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「うさぎ」の「まきもの」(その四)
二人の忍者は傘を持ったまま、横に移動した。
二つの「しゃちほこ」が、見えるようになる。
忍者大将がいなかった方の「しゃちほこ」は、よごれたままだ。「きたなーい」だ。
そして、忍者大将がいた方の「しゃちほこ」は・・・
「きらきらだー!」
おひめさまが言う。
二つの「しゃちほこ」を見くらべると、どのくらいきれいになったのかが、簡単にわかる。
でも、あんなに短い時間で、どうやって「おそうじ」したのか。
忍者が傘でかくしていたので、何をしていたのかわからない。
「こちらの『しゃちほこ』も、きれいにします。こんどは傘で、かくしません!」
忍者大将が言う。
おひめさまは笑顔になった。
ただし、先に一つ、忍者大将には言っておきたいことがあるらしい。
「見られていると、はずかしいので、さっきよりは、時間がかかります」
そう言うと、白い「スポンジ」と、なぞの瓶を取り出した。




