表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/195

『湯けむりの向こう、ほんとの気持ち』

「それでは、素直な気持ちをぶっちゃけトーク! トップバッターは……不知火夜々さん、お願いしま〜す♡」


神代マネのアナウンスが湯けむりの上から響く。

風呂縁に肘をついていた夜々は、ふぅ、とひと息ついてから、

コウの方をちらと見た。


「――コウくん。あなたって、本当に罪な男ね」


「え? えぇっ!? ご、ごめんなさい何かしました!?」


「ふふ、謝らなくていいのよ。……だって、あなたは本気で“誰にでも優しい”んですもの」


その言葉には、冗談とも、本音ともつかない響きがあった。

夜々はゆるく笑って、湯の中で脚を組み替える。


「そういうところに……女って、弱いのよ」


「夜々さん……」


「ま、私のターンはこれでおしまい。次、どうぞ?」


スッと退く夜々の姿が妙にかっこよくて、誰も何も言えなかった。


「はいっ、じゃあ真白みなとちゃーん、お願いしまーす!」


「……えっ、うぅぅ……じゃあ、少しだけ」


みなとは、タオルを胸元ぎゅっと握りしめて小さくうなずく。


「……私は、コウくんの“声”が、最初のきっかけだった」


「え?」


「でも、声だけじゃなかった。配信で、現場で、みんなの前で……いつも誰かのために言葉を選ぶ、そのやさしさが……ずっと、羨ましくて、あったかくて……」


「みなとちゃん……」


「――ずるいよ。そばにいたら、好きになっちゃうよ」


ぽつりと、それだけを言って、

彼女はそっと湯に沈んだ。


「じゃあじゃあ! つぎ、メグー!!」


「了解っ! 行くぜぇぇええええ!!」


ひときわ元気な掛け声とともに立ち上がったのは、葛城メグ。

案の定、バスタオルがはらりとズレ――


「ストーーーップ!!!」


全員の全力ストップで事なきを得た。


「ちょ、ちょっと! 見えてないよね!? いまの!」


「もうちょっとで見えるとこだったから落ち着けぇぇぇえ!!」


「……よし、気合入れ直して! あたし、こう見えてもガチなんだよ」


「ガチ……?」


「うん、コウくんのこと、本気で好きになっちゃった。

イケボとか、イケメンとか、関係ない。ちゃんと向き合ってくれてるって思えるから……

だから、他の子に負けたくない。ほんとの気持ち、伝えたいんだよ!」


まっすぐな言葉に、場が少し温まった。

文字通り湯気も立ってるけど。


「じゃあ、次は……天城ひよりちゃん、どうぞ〜!」


「わ、わたし!?」


ひよりは顔を真っ赤にして、ぷるぷる震えながらも、少し前へ出た。


「えっと……コウ、お兄ちゃん。昨日の夜、一緒にいられて……うれしかった」


「ひより……」


「でも、それで終わりじゃないの。わたしは、ずっと一緒にいたい。

みんなと笑って、泣いて、それでも……お兄ちゃんのいちばん近くにいたい」


「……」


「だから……この気持ちは、誰にも負けない。ずっと、信じてる」


彼女の頬を伝った涙が、湯けむりの中で光る。

湯船が、しん……と静まった。


「……」


「えっ、るる? 次、だよ?」


「あっ、はいっ……えっと、るる、ですっ!」


小さな体でちょこんと前に出ると、るるは胸元で手をぎゅっと握った。


「るるは……みんなみたいにキラキラしてないし、お姉さんたちみたいに色っぽくもないし……

でも! コウくんに会えて、るる、すっごく変われたんです!」


「変わった、って?」


「自分の声、配信、好きって思えたの。勇気出して、もっと頑張ろうって思ったの……だから……!」


一歩、足を出して――


「るるも、好きですっ! コウくんのことっ!」


湯けむりの中、誰もが言葉を失った。


――全員が、素直になった。

だからこそ、最後に笑えるように。


「はーいっ! みなさま、ありがとうございましたぁーっ!

これにて“湯けむりイベント”は終了ですっ! バスタオル、忘れないようにね〜!!」


神代マネの音頭で、イベントは一応の終幕を迎えたが――

その心に火が灯った乙女たちは、まだまだ終わってなどいなかった。


「……まだ、負けてないよ」


「そ、そーだよね!? これからだよね!」


「……次は、ぜったい、勝つからね」


「うふふ……その意気よ。もっと火傷しそうな恋、していきましょ?」


混浴の湯気が晴れるころ――

それぞれの想いも、少しだけ形になっていた。


そして、主人公コウの目の前に広がるのは――

**“全員好きになってしまったかもしれない”**という、前代未聞の沼だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ