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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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『乱れる浴衣と、秘めた想いと、白熱のラブゲーム』②

「決勝戦、はじまるよ〜っ!!」


神代カオルの実況が大広間に響く。


勝ち上がったのは――

高校一年生にして、すべてのヒロインを圧倒した“運動神経おばけ”こと、天城ひより。

そして、小柄な体で回転サーブとフットワークを駆使して快進撃を続けた、“小さな天才”こと、白瀬るる。


浴衣姿のふたりが、卓球台をはさんで向き合う。


「るるちゃん、手加減しないからね」


「うん……っ、るるも、全力でがんばります!」


そう言って小さくお辞儀をしたるるは、ほんのり赤く染まった頬を押さえながら続けた。


「でも……勝っても負けても、今日がすごく楽しかったです。ひよりさん、ありがとう」


その笑顔に、ひよりは胸がチクリと痛んだ。


(……優しくて、いい子。なのに、私、勝ちたいって思っちゃってる)


(だって……この賞品は、“お兄ちゃんと過ごす時間”なんだもん――!)


* * *


「では、ファーストサービス……ひよりさんから!」


「……いくよっ!」


――カンッ!


スタートの合図と共に、ラリーが始まった。


「ふんっ」


「……えいっ」


パコン、パコン――心地よい打球音が響くたびに、浴衣の袖がひらりと舞い、髪がふわりと揺れる。

ひよりは力強く、るるは軽やかに。

性格も、スタイルも、何もかも違うふたりが、今だけは“想い”を同じにして向き合っていた。


「すごい……っ、るるちゃん、こんなに返してくるなんて」


「ひよりさんも、すっごく速いですっ!」


お互いの打球を見つめ、受け止め、応じ合う。

息が切れても、袖がはだけても――二人の表情は真剣そのもの。


(でも、私は……負けられないのっ)


そう思って、ひよりがスマッシュ体勢に入った、その時――


「がんばって、ひより!」


「っ……!」


コウの声が、観客席から響いた。


(お兄ちゃん……見てくれてる……っ!)


よし、これで決める――!

そう握ったラケットを、次の瞬間、ふっと緩めた。


「――がんばって、るるちゃん!」


別の声が響いた。

今度は、コウの声が――るるに向けられた声が。


「……っ!!」


「……あ、ありがとう、ございます……!」


笑顔を浮かべたるるの頬が、少しだけ赤くなる。


(あ……そっか、るるちゃんも……お兄ちゃんのこと、好き……なんだ)


(私だけじゃ、ない)


(でも……)


ひよりの胸の奥が、きゅっと締めつけられる。


(それでも、譲れない)


(この一戦だけは、どうしても、譲れないっ……!!)


「はあぁぁぁっっっっっっっっっ!!」


気合と共に打ち込んだ、渾身のスマッシュ。

回転をかけた打球が台に突き刺さり、るるのラケットのわずか手前で、くるりと軌道を変えた。


「きゃっ……!」


るるの小さな手が空を切る。


「――決まったぁぁああああああっ!!!」


「優勝は……天城ひより選手っっ!!」


大広間がどよめきと拍手に包まれる中――

ひよりはラケットをぎゅっと抱きしめたまま、震える声でぽつりとつぶやいた。


「やった……」


「……勝った、んだ……私……」


その場にへたりこみ、視界がにじんだ。


「やっと……お兄ちゃんと、ふたりになれる……」


ぽろぽろとこぼれる涙を、袖で拭いながら、

「本当にやったんだ」「これからが大事」「みんなも同じ気持ちなんだよね」

――そんな言葉が心の中でこだまする。


でも今は、勝った者だけに与えられる“特別な時間”。

ずっと胸にしまっていた“願い”が、ほんの少しだけ、現実に近づいた。


そのひよりの肩に、そっとコウが手を置いた。


「……よくがんばったな、ひより」


「う……うん……」


「泣くほどのことか?」


「うん……大事なことだったから……」


ぽつりとそう答えたひよりの目は、すでに次の夢を見つめていた。

それは――深夜の混浴、水着なんてない、星空の下でふたりきりの、

長い、長い夜の物語だった。

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