第66話 荒涼のダンジョン踏破
ジンはイリーナ親娘、イリア叔母さん、アリシア・デイマール王国ギルドマスターSランク者とドールとヒューイそれに従魔のフジを連れて、皆の技術とスキルを磨くために未だ訪れたことのないシルコレア帝国のマルゲートの街にある”みのり有るダンジョン”を制覇して次の冒険の街を目指して馬車を走らせていく。
<タブレット>に『マルゲートの次にいくべき街とダンジョンは?』と打ち込みenterキーをポチった。
『マルゲートからおよそ80キロ東に行ったセビーラの街2キロのダンジョンが最適』とでたので、セビーラの街を目指してフジを走らせている。
途中で日が沈みかかって来たので、夜走るよりここで久しぶりに野営することになった。
ジンが【モデリング】でBBQができる様に作り込んで、ファングボア、マナバイソン、ウィンナーソーセージ、玉ねぎ、椎茸、人参、じゃがいもなどを出して、炭火で焼いて、女性陣には冷えたエールを出してやり、イザベラとヒューイとジンは果実ジュースを飲みながら夕食を食べている。
匂いにつられてか、オーク、フォレストウルフ、ファングボア、などの魔物が寄ってくるがドールとフジが刈り取って、倒している。
馬車の周りは【結界】で覆っているためみんなのんびりBBQを楽しんでいる。
イリーナが「ところでジン、結婚式はいつ頃する?」と爆弾発言を落とした。
「今の状態でいいじゃないですか?別に籍を入れたりしなくても・・・」とジンとしては曖昧にしておきたい様だ。
「それはジン駄目よ!子供ができたらちゃんと籍に入れて住民登録をしないと」
「この世界にもそんなシステムが有るの?」
「当然よ、ジンは冒険者登録してるから所属はレンブラントのキース支部の冒険者として登録されているのよ」とイリーナ。
「アリシアは国籍をこちらに移すのか、向こうのままで外国籍のまま子供をそだてるのか、など色々手続きすることがあるでしょ?」
「だいたい、アリシアみたいな国で二人しかいないSランクの人が他の国の人と結婚してご主人の国の人になれるのかい?デイマール王国はゆるさないのじゃない?」
「恐らく条件として、デイマールの危機の時には夫婦で助けることを条件に婚姻を認めると思うわ」とイリーナ。
「レンブラントとはデイマールは友好国なので戦争などおきませんけどプロレジア帝国とかグラバド王国などと戦争になった時には助けないとダメかもしれません」とアリシアがすまなさそうにいう。
「まぁ、俺的にはデイマール王国の王様から『王家の短剣』をもらってる関係上助けるつもりではいるけどね!」
「ジン、そうしてくれる?すまない」とアリシア。
「それで元に戻るけど、ジンはいつ頃式をあげるつもりなの?」
「それじゃ、このシルコレア帝国のダンジョンを踏破し尽くしてセモアに戻ったらあげようか?」
「私はその前に、みんなとデイマール王国の国王に報告してから式をあげたいのだけど・・・」
「そうね、それじゃ、帝国のダンジョンを半分ほど踏破したら先ずはデイマール王国に行ってそのあとセモアでささやかに式をあげましょう」とイリーナが言った。
ジンにとっては多勢に無勢で結局押し切られて帝国でのダンジョン全制覇はみんなとの新婚旅行を兼ねてやることに女性陣が決めてしまった。
夕食も終えて、馬車の中で夜を明かすことになった。
『空飛ぶ車』同様馬車も『亜空間魔法』を使ってベットを6個作り込んでいるしトイレ、お風呂場もあり、宿で泊まるのとなんら遜色はない。
フジとドールも結界内に入れて馬車を50メートル四方の結界の中に入れて保護をかけた。
真夜中に魔物が何匹か来るが結界が寄せ付けず結局何もできずに去っていき朝を迎えた。
ジンはヒューイとアリシアと朝練の素振りを始める。
アリシアも今やジン達と同様に大剣での素振りを難なくこなせる様になっていた。
ジンは5000回の素振りを終えて汗びっしょりになり、馬車の中のシャワーを浴びて着替え、アリシアもシャワーを浴びて着替え、ジンが皆の朝食をドールと準備してヒューイがシャワーから出て来るのを待った。
とりあえず先に3人がピロシキとボルシチのスープにマナバイソンのガーリックステーキを食べて魔法師3人がおきて来るのを待っている。
イザベラが真っ先に起きて来た。
「ジン達はもう、食べたの?」
「俺たちは朝練で腹ペコだったし、先に食べ終わったぞ!」
イリーナ、イリアも起きてきて朝食を食べ終えて、フジが引く馬車は動き出した。
セビーラの街に早めに着き冒険者ギルドに入って、受付にダンジョンに潜る旨伝えると「”荒涼のダンジョン”は未だどなたも踏破しておりませんので地図とダンジョンコアを期待しております」と言ってカードに履歴を打ち込んで返してくれた。
既にこの時点で”ジンと6人の魔女達”の冒険者ランクは全員がSSランクになっており、ジンがSSSクラス、他全員がSSクラスになっていた。
セビーラの街から2キロと離れておらず馬車で向かって、直ぐに着いた。
入り口は岩山に大きな穴が空いていて、近寄ると階段が見えている。
兵士にジンのカードを見せて、ドールを先頭にアリシア、イザベラ、イリア、ヒューイ、イリーナ、ジンの順に階段を降りて1階層のたどり着く。
”荒涼”というだけあって、岩肌が露わになった殺伐とした感じのステージでホーンラビットが20匹、コボルトが15匹、更にはバンデットゴブリンが20匹とかなりの魔物がいる。
ドールとアリシアでホーンラビットを、コボルト15匹はイザベラ、イリアが、
バンデットゴブリンはヒューイがそれぞれ数分かけて殲滅した。
「あら、私とジンは何もしないで手を握り合っていればいいのね!」と娘のイザベラに冗談を言うと、コボルトに対して【エアカッター】を連発しながら、「お母様、抜け駆けは許さないわよ」と真剣に言って来る。
「イリーナさん、あまりイザベラが戦っている最中に冗談でも気が散りますから刺激しないでください」
「あら、ジン、あの程度の相手なら周りを見ながら余裕を持って戦えなければ駄目よ、ジンだっていつも周りを観察しながら戦っているじゃない」
言葉では常にイリーナに負けるジンはその後だんまりで全員が殲滅するのを待っていた。
2階層に行く。
荒涼とした野原にファングボア10頭とオーガが2体いる。
オーガは大剣を構えている。
ここはイリーナがファングボアを、ジンがオーガに対峙する。
イリーナが【アイスロック】で突進力のあるファングボアの足を止めて【アイス・二ードル】で10匹全部を一人で刈り取った。
ジンの方は『煌剣』を構えてオーガに横一線ブーンと音を立てながらすごい斬撃を放つと二人のオーガの大剣もろとも体まで2体一緒に切断されてしまった。
剣士のアリシアが驚きの表情で見てヒューイに「パパさんの『煌剣』での戦いを毎度見てるけど、あれを普通の剣で防ぐのは無理ね!」
「無理無理、あの『煌剣』は全てを切り裂くのでシールドを4、5層かけてやっと守れる破壊力だから岩竜の甲羅も簡単に斬撃できるわ」
3階層はドラゴントカゲ3匹、4階層はオーク20頭とオークキングをドールと
イザベラ、ヒューイとアリシアが順当に討伐して5階層のボス部屋にきた。
ドールが扉を開けて皆が入ると扉が閉まり、倒すまで扉は開かない。
相手はマンティコアだ。
人の顔にライオンの体、尾はサソリの尾を持つ人喰い魔物だ。
ヒューイが『神龍剣』を構えてマンティコアが飛びかかって来るところを下段から上に剣を一振り振り上げると人面の首が落ちてあっけなく斬り殺した。
側には宝箱があり、『聖者の杖』と書かれたメモとともに1本の小さな杖が入っていた。
イリーナが【鑑定】で『全ての病気、呪いを解き、人々を正常に戻し、全ての邪悪なものを浄化する杖』と出た。
「イザベラは既にこの力を持っているから、これは私が持っておくわ」とイリーナがこの杖を持つことになった。
6階層は荒涼とした砂漠が広がっている。
『空飛ぶ車』に乗り込み、2メートル砂上を飛んで【サーチ】をかけるとサンドワームが2匹、スコーピオンキングが1匹それぞれ200メートル先にいた。
イリアが『魔道砲』に向かって【サンドアロー】と呟きサンドワームに放つと、砂の槍がサンドワーム2匹を串刺しにして葬った。
スコーピオンキングにも同様に放ったが硬い外皮に弾かれて、霧散してしまう。
ジンが『魔道砲』にレーザービームと念じてスコーピオンキングを射抜く。
硬い外皮も砕いて討ち取ってしまった。
7階層、8階層と順調に魔物を殲滅して9階層にやって来た。
9階層は周りが氷の山に覆われ、体感気温も零下二十度ぐらいだ。
全員がシールドをしているので活動するには支障がない。
青龍が『ブリザード咆哮』を吐いて威嚇して来る。
当たれば一瞬のうちに氷漬けになって死んでしまう。
薄いシールド程度は破壊されてしまう。
ジンはシールドもかけず青龍に向かって『煌剣』を一閃すると、あっという間に青龍の首がずれていき氷の地表に落ちた。
10階層は今度は真逆の火山地帯だ。
黒龍が高温の火炎咆哮を吐いている。
アリシアが『シールドの指輪』で身を守り、『魔剣ジンの剣』で【縮地】から一気に間合いを詰めてジャンプし首めがけて剣を薙いだ。
硬いドラゴンの首も柔らかいものを切る感じで綺麗に切断した。
宝箱には『雨を降らす指輪』が入っていた。
干ばつで田畑に食物などができない地域とか飲料水が干ばつで干上がる時に使える。
【次元ストレージ】に入れた。
ダンジョンコアを持って、転移盤に乗り込み1階層の出口に戻った7人はギルドに戻って来た。
素材置き場に討伐した魔物を納品して、ギルドの食堂でエールと果実ジュースを飲みながら待っていると30分ほどで、納品書ができて、受付に”荒涼のダンジョン”を踏破しましたといって、ダンジョンコアと地図に納品書にカード7枚を添えて出した。
慌てて受付嬢がギルドマスターを呼んでくる。
「初めまして、私はここセビーラの街の冒険者ギルドのギルドマスターをしていますトムソンです。高名なジン様一行にお会いできて感激です」
「ご丁寧な挨拶、いたみいります。ダンジョンコアと地図です」
「すごく大きいですな」とコアの大きさに驚いているギルマス。
「今後ともこの国のギルドをよろしく」といって上に上がって戻っていった。
「ジン様、カードをお返しいたします。ジン様のカードに入金させていただきました。白金58枚、金貨75枚、銀貨48枚、銅貨65枚です」
「ありがとう!」と言って7人は馬車に乗り込み、次の目的地に向かった。




