6. 新入生歓迎遠足②
2015/12/2 この場面がごっそりと抜け落ちてたので割り込み投稿しました。申し訳ありません。
さてさて、これで1年が起こしたっていう乱闘はすぐに収まるだろう。2人が戻ってくるのをここでおとなしく待ってますかね。
「ところで、君は行かなくていいの?」
「俺は喧嘩とかだめなんで」
隣にいた鈴木君に尋ねると、へらりとした返事をいただいた。いや、確かに君小柄だし喧嘩強そうには見えないけどさ、《勇者》と《暗殺者》以外の男子メンバーは君と大して変わらない感じなのに、ちゃんと仕事しに行きましたよ?
この後輩君、《勇者》に心酔してるわりに結構手抜きで仕事するからな……。食えない奴だ。
「ああぁ!!」
「な、何!?」
え!?食えない奴とか思ってたのばれた!!?や、それにしてはリアクションが大きすぎるか……。良く見たら、私の後ろのほう指差してなんかすっごい驚いてるみたいだけど……どうしたんだ?
「今、真白先輩が誰に引っ張られて公園の奥のほうに!!」
「えぇ!!?」
なんだと!!?まさか、1年の大乱闘はおとりで、その好きに真白を狙った《冥王》の謀か!?
鈴木君の言葉に慌てて後ろを振り返ってみたけど、真白の姿を捉えることできなかった。もしかしたら、すごい勢いで引っ張られていっちゃったのかもしれない。
「急いで追いかけましょう平尾先輩!!」
使命感を燃やした鈴木君が勢い良く立ち上がって私の腕を引っ張る。確かに、真白が連れて行かれたとあっちゃ、黙って見過ごせるわけがない。そんなことこの私がするわけない。
ただ、今動くのはかなりまずいっていうのくらい、判断はできた。
こんな状況も初めてじゃないしね。おまけにさっき思いっきり《暗殺者》とここから動かないって約束してるし……それ破ったらどんなに怒られるかくらい簡単に想像できる。いい加減私も学んでます。
それに、新入生歓迎遠足といえ2年続けてひどい目にあってる行事だ。碌な展開にはならないだろうし、おまけに去年女子を2人残して逃走した前科持ちの鈴木君と2人で行くのはまずすぎるっていうのくらいわかってる。
でも、真白のほうももたもたしてられない状況だから、この場合は誰かと一緒に真白を追いかけるべきなんだろうけど……でも、すぐそばには《魔王》も《女騎士》も《魔術師》も《吟遊詩人》もいないし……。
よし、こうなったら誰でもいいから周りの男子を適当に連れて行くか。真白が絡んでるって知ったら、協力してくれるだろうし。
「私たちだけじゃだめだから、誰かに助っ人を……」
「そんな暢気なことしてたら真白先輩を見失います!行きますよ、平尾先輩!!!」
「うわっ!」
ちょっ!なんでそんな思いっきり引っ張るんだよ!!そんなことされたら助っ人呼ぶどころじゃないじゃんか!
てか、小柄で喧嘩とかしない見たいな顔してるくせに、すごい力強いんですけど!おかげで掴まれてる腕振りほどけない!これじゃ助っ人を呼ぶどころじゃないよ……。
あーもー……こうなったら仕方ない!このまま真白を追いかけるしかないな!!
さっちゃんとの約束を破るのものっすご怖いけど……破りたくて破ったんじゃないし。私、ちゃんと誰か連れて行こうとしたのにこの鈴木君が邪魔したんだし、今だって引っ張られて無理やり連れて行かれてるだけだし!!
うん、今回ばかりは私のせいじゃない!不可抗力だ!だからさっちゃんに怒られなくてすむはず!!
……さっちゃんが私の言い訳をちゃんと聞いてくれたらだけど。
いや、さっちゃんへの対応は後で考えよう!ともかく今は、真白を助けに行かないとね!!
割り込み投稿のため短いです。すみません。




