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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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【出発前夜】ー葛城メグの場合ー

「よしっ……! 勝負は、浴衣だよね!!」


自室のベッドに浴衣を広げた葛城メグは、ひとりでうんうん頷いていた。

真っ赤なチェック柄のパジャマのまま、鏡の前で何度も浴衣を羽織っては外す、羽織っては外す……を繰り返している。


「襟の抜き方は……ちょっと大人っぽく……で、帯は、可愛くキュッと! うん、うん、これなら――」


だがその次の瞬間、彼女は自分の言葉に顔を真っ赤にして崩れ落ちる。


「――って、下着つけてないじゃん自分ぅぅうぅ!!」


そう、浴衣の下に“何もつけない”のが今日のメグの“作戦”だった。


(だってさ。だって……!)


心の中で、思い描くのは――

温泉宿の廊下。

浴衣姿の自分が、ふと風ですそをはためかせたとき――

偶然コウの視線がそこに向いて――


「……メ、メグ!? まさか、その……っ」


『うん……つけてない、の。見ちゃったなら、責任とって……』


「ひゃぁあああああああああああっっ!!」


妄想の自爆炸裂。

メグはベッドに顔を埋めて、しばらくのたうちまわった。


(ああもう何考えてんの私! でもっ、でも!)


この旅行はチャンスだった。

まだ“見習い”の身で、コウとの接点もそんなに多くない。

でもだからこそ、「推しに恋する自分」が“推される側”になるための大一番――!


「告白しよう……っ! 絶対、浴衣で告白するっ!」


勢いのままに立ち上がり、ポーズを決める。

だが、すぐに不安が押し寄せる。


(でも……私なんかが、言っていいの? 夜々さんとか、ひよりちゃんとか、すっごい近そうだし……)


一瞬、自信を失いかけるその表情に、影が落ちる――


けれど。


「……違う。私が“推される側”にならなきゃ、いつまでたっても、届かないんだ」


握った拳に力が入る。


「やる。やるったらやる! 下着も脱ぐし、浴衣も着るし、告白もするっ!」


どこまでも前向きな暴走モード。

キャリーケースに畳んだ浴衣と、温泉用のタオル、そして――「つけない予定」の下着を、あえてきっちり畳んで入れる。


(……一応持ってくだけ……ね?)


そのあとの動きは早かった。

ヘアアイロンで前髪を整え、まつげ美容液を塗り、リップも三種類比較してどれを持っていくか決めて――


「ふぅ……よしっ、明日は“推し落とし大作戦”の初日。メグ、いっきまーす!」


自室の明かりがパチンと消える。

ふかふかの布団に包まれながら、メグの妄想はまだ止まらない。


(夜の廊下でふたりきり、コウが「メグ、眠れないの?」って聞いてきて……)

(そこから浴衣のすそが、ふわって……で、見えちゃって――)


「~~~っ! むりぃぃ! でも、やるぅうぅ!」


枕に顔を押しつけ、全力で悶えるメグ。

その頬は真っ赤で、でも笑顔で――


明日の「告白劇場」にすべてを賭けて、夢の中でも“推し”に一直線だった。

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