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イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第11章 ドキ❤️ドキ❤️温泉慰安旅行!ポロリと恋と混浴と!?

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【出発前夜】ー真白みなとの場合ー

(……ダメ、なんだけどなぁ。こんな妄想してる場合じゃ……)


夜の部屋。

真白みなとはベッドの上で横になったまま、天井を見つめていた。

大きなキャリーケースはすでに半分ほど詰め終わっている。けれど、最後の「選抜」が、どうしても決められなかった。


(温泉……サウナ……ジャグジー……水着エリア……混浴はない……ない、よね?)


スマホに表示された旅館のホームページをスクロールする指が止まる。

そこには《ジャグジー付き貸切風呂》《サウナ完備》《天然露天風呂でリフレッシュ》の文字。


(やっぱり……水……水じゃん)


喉の奥がきゅうっと鳴る。

そう、みなとは“水”に弱い。

冷たくても熱くても、濡れることに極端に敏感だった。

――それは感覚として。

――そして、情緒として。


(ダメダメ、大学生にもなって……そんなふうに興奮するとか、変態じゃん……)


頬に手を当てて、深呼吸をする。

けれど頭の中では、もう始まってしまっていた。


――湯気。

――濡れた髪。

――浴衣のすそがするりとずれて、足が覗く。


そして、その視線の先には、あの人がいて――


「……レイ」


思わず名前を口にしてしまい、みなとは顔を両手で覆った。


(うぅぅ……自分、きもい……)


レイこと、天城コウ。

同じ大学に通う、ちょっと天然で、でも底なしに優しくて――あの声が、ずるいくらいに好き。

そして、いまだに「そういう目で見られてない」ことが悔しくて、寂しくて。

だから、今回の旅行は――チャンスだった。


(うん、作戦は決めてる。“無防備”で勝負する。それしかない)


クローゼットを開き、着ていくルームウェアを選ぶ。

選んだのは、胸元がゆるく、裾も短い“ゆるふわニットワンピ”。

お風呂上がりにそれを着て、髪をゆるく束ねて、「……暑いね」って言うだけで――


(こっち見てくれるかな。見て、くれるよね……?)


パーカーの中に忍ばせる水着も、いつもより攻めたデザインにした。

お腹がチラ見えするタンキニ。

本人曰く“実用的デザイン”だが、色味はコウの好きそうな“青”。


「……変じゃないかな」


鏡に映る自分を見つめながら、みなとはそっと口元をなぞる。

淡いリップグロスを塗ってみる。

たったそれだけで、“自分が女の子”だって、強く実感する。


(……好き、なんだよ)


自分でそう思った瞬間、胸の奥が熱くなった。

この想いを伝える勇気は、まだ持てない。

だけど――濡れて、隣にいて、触れたら、きっと。


「……ちょっと、だけ」


キャリーケースに水着を入れながら、みなとはそっとポーチの中身を確認する。

そこには、小さな防水ポーチと、ボディオイルと、普段は使わない香水。

どれも「彼と一緒に濡れる」ことを、想定した準備。


(もし、ジャグジーでふたりきりになれたら――)


泡の向こう、ぬるく温かい水の中。

肌と肌が、溶けるように近づいて――

「好きって、言っても……いい、かな?」


思わず、ベッドの上でうずくまってしまう。


「~~~~っ! ダメっ、妄想しすぎ……!」


けれど、その顔は、どこか幸せそうだった。


クールな仮面の奥で燃える想いは、明日こそきっと“声”になる。

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