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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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『おでこに落ちた、いちばんやさしい魔法』

ベッドの上。

ほんの数センチもない距離で、ひよりはお兄ちゃんの目を見つめていた。


(……キス、って言った。私に……)


心臓の鼓動が、柔らかな掛け布団の下でも響いている気がした。

今まで何度も一緒に寝たことはある。

でも、今夜だけはちがう。

ふたりとも、その意味をちゃんと知って、同じ気持ちでここにいる。


「……じゃあ、するぞ」


お兄ちゃんが言って、顔を近づける。

ひよりはそっと目を閉じた。


だけど――。

そのぬくもりが落ちてきたのは、唇じゃなくて――おでこだった。


「……んっ」


ほんの一秒。

でも、そのやさしさは、胸の奥までまっすぐに届いた。


「お兄ちゃん……」


「今夜は、それで勘弁な。……ひよりがちゃんと、大切に思ってるってわかったから」


その声が、どうしようもなく愛しくて、

ひよりは思わず笑ってしまった。


「……ずるい。そう言われたら、もっとほしくなっちゃうのに」


「また今度な。ひよりが、ちゃんと大人になったら――そのときは、俺のほうから」


「……約束だよ?」


「……ああ。絶対」


約束。

その言葉が、指先よりも深く、心に絡みつく。


ぴたりとくっついた身体。

お兄ちゃんの腕が、そっと自分の背中に回されて、柔らかく包み込まれる。


ひよりは、そこに頭を預けた。


「……お兄ちゃんの匂い、する」


「そりゃ毎日一緒に住んでるからな」


「ちがうの。今日のお兄ちゃんは、ちょっとだけ特別な匂いがするの……なんか、あったかい夢に入れそうな」


「……それならよかった」


言葉少なに微笑んでくれるその声が、なによりも心地よかった。

ぬくもりの中で、まぶたが少しずつ重くなっていく。


「お兄ちゃん……?」


「ん?」


「ずっと一緒にいようね……あのとき、ひよりが頑張ったから今日があるんだって、そう思えるように……」


「……ひよりが頑張らなくても、俺はちゃんと見てるよ」


「……うん」


小さな吐息が、胸元に落ちる。

そしてそのまま、眠りへと沈んでいった。


お兄ちゃんの腕の中で、夢のような夜のぬくもりに包まれて――

少女は、いちばんやさしい魔法に、そっと身を委ねた。

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