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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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『湯けむりの下、好きが零れ落ちる』

湯けむりの中。

星を映すような薄い蒼の湯面に、ふたりの影がゆらりと揺れる。


ひよりは湯船の端にちょこんと座り、バスタオルをきゅっと胸元で押さえていた。

目の前には、コウ――お兄ちゃんがいる。


「ふぅ……いいお湯だな」


「……うん。ちょっと、熱いくらい」


湯気に紛れて、頬の赤みが隠れてくれているのがありがたかった。

心臓の音は、きっと隠せていないけど。


コウは、ひよりと向き合う距離で湯に肩まで浸かり、湯の表面をゆっくり撫でるように動かしている。


「ひより、卓球……すごかったな。あれ、本気だったんだろ?」


「……うん。ずっと、がんばってきたの。お兄ちゃんに……勝ち取りたくて」


「ん?」


「……ごほうび、って言ってたじゃん。

あれ、私にとっては……“好きな人と一緒に過ごせる時間”だったから……」


静かに、でも熱を帯びた声だった。


ひよりの指先がそっと水面をすくう。

そこに反射するコウの横顔を見つめながら、唇が震える。


「今日の温泉も、星空散歩も、添い寝も――全部、本気でほしかったの。お兄ちゃんと一緒に、いたかったの」


「……ひより」


「お兄ちゃんが誰かと仲良くしてるの、見てるとね……胸がぎゅってなる。苦しくて、でも、どうしようもなくて……っ」


彼女の声が、湯気に溶ける。


「でも……それでも、好きなんだよ。ずっと……ずっと前から」


その瞬間――。


つるっ。


「わ、わぁっ……!」


滑った。

慌てて湯船の縁をつかんだひよりの身体が、大きく傾く――


「っと、危ないっ!」


コウが反射的に手を伸ばした。


バシャッ。


しぶきと共に、ひよりは彼の腕の中に――

バスタオルが、ぐしゃっと崩れ落ちた。


「ひより、しっかりつかまれ――って、あ――」


コウの腕の中で、タオルを落としたままのひよりが、ぽかんと見上げていた。

白くやわらかな肌が月光に濡れて、湯気の向こうにぼんやりと浮かび上がる。


「ひっ……!? きゃっ……!」


慌てて湯の中へ身を沈める。


「ご、ごめん!見てない、っていうか、その、今のは事故で――」


「見てないって言わないでよぉっ……!」


「えっ、えええっ!?」


「ちょっとくらい見てくれても……今日は、いいって……思ってたのに……っ」


言ってから、顔を真っ赤に染めて湯に沈んでいくひより。

しばらく、二人の間に気まずくも甘い沈黙が流れた――


* * *


湯上がり。

月が高く昇る中、ふたりは手をつないで星空散歩へ出た。

ひよりは“星柄”のワンピース風パジャマに着替え、髪も丁寧に乾かしていた。


「……さっきは、その、ごめん」


「いいの。恥ずかしかったけど……本音、言えたから」


芝生の広場、人工的に照明を落とした場所。

手すりにもたれながら、コウがぽつりと言った。


「ひよりが、俺のことそんな風に思ってたなんて、正直……ちょっと驚いた」


「え、鈍感……」


「でも、嬉しかった。……ありがとう」


手の温もりが強くなる。


「今夜だけじゃなくて、これからも、ずっと大事にしたいって思ってる。ひよりのこと」


「……うん」


その言葉だけで、心も体もあたたかくなった。

星が、ひときわ大きく瞬いた。


* * *


そして――深夜。

ひよりの部屋。


「お兄ちゃん、入って……」


ドアの先で待っていたコウを、ひよりが迎え入れる。

ベッドには、ぬいぐるみと、ミニクッション、

そしてふたりぶんの枕が、並んでいた。


「……一緒に、寝よ?」


「……ああ」


ベッドのシーツに、ぴたりと寄り添って横になる。

ふわふわのルームウェアから伸びる細い腕が、そっとコウの胸元に絡みつく。


「好き……」


その言葉と共に、額を寄せる。


「ひより……」


ふたりの距離が、もう指先の幅さえないほどに近づく。


頬が触れる。

額が触れる。

――唇は、まだ触れない。


でも、目を閉じたひよりの吐息は、明らかにそれを待っていた。


「今夜、キスしても……いい?」


「……うん」


コウの手が、そっとひよりの頬を包み――

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