めて取った時。僕の胸は落ち着かなかった。張り裂けそうだった。君の手の温かみが、僕に伝わってきた。その一時が、僕の心を溶けさせたんだ。僕の心を包み込んで、君の色に染めたんだ。
君と初めて口づけた時、僕は一度死んだんだと思う。それまでの僕は、あの時にいなくなったんだ。生まれ変わったんだ。君のために、僕は新しい僕となったんだ。一瞬の間に、無限の愛を教えてもらった。愛が僕を変えたんだ。
いつの間にか、君といたくなった。いつの間にか、君と共に生きたくなった。
君といたから、僕は強くなれた。君といたから、僕は前を向けた。
やっぱり、君といたい。やっぱり、君がいい。
誰でもいいと言ったけど、そんなことはない。君じゃなきゃ嫌だ。この手紙を読んでいるのは、今僕の隣にいる君であって欲しい。君がいいんだ。
僕の願いは叶うだろうか。叶わないだろうか。どちらでも、僕はもういないのだろう。
それでも、この手紙が届くことを願っている。どうか君に届いてほしい。
長々と書いてしまったね。どうにも書きたいことがありすぎて纏まらないよ。ただこれだけは伝えておきたい。
僕は君を愛している。
もういないであろう僕より




