「うさぎ」の「まきもの」(その五)
忍者の一人が、「しゃみせん」という楽器を演奏し始める。演奏しているのは、かっこいい曲だ。
忍者大将がおどり始めた。
かっこよくおどりながら、「しゃちほこ」のまわりを動きまわっている。
なぞの瓶には、液体が入っていた。
液体を「しゃちほこ」にかけながら、白い「スポンジ」でこすっていく。
すると、「しゃちほこ」のよごれが、どんどん落ちていく。
おひめさまは、目を輝かせた。
これはすごい! すごいし、早い!
おどる忍者大将。でも、途中で止まって、かっこいいと思うポーズをする。
そうやって、十回くらいポーズをしたあとだ。
「おそうじー」
忍者大将がそこまで言ったところで、
「かんりょうー!」
おひめさまに先をこされてしまった。
おとのさまがおひめさまに、今の「おそうじ」の感想を聞くと、
「途中で、へんなポーズをしていなかったら、もっと早かったと思う」
なかなか厳しいご意見だ。
おひめさまには、かっこいいポーズではなく、へんなポーズに見えたらしい。
「そういうことだから、もっと修業するように」
おとのさまが笑いながら、忍者大将に言う。
「もうしわけございません。明日から、かっこいいポーズの修業を、もっとがんばります」
こうしている間も、「おしろ」では忍者たちが「おそうじ」中。




