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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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『泡の中に、ふたりきりの温度』ご褒美タイム:みなと編

「……来てくれて、ありがと」


朝食を終えたばかりの旅館の廊下で、みなとはバスタオルを羽織ったまま、そっとコウに視線を向けた。


濡れた髪をひとつに結び、ゆるめのTシャツの下には――

昨夜ひとりで悩みに悩んで選んだ、“泡映え”する水着が隠されていた。


「うん。みなとが誘ってくれるの、ちょっと意外だったから」


「……そっか。私、そう見えるよね」


歩き出しながら、みなとはそっとつぶやいた。


「私、いつもクールぶってるけど……内心、ずっと焦ってた」


「焦ってた?」


「うん。……コウって、すごい優しいじゃん。みんなに」


「そ、それはまあ……」


「だから、たまに不安になるの。私は……その“みんな”の中のひとりなのかなって」


ぽつりとこぼれた言葉が、廊下の木目に溶け込んでいく。

けれどそれは、彼女がずっと胸に秘めていた、本当の想いだった。


「でも、今日くらいは、“特別”になりたくて……泡風呂って、距離近いし……だから、勝負、かけてみる」


* * *


貸切のジャグジー風呂。

湯気が立ちこめる空間には、ふたりの呼吸と泡の音だけが静かに響いていた。


「じゃ、じゃあ……入るね?」


みなとはバスタオルを外し、そっと湯の中へ身を沈める。

ボリュームのある髪が肩に沿って流れ、泡の中からほんのり肌が覗いた。


「……かわいっ」


「えっ?」


「いや、なんでも」


「今、“かわいい”って言った?」


「……ちょっとだけ」


「っ……もう、そういうとこ、ほんとにずるいんだから」


そう言って、みなとはぷくっと頬を膨らませた――かと思えば、

次の瞬間、湯の中から泡をすくって、コウの胸元にふわっと乗せた。


「泡、つけた。これでおあいこ」


「いや、なにそれ!? おあいこになってないし!」


ふたりして笑い合ったそのとき――

突然、湯の底のジェットが強く吹き出し、泡の勢いが増す。


「きゃっ!?」


「うわっ……!」


次の瞬間、泡に足を取られたみなとが、バランスを崩してコウの胸に倒れ込む。

ぬるりとした肌の感触が、Tシャツ越しにダイレクトに伝わって――


「っっっっっ!!」


(やば……っ、これ、今、完全に――!)


「……ねえ、コウ。今の、“事故”ってことにしてもいい?」


「い、いいけど……って、え?」


「だって、もし“わざと”って言ったら、ちょっと引くでしょ?」


みなとの顔は真っ赤だった。

けれどその瞳は、泡の中でもしっかりとコウを見ていた。


「……泡の中、ぜんぶ見えてるわけじゃないけどさ」


「……?」


「それでも、“見られてるかも”って思うと、変な気持ちになる」


「変な気持ち?」


「……うん。あったかくて、くすぐったくて、でも、嫌じゃなくて」


小さく息を吐いたみなとは、そっとコウの胸に額を押しつけた。


「ねぇ……好きって、こういうのだよね?」


「……そう、かもしれない」


「……じゃあ、今だけは、“コウの特別”になっていい?」


コウが頷くと、みなとは、そっと耳元で囁いた。


「ほんとは……もうちょっとだけ、こうしてたい」


「……いいよ。ずっとでも、いいよ」


「……やばい。私、また泡の中で泣きそうかも」


湯気の奥、ふたりの影は、くっついたまま、しばらく動かなかった。


泡が弾ける音だけが、その温かな空間に、優しく響き続けていた――。

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