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第⑤話

次の日の早朝、チコに連れて行かれたのは、昨晩と同じ近所の公園だった

例の如く結界を展開したチコが満面の笑みで


「追いかけっこをします」


と、俺に言う


「追いかけっこ?」


「はい!あたしが『うふふ…捕まえてごらん~』と、逃げるので、『あはは~待て~待て~』と、京太郎様が追い掛けるのですよ」


「帰っていいか…」


「大丈夫です!今のはあたしが脳内で妄想と言うフィルターを通して変換したイメージ映像ですから、実際の行為とは異なります」


面倒な奴だな…

一々ボケないと話を進められないのか…

師事する立場だから文句は言えないが…


「京太郎様の気は、二つの性質を持ってます

人間の気と妖怪の気…つまり妖気ですね

あたしの見たところ…人間の気が8、妖気が2くらいの割合で混じり合ってます」


そこまで分かるのか…


「鬼神一族の妖気ですから2割でも、そこらの妖怪には負けないでしょ

でも実力者には敵いません

そこで考えました

人間の気を使い切ったら、妖気がそれを補うのではないかな?と…」


アバウトだな…

よーするに妖気のコントロールを覚える為か


つかなんで学校指定のジャージに制服のスカートってカッコなんだよ


「スカートの方が動きやすいからです

修業なんで、京太郎様に雑念が入らないよースパッツも穿いてますよ」


軽くスカートを持ち上げスパッツを見せるチコ…いや別に雑念なんか入らないが…


「雑念なんか入らないが、人に下着見せるのはやめろよ…」


「下着なんて装飾品じゃないんですか?

服と同じですよ?」


首を傾げるチコ

うーん…なんと説明したらいいか…


「はっ!それは見られたら恥ずかしくなるよーな凄い下着を穿けって事ですか?事ですね!!

隠せるトコがギリギリだったり、隠せてなかったり!

むしろ隠してなかったり!」


「違うつーの!」


どんな下着だよ…いや世間ではあるらしいが…


「照れなくてもいいですよ!

でもそーゆー下着ってどこに売ってるんでしょーか…

成人指定の雑誌の通販でしょーか…いんたーねっととかで探したらあるんでしょーか…」


ヤバい…完全に暴走してる…


「はっ!そーか!いっそ穿かない方がいいのかも!

しかしそれは流石に恥ずかしいですね…

京太郎様は意外と鬼畜ですぅ…羞恥プレイですか…てゆーか露出プレイ?

確かに京太郎様に見られるかも!と、思うとドキドキしますけど、他の人には絶対に嫌ですし…」


えーと…下着を見せるなと注意したはずが、何故鬼畜認定されるハメになるのだろーか…かなり理不尽すぎやしないか…


「脳内会議の結果、スカートで家にいる時はノーパンに決まりましたぁ」


「脳内会議じゃねーよ!

全部ダダモレだったっつーの!

つかちゃんと穿け!ノーパンはダメだ!」


「えー!せっかく決心したのに…」


無駄な決心はしなくていい…


「分かりましたぁ

ちゃんと穿いてると、お見せするので確認して下さいね」


「だから見せるな…恥ずかしくないのか…」


「下着なんて装飾品じゃないんですか?

服と同じですよ?

はっ!それは見られたら恥ずかしくなるよーな凄い下着を穿けって事ですか?事ですね!」


「ループすんな!」


なんで会話がループするんだよ…

つーかエンドレスかよ…


「…確かにさっきも同じ事を言ったよーな気もしますね…」


「一言一句同じ台詞をな…」


「コホン!それでは本題に戻ります」


コホンって口で言うなよ…と、突っ込むとまた脱線するんだろーなぁ


「京太郎様はあたしを本気で捕まえて下さい

どんな手を使ってもいいですよ

あたしも本気で逃げます

猫なんで逃げるのは得意です」


そー言って始まった追いかけっこは、全く捕まえられないまま、2時間で終わる…

俺は地面に大の字に倒れ息もままならないが、チコは全然余裕の表情だ


「思った通りです

京太郎様が必死になれば、なるほど、妖気の密度が上がって来ますね

それに伴い身体能力もアップします」


全然自分じゃ分からない…チコが言うんだから間違いないんだろーけどな


「明日からは妖気を引き出すよーに意識して下さいね

自分の妖気を感じて下さい」


分かった…意識してみる…と、言いたいが声が出ないので、頷いて了解だと伝える


「あと…制限期間と罰ゲームを設けましょう

一ヶ月で京太郎様があたしを捕まえられなかったら、あたしから京太郎様へ何かお願いをしますから、叶えて下さい

一ヶ月の期間内に京太郎様があたしを捕まえたら、京太郎様からあたしへ何かお願いをして下さい

あたしは言う事を聞きます」


なんだ…もの凄い嫌な予感がするぞ…ブンブンと横に首を振る

ダメだ…そんな約束しちゃダメだ…


「ダメです…決定事項ですから」


ぜってー捕まえてやる…

身の危険を感じるから、絶対捕まえる…


「なんか…物凄くやる気になったみたいで、イマイチ納得出来ませんが…」


今までの言動から、どーしたらただの罰ゲームで終わると思える?


「分かりました…付け加えます

お願い事は人間界の常識の範囲って事でいいですか?」


一応頷くが…常識なんていくらでもフライング出来るんだ

捕まえなきゃ安心なんぞ出来ないよな…


よし…絶対捕まえて、人の話をちゃんと聞くように躾てやる…

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