「へび」の「まきもの」(その二)
忍者大将の前に、べつの「しょうじ」がはこばれてくる。
「はーっ!」
気合いの入った一言で、「しょうじ」の紙がすべてふっ飛ぶ。
忍法『紙やぶり』だ。
おひめさまは目をまるくする。これはすごい!
「そのくらい、おれさまにもできます!」
突然、おひめさまの前に、だれかが飛び出してきた。
赤い村の忍者大将だ。
ここまで、黒い村の忍者たちの「おそうじ」を見ていた。
そうしていたら、だんだんと自分も、「おそうじ」をしたくなってきたのだ。
赤い忍者大将はおひめさまに言う。
「おれさまにも、やらせてください」
「うん。いいよ」
そういうわけで、赤い忍者大将の前にも、「しょうじ」がはこばれてくる。
「はーっ!」
気合いの入った一言で、「しょうじ」の紙がすべてふっ飛ぶ。
忍法『紙やぶり』だ。
さらに、二つの「しょうじ」がはこばれてくる。
こんどは、黒い忍者大将と赤い忍者大将がそろって、
「はーっ!」
すると、二つの「しょうじ」で、すべての紙がふっ飛んだ。
おひめさまは、はくしゅをする。
この忍法『紙やぶり』を、自分でもやってみたいと思ったけれど、
「これは、とてもむずかしい忍法で、おとなの忍者でも、たった数人にしか使うことができないのです」
黒い忍者大将はそう言ったあとで、
「そのかわり、べつの忍法を教えましょう。むずかしくない方の『分身の術』です」
おひめさまは、目をきらきらさせた。『分身の術』と言えば、有名な忍法だ。一人の忍者が、二人になったり、三人になったりするやつ。
あれ? だれかが「おしろ」の中にかくれている?




