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11. 自分の部屋




 辺りは真っ暗だった。たまに赤い揺らめきが空間の向こうに見える。



 ……え。……これって、《冥王》が出てくる夢!!!



 さすがに4回目だから気づくのも早いよ!……じゃ、なくて、え?なんで?今日って全然新学期とかでもないし、むしろ新学期始まってやっと1ヶ月たったくらいの学期ど真ん中なのに、なんでこの夢見てるの?この夢は新学期が始まる朝に見るっていうのが、お決まりパターンじゃなかったの!!?



『また、邪魔したな』


「!!!」



 背後から聞こえてきた声に振り向くと、そこには《冥王》であろう、闇の塊。てか、突然後ろで声出すのやめてもらえませんか?心臓に悪すぎるんですけど。



『あの状況で立ち向かってくるとは、思っていたよりも果敢なようだ』



 感心したような《冥王》の声に、また私の胸がちくりと痛む。

 だから、別に果敢とかそういうのじゃなくって、世界滅亡を阻めなかった罪悪感で押しつぶされるのは嫌だなっていう、すっごいネガティブ思考から出てきた行動であって……。

 ……って、”あの状況”なんて言ってるってことは、やっぱり遠足の時のアレは《冥王》の仕業なのか!?つまり、《冥王》が《勇者》ファンクラブと《魔王》ファンクラブの女子生徒たちを操ってる?

 《魔術師》は封印されてる限り外界に干渉できないって言い切ってけど、それが間違ってたってことなの?





『なんの力も持たぬ異世界人と侮ったが……やり方を変えたほうがよさそうだ』





 ……は?今……なんつった?


 異世界人……?





「ちょっ、異世界人ってどういう……!!」

 

『騒がしい。お前にもう用はない。消えろ』





 《冥王》のその言葉を最後に、私は目を覚ました。





 ちょっと待ってくれ。なんで、私の夢から私のほうが強制排除されなきゃいけないんだよ!!!くっそー……《冥王》め。人の夢に勝手に出てきて好き放題話だけ話しやがって、こっちが喋りだしたら五月蝿いって追い出すとか、どんだけなんだよ……。


 てか、今まで不意打ちの《冥王》の夢っていうのにビビってて、言い返すなんて発想なかったけど、私からも《冥王》に向かって何か言い返せそうな気がする。”異世界人”の単語に反応して思わず声だしてけど、普通に《冥王》に届いてたっぽいし。今度《冥王》が夢に出てきた時は、あっちに喋る隙を与える前にこっちから喋りだしてみるか。

 

 しかし、”異世界人”って単語、気になるな。確かに私の前世は違う世界だから間違ってないんだけど、ここが私が前いた世界にある【ゲームの中】だとしたら、なんかその単語はちょっと違和感がある。異世界って並列した同等に存在する異なった世界のことだと思うけど、ここが【ゲームの中】なら明らかに私が以前いた世界がこの世界を内服してる。つまり、同等にはなり得ない。どっちかというと”外界人”とかのほうがしっくりくる気がする。

 ……考えすぎ?違う世界だからただ単に”異世界”って言葉を使ったのかな?それに、なんで《冥王》は私が他の世界からの転生者ってことを知ってたんだろう……。



「どっちにしろ、《冥王》に聞いてみないとわからないか……」



 次に《冥王》が夢に出てきたら絶対にこっちが発言権を取ってやる!そのためにもいつでも《冥王》が夢に出てきてもいいように心の準備と、あとはなんて言ってやるか、具体的に考えとかないとね!!




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