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迷宮レストラン  作者: 悠戯
双界の祝祭編
106/382

ss 夜のBARにて

百話記念企画②

今回のお題は百合紳士様に頂いた『魔王&大人のお客さん&酒とツマミ』です。

百合紳士様、ありがとうございました。


 ここは魔王のレストラン……ですが、今夜はいつもとちょっと様子が違いました。店内の一部に細長いバーカウンターが設置され、そこだけ小洒落たバーのようになっているのです。照明も若干暗くしてあり、どことなくバーっぽい雰囲気になっています。



「さ、どうぞ。まずは水割りで」


「うん、たまには静かに飲むのも悪くないね」


「ああ、いつもはメシが中心だけどこういうのもいいもんだ」



 バーテン服を着た魔王が、お酒の入ったグラスをタイムとガルドに差し出しました。琥珀色のウィスキーが照明の光を反射してキラキラと輝いています。



「これは樽の香りか……こいつは強い、良い酒だな」


「なるほど、これはいい。これが異世界のお酒か」



 魔王が二人に振舞っているのは、いつぞやの日本旅行の際にお土産で買ってきたお酒です。テンションが上がってアレコレと買い込んだはいいものの、普段は魔王もアリスもあまりお酒を飲まないので保管庫にしまい込んだままになっていた物です。

 そのまま置物にしておくのも勿体無いので、こうして常連の中でも年長の二人に振舞っているというわけです。



「次は甘いお酒にしましょうか?」


「ああ、頼む」



 続いて魔王が取り出したのはコーヒーのリキュールです。氷を入れたグラスにコーヒーリキュールとミルクを注ぎ、上からコーヒーの粉を散らせば、甘いカクテルの定番カルーアミルク。カクテルの知識がまだまだ浅いバーテン初心者の魔王でも作れるのがポイントです。



「せっかくだし私はもっと変わったお酒を飲みたいかな」


「じゃあ、こういうのはどうでしょう?」



 タイムのリクエストに応えて魔王が取り出したのは、中に蛇が入った大きな瓶、沖縄名産のハブ酒です。泡盛の中にとぐろを巻いたハブが一匹丸ごと入っています。



「……いや、そこまで変わってなくていい。さっきのをもう一杯もらうよ」


「そうですか、それは残念」



 どうやらハブ酒はタイムのお気に召さなかったようです。魔王は少し残念そうに瓶をカウンターの内側に引っ込めました。



「食べる物を用意してきましたよ」


「ああ、ありがとう、アリス」



 厨房でツマミの用意をしていたアリスがお皿を両手に持ってやってきました。片方のお皿にはナッツ類やチーズ、ビーフジャーキーなどの乾き物、もう片方のお皿には焼きたての焼き鳥がどっさりと盛られています。焼き鳥はタレと塩の二種類ありますが、甘い物好きのガルドが沢山食べるであろうことを考慮してタレの比率がやや多めです。



「おっ、こいつは美味そうだな」


「お酒も美味いし、ツマミも美味い。最高だね」



 美味いツマミがあれば自然と酒のペースも早くなります。塩気のある物を食べてノドの渇きが早くなったこともあり、二人のグラスはすぐに空になりました。



「君たちもこっちで一緒に飲まないかい? 他にお客もいないし、たまには一緒に飲み食いするのも悪くないだろう」


「そうですね、それじゃあお言葉に甘えて」


「せっかくですし他のお酒も開けましょうか。グラスももっと出してきますね」



 魔王とアリスもタイムの勧めに従って、カウンターの外に出て一緒に飲み始めました。



「「「「乾杯!」」」」



 この日は四人で朝まで飲み明かし、翌朝やってきたリサに大いに呆れられたそうな。



まだリクエスト受付中です。

せっかくの機会なので沢山書きたいです。

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