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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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【二日目】『“妹”じゃないって、気づいてほしいの』 ご褒美タイム:ひより編

空がまだ薄桃色に染まり始める頃――

ひよりは、すでにロビーの前でそわそわと待っていた。


「……お兄ちゃん、ちゃんと起きてくれるって信じてたけど……」


そう呟いたとき、玄関の引き戸が静かに開いた。


「おはよう、ひより。……早いな」


その声に、ひよりはぱっと顔を上げた。

朝の光に照らされたお兄ちゃん――天城コウの姿は、なんだか少し眠たげで、それでも優しい笑顔を浮かべていた。


「っ……うん、おはようっ!」


彼に見せるために選んだ、新しい水着の上に、白いパーカーを羽織っていた。

――胸元のリボン。

――お腹が少しだけ見える絶妙な丈。

――昨日一晩悩んで決めた、“一歩だけ”背伸びしたデザイン。


けれど、その胸の内は緊張と期待でいっぱいだった。


「ね……ちょっとだけ、ふたりで散歩しよ?」


「うん、いいよ」


ふたりは並んで、旅館の裏に広がる渓流沿いの遊歩道を歩いた。

澄んだ空気と、川のせせらぎ。

時折足元に咲く名も知らぬ花に目を止めながら、ひよりはゆっくりと口を開いた。


「ねえ、お兄ちゃん」


「ん?」


「私のこと……“妹”って、いつまで思うの?」


コウが立ち止まる。

ひよりも足を止めて、振り返った。


「もちろん、血がつながってないのは知ってるし……でも、家ではずっと“妹”として接してきたよな」


「……うん。でも、私は……」


ほんの少し震える指先で、パーカーのジッパーに手をかける。


「今日は、“妹じゃない”って思ってもらいたいの。――そう思って、この水着、選んだの」


パーカーのジッパーが、静かに下ろされていく。

現れたのは、ひよりの選んだ淡いブルーのフリルビキニ。

胸元にはひとつのリボン、腰には小さな飾り紐。

どこか子供っぽさを残しながらも、確かに“女の子らしさ”を強調したデザインだった。


「……どうかな。変じゃない?」


「……すごく、似合ってる。びっくりした。……可愛いよ」


その言葉に、ひよりは顔をぱっと赤く染めて、視線を逸らした。


「……も、もうっ、そういうこと簡単に言わないでよ……!」


「えっ、今のダメ?」


「ダメじゃないけど……聞いたら、期待しちゃうじゃん……」


ぽつりとこぼれた本音が、ふたりの間の空気を静かに染めていく。


「ね、お兄ちゃん。お風呂……いこ? 水着混浴。ふたりで、入ろ?」


コウが頷くと、ひよりは小さく息を吸って、再び歩き出した。


* * *


貸切の露天ジャグジー風呂。

水着着用エリアとはいえ、ふたりきりの空間に響くのは湯の音と、心臓の鼓動だけだった。


「……うわ、ほんとに泡がいっぱい……」


ひよりはバシャッとお湯をすくいながら、湯船に足を入れた。

そのまま静かに身体を沈め、泡の下からちらりとこちらを見上げる。


「こ、こっち、来て……?」


照れたように差し出された手に、コウが手を重ねると、

一瞬のぬるりとした感触が、ふたりの身体を繋いだ。


「ひゃっ……っ! も、もしかして……手、滑った?」


「ご、ごめん、泡で足が……!」


バランスを崩したコウが、反射的に彼女の肩に手を置く。


「ちょ、ちょっと! 今っ……お腹、当たってる……!」


「えっ!? わ、わざとじゃなくてっ!」


「も、もう……っ、でも……」


ひよりは恥ずかしそうにしながらも、ふっと笑った。


「こういうの、なんか……嬉しい」


「えっ?」


「私、ずっと思ってたの。“お兄ちゃん”と“女の子”として、こういう時間がほしいって。好きな人と、ぎゅってして、どきどきして、お湯の中で……」


湯気に包まれたその顔は、ほんのり上気していた。

目を伏せながら、ひよりはそっと言葉を重ねる。


「……私ね、今、一番幸せかもしれない」


「ひより……」


「でもね、これで満足とかじゃないの。これからもっと、がんばる。お兄ちゃんが“私のことだけ”見てくれるように」


湯の中で、ふたりの手が重なった。


「だから……今日はありがとう。ちゃんと、私のこと、女の子って見てくれて」


そう囁いたひよりは、コウの肩にそっと寄りかかる。


「……お兄ちゃんの心臓の音、好き。落ち着く。……でも、もうちょっとだけ、速くなってくれてもいいんだよ?」


「……もう十分速いよ」


「……ふふっ。やったぁ」


そう言って目を閉じた彼女の笑顔は、

どんな朝日よりもまぶしくて、

誰よりも、確かに――“恋する女の子”だった。

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