表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について  作者: のびろう。
第7章《るる☆るん!》の初恋研究レポート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/195

『恋って……なに?――るる☆るん、真剣考察中!』

「……はぁぁぁああ~~~~~っ」


パステルピンクのベッドに、うさぎクッションを抱きしめながら、思いっきりため息をついた。


部屋には、今日の原宿でもらったショップ袋が、ぽんぽんと転がっている。

スマホの画面は真っ暗。でも、通知ランプだけが、静かにまたたいてる。


(……なんで、あんなにドキドキするの?)


顔が、まだ熱い。胸の中が、ふわふわして落ち着かない。


楽しかったはずなのに――なのに、今のこの気持ちは、ちょっと違う。

スイーツを食べたあとの幸せとか、配信がうまくいった達成感とかじゃない。


“レイ”としてじゃなく、“コウさん”として接してくれた声。

あの低くて優しいトーンが、ずっと頭に残ってて。


(しかも、かっこよすぎた……)


一人で悶えていると、スマホの通知が一瞬光った。


《コウさん:今日はありがとう。機材の件、ちゃんと復旧できた?》


「……きたっ!!」


わたしは勢いよく起き上がって、即返信。


《るる:ばっちりですっ!!ほんとに助かりました……!今日の映像、神回になりそうです✨》


数秒後に返ってきた返信。


《コウさん:それはよかった。るるちゃん、ほんと頑張ってたね。構成もしっかりしてたし、コメントの間も上手いと思ったよ》


(やばっ……褒められた……っ!!)


また、心臓が跳ねる。

なにこれ……褒められただけなのに、呼吸が浅くなるってどういう現象……?


《るる:えへへ……そう言ってもらえると、ちょっと自信出ます》


すると、コウさんの方から提案が。


《コウさん:少しだけ通話、できる?打ち合わせ兼ねて、軽く話そう》


「…………っっ!!」


スマホを抱きしめながら、思いっきりベッドに突っ伏した。

声が、聞ける。あの、あの声が。


「し、心の準備っ……心の準備が……!」


慌てて、ヘッドセットをつける。

ディスコードの通話ボタンを押す指が、ふるふる震えてる。


――ピッ。


「……るるちゃん、聞こえる?」


「……っ、はいっ……ばっちり聞こえてますっ!」


声が、耳に届いた瞬間――


世界が、変わった。


脳の奥がじんってして、心臓が跳ねて、呼吸が止まりそうになる。

耳から入ってきた声が、直接胸の中心をノックしてきたみたいに。


(な、なにこれ……やば……本気で、やばい)


「よかった。緊張してた?」


「ちょ、ちょっとだけ……その、コウさんの声、めっちゃ落ち着くから……」


「そう言ってもらえると嬉しいな。じゃあ、本題いこうか」


そこからは、配信の構成の話とか、どんな風にファンと接してるかとか、結構まじめな内容だった。


でも、どんなに話してても――

コウさんの声だけは、わたしの心をずっとドクドク揺らしてて。


(こんなに、誰かの“声”で、気持ちが動くなんて……)


気づけばもう30分以上話していた。

名残惜しいけど、そろそろ終わりの時間。


「じゃ、今日はこのへんで。明日また連絡するね」


「……はいっ。今日は、ありがとうございました。すごく、楽しかったです……!」


「こっちこそ。おやすみ、るるちゃん」


「お、おやすみなさい……っ」


通話が切れた瞬間、わたしはもう、うわあああああってベッドに飛び込んだ。


「………………恋、かも………………いや、これは恋だ……!」


はじめての感情に、頭の中が爆発しそうになる。

理屈じゃ、全然整理できない。

天才って言われるこの脳みそが、まるで役に立たない。


「……やるしかない……分析だ。これはるる☆るん!の、れっきとした研究対象……!」


わたしは机に向かい、ノートを開いた。

表紙に大きく書いた。


《初恋研究ノート》


そして、最初の一文を、震える手で書きつけた。


『声を聞いただけで、心臓がきゅってなるのは、なぜ?』


その答えを探す旅が――いま、始まったんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ