「へび」の「まきもの」(その一)
二つの丘に、「おしろ」の「しょうじ」がはこばれてきた。
どちらの丘でも、こども忍者が準備運動をしている。
これから、「しゅりけん」をなげて、「しょうじ」の紙をやぶるのだ。
しかし、本物の「しゅりけん」だと、はずした時に危ない。
なので、「こんにゃく」でできた「しゅりけん」を使う。
「おそうじ、始めー!」
忍者大将が言う。
こども忍者は、「こんにゃく」の「しゅりけん」をなげた。
うまく「しょうじ」にあたった。「しゅりけん」が紙をやぶって、向こう側に飛んでいく。
こども忍者が、どんどん「しょうじ」の紙をやぶっていく。
それを見ていたおひめさま。自分でもやってみたくなった。
「『しゅりけん』をなげたい!」
忍者大将はおひめさまに、「しゅりけん」をわたす。「おせんべい」の「しゅりけん」だ。「こんにゃく」の「しゅりけん」よりは、こっちの方がなげやすい。
おひめさまが挑戦する。「しょうじ」に向かって、「しゅりけん」をなげた。
「おお! あたりましたぞ! さすが、おひめさま!」
さむらいたちが、はくしゅをする。
実は、この「おせんべい」の「しゅりけん」には、目に見えない糸がついている。
それを忍者大将がひっぱって、「しょうじ」の紙にあてたのだ。
そうとは知らないおひめさま。「おせんべい」の「しゅりけん」を全部なげた。
全部の「しゅりけん」が、「しょうじ」にあたる。すべての紙をやぶることができた。
「やったー!」
おひめさまは大よろこびで、自分で考えた「かっこいいポーズ」をすると、
「おそうじー、かんりょうー!」
おとのさまは、にこにこしている。
おじいさんのさむらいが、
「おひめさま、つかれたでしょう。飲みものをどうぞ」
さて、ここからは再び、忍者たちの「おそうじ」だ。




