第77話 フェリシアとオレリアの実戦
フェリシアもオレリアも魔法師として最上位に位置する力を持てるようになり、毎日の訓練に励んでいたところ、セモアのギルドマスターから指名依頼を受けてセモアに出没する海賊達の捕獲、壊滅を依頼された。
オレリアもフェリシアも仕事をしてくれて、50人以上の海賊達をギルドマスターのハロルドに突き出して多額の清算金を受け取った。
結婚式をあげてからあっという間に半月が過ぎ、アリシアの双子の妹もジュリアンもプロレジア帝国のギルドマスターとして帝国に戻って行った。
その間もフェリシア、オレリアの魔法訓練は毎日続き、二人ともイザベラ、イリーナ達に劣らない程度迄力がついてきた。
ジンは二人に実戦の経験を積ませてあげたいと考え、<タブレット>の【GOD】をクリックして『レンブラント王国で未踏破のダンジョン及び未知のダンジョンは?』と打ち込みenterキーをポチる。
未踏破のダンジョンがヘーベルの"流れ星のダンジョン"、タウンベルの"激流のダンジョン"、キャニングレードの"古代人の隠れ里"、王都の"異界の魔物の檻"があり、未知のダンジョンはキースの街から3キロ北に1箇所、5キロ東に1箇所、ルーバレーの南17キロに1箇所があると表示された。
ジンは朝食を終えた皆に「キースの街に行き、未知のダンジョン2箇所をフェリシアとオレリアに経験を積んで貰う為に行こうと思うけどどうだろう」と提案した。
みんなも賛成して『空飛ぶ車』に全員が乗り込み、ローラとダンを留守番にして【転移】した。
「キャシー、お久しぶりです!きょうはキースの未だ知られていないダンジョンが有るのを【サーチ】で見つけたからそこに潜ります。3キロ北にあるそうで見つかりにくいのか隠蔽されているのか、取り敢えず行ってきます」と言って全員のカードを出した。
『空飛ぶ車』で走り、10分弱で着いたが岩場の丘しか無い。
【サーチ】すると岩場の壁が扉になっていて、右にスライドですぐに誰でも開けれるようになっていた。
今迄岩山の一部と思い、まさか扉だとは気がつかなかったようだ。
先頭にドール、次にオレリア、イザベラ、イリア、ヒューイ、フェリシア、ジンの順番で入っていく。
1階層は出だしからオークの群が15匹襲って来る。
ドールが『雷剣』で首を落とし、オレリアは【エアカッター】を連発して討ち取って行く。
しかし、数が多く後ろからイザベラが【多連層エアカッター】を放って援護する。
やっと15匹を討ち取って、回収する。
「オレリア、【エアカッター】だけでは対処出来ない時は【ファイアボム 】を一度に10発位打って良いからね」と後ろからジンが言う。
「でもそれだと、ドールさんに影響が出てしまうと思って、やめました!」
「仮にドールの近くで破裂しても、ドールに影響は与えないから大丈夫だよ、彼女はシールドを掛けながら戦っているし、合金で出来ているから全然大丈夫だよ」
「分かりました、数が多い場合は多用します」とオレリア。
2階層にはアースドラゴンが2匹いる。
1匹をオレリアが【ファイアボム】でフェリシアも同じ【ファイアボム】でアースドラゴンを爆裂させて葬った。
「二人とも、火炎系を使って殺すなら【ファイアアロー】の方が納品をするとき魔物の損傷が少なくていいよ」とジンが同じ打ち取るのも納品を考えながらしていることを説明した。
「単に魔物に襲われてそれを殺すなら、破壊力のすごい【ファイアスプラッシュ】やそれこそ【インフェルノ】を放てば簡単だが、納品するのに魔物がハイになってしまったら納品もできないからね」と補足して説明した。
3階層は海のステージでジンが【次元ストレージ】から『潜水艇』を浮かせ、タラップから全員が乗り込んだ。
潜水し、100メートル程潜行すると、<タブレット>を【サーチモニター】として使っている画面にクラーケンが1匹映し出された。
『潜水艇』から距離にして70メートル、ジンは『魔道砲』で【ウォーターアロー】2発を放ち、顳顬と胴体に撃ちはなって殺した。
さらに進むとシールワームの群れが120匹が泳ぎ回っている。
『魔道砲』で闇魔法の【闇檻】で囲い、イリーナが【アイスロック】で全て凍らせ回収する。
陸地が見えて来て、『潜水艇』を【次元ストレージ】にしまって、4階層に向かった。
4階層岩場のステージだった。
アウルベアが2匹いる。
通常この階層になどいる魔物ではない。
フクロウににた大きな嘴を持った熊のようなモンスターで、非常に攻撃的で鋭い爪で襲ってくる。
オレリアが【エアカッター】で1匹の首を狙うが相手の動きが俊敏で1発目が不発で直ぐに2発、3発くりだし、やっと3発目で首を切断することができた。
一方、フェリシアは【ファイアアロー】を最初から顔、胴体めがけて数本放ち、胴体に当てたあと、動きが鈍ったアウルベアの額を【ファイアアロー】が見事に打ち抜き倒した。
二人とも倒し方は魔法特性もあり、違うがいろいろ経験を積めば何発も撃たずにもっと効率よく倒せるようになるだろう。
5階層はボス部屋で皆が入り終わると扉は自動で締まり固く閉ざされてしまう。
ボスを倒さない限りここの部屋からは出ることはできない。
ボス部屋には、リッチが剣と盾を持って王冠を被って座っていた。
ジンファミリーが入ってくると、薄笑いを浮かべてゆっくり立ち上がった。
直ぐにジンとイリーナが【鑑定】すると『不死の王で剣や魔法では死なない。【聖魔法】の上位の魔法で消し去るかスキルで倒すことを考えて攻めること』と表示された。
イザベラが『浄化の杖』で【聖魔法】を放つも盾で簡単に防がれてしまう。
イザベラが他の魔法を放ちながら『浄化の杖』を使って【浄化】再び放つも、又もや防がれる。
ジンがリッチを【結界】で囲みそれを【亜空間魔法】で次元の違う彼方に一瞬にして消し去った。
部屋には少し小さめの宝箱が置かれている。
【鑑定】すると『宝箱は開けるとボス部屋の天井が崩れ落ちるような罠』になっているので、【ディスペル】で解除して開けると、『インビジブルリング(透明化)』が入っていた。
あとで【複製】でファミリーに作ってあげようとジンは考えて回収する。
フェリシアとオレリアの経験値のためと、彼女たちをできるだけ攻撃に参加させたために通常より時間もかかり、その上普通のダンジョンより少しランクが高いので5階層で昼ごはんの休憩にした。
『空飛ぶ車』をボス部屋で出して、車の中のキッチンテーブルに座って皆でナポリタンの大盛りと野菜スープを食べながらイリーナがフェリシアとオレリアに初陣の感想を聞いた。
オレリアは「初陣といっても、海賊団との戦いもあったのでそれ程緊張はしていないつもりでしたが、人間より魔物の方が強力で俊敏なためにやはり放つ魔法を瞬時に打つことの大切さが身にしみてわかりました」と神妙に答えた。
フェリシアも自分が一番得意な【回復魔法】ではなく覚えたての火の魔法と風の魔法でどれだけ皆さんに貢献できるか分からずあっという間に時間が経ってしまったきがします」と未だ興奮冷めやらずの面持ちで言った。
「でもお二人とも総評としては合格よ」オレリアは魔法が使えると分かってもジンと出会うまで使ったことがない割にはかなり威力ある魔法を放っていたし、フェリシアは私も回復魔法しかできないと思っていたのに、ジンのお陰で火と風が使えるようになり、実戦で見事に使い切っていたから、お二人とも大丈夫だわ」
イザベラが「6階層からは更に強い魔物が出てくるから今度は私とイリア叔母さま、ヒューイちゃんが前衛で戦うのをよく見て魔法や剣の戦い方を学習して」と伝えた。
そんな会話を聴きながらジンは何とかチームワークとしては大丈夫だなと思って安心して、6階層に向かおうとボス部屋を出るのだった。




