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9. 保健室②




 小学校の頃から保健室の常連だった私は、この学園の保健室のその広さに驚いた。なんと、ベッドが4つもあるのだ。全校生徒の人数が違うからとはいえ、こんなにベッドがあるのは驚きだ。しかも横に4つ並んでいるのに、それでもベッド同士の間隔はたっぷりと取ってある。しかも、パッと見ただけで布団が普通のやすっちぃのじゃないのがわかる。ここが金持ち学園であることは知っていたが、こんな経費の使い方してんのか……。くそ、ここに寝にこれないなんて、なんて口惜しい……!



「あなた、新入生でしょ?入学早々保健室に何しに来たの?」



 お茶を入れながら尋ねてくる保健医。さっきは色々と無駄思考しすぎてて気づかなかったが、白衣を着ていてもわかるほど、彼女の体型はセクシーだ。ボンッ、キュッ、ボンッだ。特にお尻が素晴らしい。お肉はしっかりついてるのにしまっている。思わず触ってみたくなるようなお尻だ。ふん、胸ばかりにうつつを抜かしている若造に、この良さはわかるまい。


「えっとー、偵察です」

「なんの?」

「保健室の」

「なのために?」

「……敵がいないか確認するために?」



「え?もしかして私、あなたの敵?」



 あれ?この先生いける口?天然って感じではなさそうだ。その証拠にぷっくりとした唇が楽しそうに笑っている。少したれ目で目元には涙ぼくろ。うーん。すごいセクシーだ。谷間もがっつり見えてるのにいやらしさを感じない。なんかもう出来上がりすぎてて1つの美術作品を見てる気分だ。



「いえ、私の敵は保健医だけど男です」


「あはは、なら大丈夫ね。私正真正銘の女だから。……確かめてみる?」




 喜んで!とはさすがに答えなかった。




「先生、それ男子生徒に言っちゃダメですよ」

「あら、釣れない返事ね。せっかくのかってあげたのに」


 あ、やっぱりわかっててやってたのか。なんか、今までに会ったことのない種類の先生だな。


 このセクシー保健医さんはたちばな あいというお名前らしい。橘先生と呼ばせてもらうことにした。心の中では《エロ神》で決定だ。それからお茶をいただきながら、色々なことを話した。

 ……というか、橘先生が喋りっぱなしで私はただ話を聞いていた。どうやらこの学園でも保健室に通うのは私と同じ類の人間で、彼らと接触する機会が多かったことで、そっちに免疫ができたどころかそういう会話を楽しむようになったらしい。恐ろしく適応能力のある、恐ろしくセクシーな先生だ。



「最近旦那がねー、なかなかた(強制終了)」



 なんて超個人的な相談まで受けた。先生、待って。私一応入学したての15歳。中身は成人を優に超えてるからいいんだけどね、そんな生々しい相談、生徒にしたら警察に怒られるよ、捕まっちゃうよ?


「あらー、あなたにならなんとなくしても大丈夫かなって気がしたのよ。さっきから顔色1つ変えないし」


 ……あれ?中身未成年じゃないてばれてる?んー、恐ろしく適応能力があり、鋭い観察力を持った、恐ろしくセクシーな保健医と認識を改めておこう。

 しかし、既婚なのか。旦那さんすごいの射止めたな。ここまで素晴らしい体型を持った女性相手なら、夜の方も色々と大変そうだ。


 なんて感じで、いつの間にか1時間以上保健室に居座ってしまった。結局ほとんどが橘先生の相談を聞くという形で時間を費やした。そしてその9割9分9厘が女性特有の生々しいそっち系の話だった。それこそ、下ネタなんて可愛い言葉じゃ済まされないような内容ばっかりだ。ここにはとても書けない。いやはや、非常に楽しかった。



「たまには私の愚痴を聞きに来てねー」



 そしてこの先生は先生で全部確信犯だ。本当、恐ろしいほど(中略)セクシーだ。





 結論、保健室に今現在いるのは《冥王》ではなく《エロ神》でした。


 真白の目を盗んで、また絶対遊びにいこっ!




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