「うさぎ」の「まきもの」(その二)
おひめさまが黒い筒の中に、「しゅりけん」をなげ入れると、あらふしぎ。
大きな石を持っていた忍者がいきなり、おしりをおさえて走り出した。
「おしりにあたったようでござるな」
さむらいたちから、はくしゅがおこる。
「さすが、ひめさま」
「せっしゃたちでは、あたっていませんぞ」
そのあとすぐに、「おしろ」から「しゃちほこ」が届いた。「おしろ」の一番上の屋根にかざっていた「しゃちほこ」だ。屋根の右と左で、合わせて二つ。
おとのさまとおひめさまの前まで、忍者大将が二つの「しゃちほこ」をはこんでくる。
もともとは金色で、きらきら輝いていたのに、今はそうじゃない。
ずっと外に置いていたので、かなりよごれていた。
それを見て、おひめさまが言う。
「きたなーい」
この二つの「しゃちほこ」を、これから忍者大将が、かっこよくきれいにするらしい。
突然、おひめさまの方に忍者が走ってくる。
忍者は両手にそれぞれ、桶を持っていた。
桶の中に入っているのは・・・金色の「ペンキ」!




