「ねずみ」の「まきもの」(その四)
忍者たちががんばっている中、忍者大将も負けてはいない。
じめんの上に「しょうじ」をならべると、
「はーっ!」
気合いの入った一言で、「しょうじ」の紙がすべてふっ飛ぶ。
忍法『紙やぶり』だ。手でやぶっていくよりも、こっちの方が早い。
新しい紙に「はりなおして」いると、遠くの方から馬の足音が聞こえてきた。
たぶん、おとのさまたちだと思うが、帰ってくるのが早すぎる。
何かあったのだろうか?
忍者大将は「糸でんわ」の片方を、忍者にわたす。
もう片方は自分で持って、馬の足音が聞こえた方へ、シュタタタタタと走り出した。
しばらく走ると見えてくる。
やはり、おとのさまたちだ。こっちに引き返してくる。
何があったのかをたずねると、
「台所の火を、消しわすれたかもしれない」
忍者大将は「糸でんわ」を使って、「おしろ」にいる忍者と話す。
この「糸でんわ」を使えば、遠くにいる忍者とも話すことができるのだ。
台所を見てきてもらう。まだ火は燃えているのか、いないのか。
どうやら、火は消えているらしい。
そのことを忍者大将は、おとのさまに伝える。
おとのさまは、安心したようだ。「おしろ」の反対方向へと去っていく。




