寒波襲来
最強寒波襲来、とゆーニュースで擬人化っぽいものを書いてみました。
相変わらず、色気もモエ要素もゼロで、推しキャラ不在です。
が、これもアリ、と思って……いただけるかしら。
このように強い冬型の気圧配置となり、記録的な寒気が流れ込んできます。
では、上空の様子を聞いてみましょう。
1,500mのゾンデさーん!
ゾンデ「はい、こちらゾンデです。まだ寒気さんは少ないようですが、お話を伺ってみようと思います」
はい、お願いします。
あ、っと。皆さん急いでおられるのか、なかなか立ち止まってもらえませんねぇ。
う~ん、またダメですか、あ!お話を聞けそうな方が見つかったようです!
ゾンデ「お忙しいところ、突然スミマセン。どちらまでいかれるんですか?」
寒気A「皆と同じく、南の方ですかね」
ゾンデ「目標の場所はあるんですか?」
寒気A「特にありませんけど…いつも極中心なんで、行けるところまでチャレンジしたいですね」
ゾンデ「そうですか、私も見習いたいチャレンジ精神です。お気をつけて!」
寒気A「ありがとう、初めての景色を楽しんでくるよ」
ゾンデ「はい!……チャレンジする人を見ると、こちらも元気もらえますね!」
そうですね、応援しちゃいますもんね。私も頑張りまーす!
ゾンデ「あ、他の寒気さんにも、伺ってみたいと思います。スミマセン、今回の南下で目標にしていることとか、ありますか?」
寒気B「私ですか?そうですね、雪雲ちゃんといっぱいお話出来たらいいな、と思ってます」
ゾンデ「わあ、ステキですね。これだけ多くの寒気さんがいれば、たくさん出会えそうですね」
寒気B「楽しみにしてるんですよ、気が合うと何時間でも盛り上がれますから」
ゾンデ「なるほど、相性良いですもんね、積雪の新記録が出ちゃうかもしれませんね」
寒気B「ですね、なるべく迷惑にならないトコロで盛り上がるようにします(汗)」
ゾンデ「期待しているトコロもありますよ」
色んな楽しみがあるんですね。寒気さん、ずいぶん増えてきましたが、まだお話、聞けそうですか?
ゾンデ「そうですね……スミマセン、少しお話よろしいですか?」
寒気C「はい」
ゾンデ「今回の南下で、どのように過ごされますか?」
寒気C「あの…特に、決めてないです」
ゾンデ「そうなんですね、南下は初めてですか?」
寒気C「3…、4回目かな。でも、いつも何となく行ってるだけで、別に目標とか無いんで」
ゾンデ「でも、南下が嫌なわけじゃないんですか?」
寒気C「好きとか、嫌いとかも、特には。寒気なんで、そんなものかな、としか…」
ゾンデ「目標や目的が、必ず必要って訳でも無いですもんね!良いと思います」
寒気C「そう、ですか?」
ゾンデ「はい、あるのも良いですけど、無いからと無理にこじつけるものでも無いと思います」
寒気C「ありがとう、ございます」
ゾンデ「まだ道中長いので、どうぞお気を付けて!」
素直な方でしたね、心が洗われました。流されて見えるものも確かにありますし、積み重ねて出る結果も大きいですもんね。
ゾンデ「まさに、寒気さん達は大自然の一部ですから。あ、あちらの方はどうでしょうか。スミマセン、お話聞かせてください」
寒気D「オレ?」
ゾンデ「はい、今回の南下について、寒気の皆さまにお話を伺ってます」
寒気D「ああ。オレは…環境を変えてみたかったから、この波に乗ってみたんだ」
ゾンデ「環境、ですか?」
寒気D「そう。ずっと当たり前みたいに極にいたけど、そこだけが寒気の場所じゃないのかな、って」
ゾンデ「では今回の南下は、あなたにとって視野を広げる旅ですか?」
寒気D「まぁ、大げさに言えばそうなるかな。オレだけじゃ心許ないから、いい機会だと思ってる」
ゾンデ「仲間との旅、ですね」
寒気D「そういうことかな。慣れた場所は安心するけど、他の世界も見てみたい」
ゾンデ「冒険は仲間がいる方が、心強いですもんね。ありがとうございます、お気をつけて」
若者たちの冒険、ロマンがありますね。きっと経験値もアップですよ。
うわあ、ずいぶんと寒気さん達、混みあってきましたね。
ゾンデ「そうですね、あとお一人くらいはお話を聞けるでしょうか」
ゾンデ「あの、少しお話よろしいでしょうか?」
寒気E「アラ、ゾンデちゃん?」
ゾンデ「あ、去年会った寒気さんですか?お久しぶりです!」
寒気E「ま~、アンタもまだマジメに観測やってんのね。エライわ」
ゾンデ「イエイエ、これが仕事ですから。それに、色んな方のお話を聞くのは勉強になります」
寒気E「相変わらず、仕事熱心だね」
ゾンデ「寒気さんこそ、南下するのはもう、今シーズンでもう3回目じゃないですか?」
寒気E「そうよ、もうハマっちゃって。今回は仲間も多いから、かなり遠くまで行けそうだし」
ゾンデ「その意気込みをお聞きしても?」
寒気E「意気込みなんてモンじゃないわよ。みんなで波に乗るのが楽しいじゃない?私たちは世界を巡る大気だもの、何度だって駆け回りたいわ」
ゾンデ「それは…スケールの大きな自由ですね」
寒気E「あはは、おかしな事を言うのね。大気が束縛される方が不自然じゃない」
ゾンデ「失礼しました。貴重なご意見、ありがとうございます。道中、お気をつけて!」
寒気E「ありがと、じゃあまたね!」
ゾンデ「はい、お元気で」
ゾンデ「様々なご意見をいただけました。寒気さんたちも益々活気づいてきたようで、気温もかなり低下し、間もなくマイナス10度に届きそうです。上空1500mからは、以上です」
はい、ゾンデさん寒い中ありがとうございます。引き続き、気を付けて観測をお願いします。
皆さまお住まいの地域でも、大雪や吹雪に対する備えを万全に。また、雪の降らない場所でも水道や路面の凍結などに注意が必要です。
燃料も高騰していますが、健康を優先に節約しすぎないよう温かくしてお過ごしください。
そして寒波さん、お楽しみを邪魔するつもりはありませんが、どうぞお手柔らかにお願いします。
最後までお付き合い、ありがとうございました。
いつもネタ出ししてから書くまで時間かかるんですが、今回はスグ形に出来て個人的には達成感がありました。
少しでも、気に入って下さったら嬉しいです。
災害に対する備えは大事です。大きな被害が無いことを祈ります。