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異世界公務員のぼやき節  作者: 於田縫紀
ケース2 教育委員会教育相談第二課出向中の副主査の場合 ~異世界転生編

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その4 もしも神がいるのなら

 彼が帰った後、半スルザン(1時間)かけて報告書を作成。

 上司の主査に決裁に上げる。


「即死魔法の初歩段階が認められたが、暗示で使用不能にしたか」


「ええ。そんな危ない魔法を持ってうろつかれたら困りますから」


 女神うんぬんの話は別として、彼は確かに特殊能力というか魔法を持っていた。

 その名も即死魔法。

 発動させると対象が即死してしまうという物騒な魔法である。


「幸いレベルが低かったので、暗示で使用不能にする事が出来ましたけれどね。レベル差で私には効かないとわかっていましたが、それでも結構ひやひやものでしたよ」


「ご苦労だった。この報告書は私が上に上げておこう」


 めでたく今日の俺の仕事はおしまいとなる。

 それにしても俺にはわからない事だらけだ。


 異能持ちを自称する連中は何故女神に能力を授かったと思うのだろう。

 女神なんて存在が仮にいたとしてもだ。

 なぜ女神がそんな事を何の縁も無い個人に能力を授けると思えるのだろう。


 さっきの少年もそうだ。

 神が簡単に能力を与えられるなら、女の子を助けるなんてのも簡単だろう。

 その女の子ではなく別の人にその未来の運命を代行させるのも可能な筈だ。


 だいたい神が一人一人の人間に関与しまくったりするのだろうか。

 俺はもしそんな存在がいたとしてもそんな細かく面倒な事はしないと思う。


 神が操作をするならもっとマクロな操作をするだろう。

 人間全体の趣向や思考を変化させるように。

 研究者がシャーレで細菌を培養する時のように。


 細菌は研究する人間の意志等理解できない。

 神がいたとしても、それはきっと人間が理解できないものだと思うのだ。

 俺個人の考えとしては。

 まあそれ以前に神の存在自体も信じていないけれど。


 でもさっきの少年の件、あれは訴え出て来て結果的には良かったかもしれない。

 即死魔法持ちが好き勝手に魔法を使ったら世の中世紀末だ。

 ここは無法地帯ではない。

 人と人の関連性で築いている社会なのだから。


「トール係長、明日も面談入りました」


 事務担当のハッツミーさんからそんな悪魔の連絡が入る。


「参考までにどんな相手だ?」


「女神から勇者だとお告げを聞いたという中学生です。他人の家の箪笥等を物色しているところを逮捕されたのですが、『勇者の当然の権利だ』と言っているそうです。

 今回は警察からなので録画・録音が入って、書類も所見と処分意見が必要になります」


 ああ、また面倒なのが……

 何かがっくりくる。


「何なら異動希望届を書きますか」


「いい。何処へ行っても同じような気がしてきた」


 胃薬をペットボトルの水で流し込む。

 頼むもう勘弁してくれ。

 勇者とか世界を救うとかもう充分だ。


 何も無いのに自分だけが特別なんて事はまずもって絶対無いんだぞ。

 そんな都合のいいチートがあったら誰でも英雄で大金持ちでハーレム万歳だ。

 そこんところよーく考えてくれ。

 お願いだ、頼む!


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