「いぬ」と「いのしし」の「まきもの」
今日の「おそうじ」は、いろいろなことがあった。
でも、もうすぐ終わりそうだ。
黒い村の忍者たちと赤い村の忍者たちが、いっしょになって、最後の「おそうじ」をしている。
丘の上から見える「おしろ」は今、お日さまの光で、きらきらと輝いていた。
黒い忍者大将は、筆と墨汁で、白い「かけじく」に書く。「おそうじ、終わりましたでござる」。
よし、かっこいい字が書けた。
その「かけじく」を、おとのさまにわたす。
黒い忍者大将と赤い忍者大将は、かっこいいと思うポーズをしながら、
「おそうじー」
そこまで言ったところで、
「かんりょうー!」
おひめさまに先をこされてしまった。
すぐに「おしろ」の方から、「どんどんどどん」と、大太鼓の音が聞こえてきた。
きらきら輝く「おしろ」の前に、黒い村の忍者たちと赤い村の忍者たちがならんでいる。
みんないっしょに、おじぎをした。
そして、それぞれの村に向かって、
「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」
「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」
かっこよく走り出した。
忍者にとっては、村に帰るまでが、「おそうじ」だ。最後まで、きれいにかっこよく。
「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」
「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」「にん!」




