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鏡先輩は宇宙人

作者: 武井睡蓮

鏡先輩は宇宙人だ。

なぜそれがわかったって?

先輩の髪の毛は、きっと地球上にはない未知の物質でできているのだ。

俺には分かる。

日の光を受けて、虹のように輝く髪の毛。これがタンパク質からできているわけがない。

それに、硬質のガラスを思わせる目、それ自体が生き物であるかのような耳。

これだけ確定的な証拠がそろっていれば、彼女はまず地球人ではない。

地球人の姿をした、宇宙人だ。

と、そんな話を小泉と福原にしたら、にやにやと笑いやがった。

宇宙人の友人ができてもあいつらには絶対紹介してやらん。

俺は、ご飯ばっかりのカレーライス(税込270円)を、一気に胃袋へと流し込んだ。


「地底人かもよ、それか妖精。」

小泉がちゃかす。

「地底人?妖精?それに遺伝子操作でもない!ゼッタイ!」

小泉がぴしゃりと額をうつ。

「そうだ、俺としたことが、遺伝子操作を忘れるとはなー。ていうことはどっかの軍隊の機密が歩いていたわけか。おそろしや、おそろしや。」

ここまで黙ってB定食(税込500円)をがっついていた福原は味噌汁を飲みほすと、違った反応を見せた。

「着眼は変わっているみたいだが。それはあれだな。気になりますってやつだ。」

「確かにそうだな。」

答える俺。小泉がほう、という顔をしている。

そう、やっぱり宇宙人は気になるだろう?最後のフロンティア宇宙への橋渡しをしてくれるかもしれない!熱いだろ?こりゃ、確かめるしかないよな。

「だから、宇宙人。もしかしたら人じゃないかもしれないけど。まずそこを確かめたいわけだな。」

「こりゃマジもんだ。ま、うまくやれよ。」

小泉はそういうとヤニを補充しに庭へ出て行った。

福原は席を立つと俺の肩に手を置き。

「ほどほどにしとけよ。」

そういうと小泉のサラダバー(税込300円)の皿を自分の盆にのせ、カウンターに向かっていった。

なんだよ!あいつら全然わかってないな。この宇宙の神秘に対する俺の情熱を!未知なるものへの開拓心を!

「こうなったら、もう何か見つけても教えてやらねぇからな!」

去りゆく友人の背中に向けた言葉が、食堂の喧騒にむなしく消えた。


そこに食堂の喧騒を許すまいとカウンターの下から鏡先輩が現れた。

こうなってはもう終わりだ。

鏡先輩が地獄耳もとい宇宙耳であることを忘れていた。

噂の一つでもしようものなら先輩は台風よろしく現れて全てを吸いこんでしまう。

福原とサラダバーは既に鏡先輩の腹の中だ。

吸い込まれながら一つの確証を得る。


鏡先輩は宇宙人だ。


なぜそれがわかったって?

先輩の髪の毛は、きっと地球上にはない未知の物質でできているのだ。

俺には分かる。

日の光を受けて、虹のように輝く髪の毛。これがタンパク質からできているわけがない。

それに、硬質のガラスを思わせる目、それ自体が生き物であるかのような耳。

これだけ確定的な証拠がそろっていれば、彼女はまず地球人ではない。

地球人の姿をした、宇宙人だ。

と、そんな話を小泉と福原にしたら、にやにやと笑いやがった。

宇宙人の友人ができてもあいつらには絶対紹介してやらん。

俺は、ご飯ばっかりのカレーライス(税込270円)を、一気に胃袋へと流し込んだ。

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