強くなるために
肇は、教官に助一命をとりとめた。
病院のベッドの上で、彼はこの出来事を何度も何度も思い返していた。
「あの時、俺は何を思ったんだ?」
肇は、自分でも理解できない感情を抱えていた。
恐怖、絶望、そして、かすかな希望。
一週間後、肇たちは謹慎処分が終わり、再び訓練場に立った。
「今回の件は、俺が軽率な行動に出たせいで、みんなに迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ない。」
肇は、クラスメイトたちに頭を下げた…のではない。彼は、ただ黙って訓練に参加した。
「肇、大丈夫か?」
志賀が心配そうに声をかける。
「…ああ、大丈夫だ。」
肇は、淡々と答えた。
彼の心の中では、複雑な感情が渦巻いていた。
今回の事件で、彼は自分の弱さを思い知った。
そして、同時に、強くなるという新たな決意を胸に抱いていた。
「さて、みんな。今回の件で、自分たちがどれだけ未熟だったか思い知ったはずだ。ここからが本当の始まりだ。」
如月教官は、厳しくも温かい表情で告げる。
「はい!」
クラスメイトたちは、力強く返事をする。
肇たちは、以前よりも厳しくなった訓練に励んだ。
走る、跳ぶ、打つ。
そして、アーマーを装着し、模擬戦を繰り返す。
最初は、体も心も限界に近づき、何度も倒れそうになった。
しかし、クラスメイトたちと励まし合い、互いを高め合いながら、彼らは少しずつ成長していった。
「肇、お前、随分強くなったな。」
志賀が感心して言う。
「…ああ。」
肇は、無言で頷いた。
数ヶ月後、肇たちのシンクロ率は大きく向上していた。
中には、すでに平隊員のレベルに達している者もいた。
「みんな、よくやった。だが、まだまだ満足はできない。これからもっと強くなるんだ。」
如月教官は、そう告げる。
「はい!」
クラスメイトたちは、力強く返事をする。
肇たちは、これからも厳しい訓練を続けていく。
それは、ただ単に強くなるためだけではなく、自分たちの命を守り、仲間を守るためでもあった。
そして、いつか来るであろう、本当の戦いのために。