#016 Finale
四月三十日、土曜日。
新しい生徒会執行部による初めての全校集会が開かれた。
「みなさん。
ご存じの通り、現生徒会では未だ副会長と庶務が決まっておりません。ですので、この場をお借りして、空席となってる生徒会役員の任命を行います。
副会長役には、私と共に最後まで競い合った一年四組の小森芽依さんに、そして、庶務には同じく一年四組の和泉麻美さんにそれぞれお願いしたいと思います。
どうぞ、賛成の方は拍手でお答え下さい」
割れるような拍手が校庭全体を包みこんだ。誰もが認めるだろう。異論なんてあるはずがない。
「それではこれより、
わたし、生徒会長、両備院さつき。
副会長、小森芽依。
会計、千里丘千紗。
書記、大坂修一。
庶務、和泉麻美。
この五人が新しい生徒会執行部です。どうぞよろしくお願いします‼」
再び割れるような拍手が沸き起こった。先生達も、生徒達もみんなが祝福してくれた。俺はその時のみんなの笑顔をずっと忘れないだろう。
学校なんてとてもちっぽけな世界だけど。
それでも、変わった。
自分達の力で変えれたんだ。
さつきとの出会いで始まったあの日から、今まで灰色だった世界が色鮮やかに変わっていった。目まぐるしく移り変わる毎日が、俺にたくさんのものをもたらしてくれた……。
だから今一度、感謝の気持ちを伝えたい……。
支えてくれた全ての人達に。
もう四月も終わり。見渡せば、春の暖かな日差しの元、校庭に海風がさわやかな風を運んでくる。
「さつき!」
「うん」
「行こう!」
「ってどこへ行くのよ?」
クスリとさつきが微笑んだ。
「決まってるだろ、もちろん……」
「「更なる……向こうへ!」」
二人の声が重なった。
これが始まり……。
俺とさつきの……、物語の始まりだ。
END
最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
さつきと芽衣のお話はもう少し続きます。
どうぞよろしくお願いします。




