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第56話 久しぶりのキース

ソルンの街で未だ誰にも知られていないダンジョンを<タブレット>の【GOD】で検索して教えてもらったダンジョンを制覇して、ソルンで換金しようとしたがそこのギルマスが酷い人物で、ジン達は呆れてしまい、魔物の納品とダンジョンコアはキースに持っていくことにした。


ジン達一行は国境に向かって『空飛ぶ車』を走らせている。


ソルンの街を出て3時間ほどで国境の街レンブラント王国のアヌースの街に無事入った。


アヌースの郊外に車を止めて、【結界】を張って夕食を取ることになった。


ジンが『美食の皿』からピザのマルゲリータの大判を2枚、ペスカトーレの大判2枚、マリナーラ大判2枚、カプリチョーザ2枚とエールにジンジャーエールを出して皆んなで分けて食べる。


勿論、アリシアにとっては初めての食べ物だ。

食べた瞬間、”なんと美味しい食べ物なんだろう!ジンジャーエールもお酒ではなくとてもピザにあう飲み物だ。このまま2年といわずずっとこの人たちと旅を続けてスキルを磨いていきたい”と思ってしまう。


「ジン君、我々全員と結婚して毎日料理を作ってくれると嬉しいわ!毎晩日替わりで熟女、幼妻、熟女と1週間夜の相手が変わっていいじゃない?」とイリーナさんが爆弾発言をしてジンはジンジャーエールを噴き出す始末。


イザベラが本気になって怒っていた。


アリシアはこの親娘の会話についていけず、どこまで本気なのか面食らっている。


その点ヒューイは慣れたもんで「イリーナお母さんは早くご主人を無くして欲求不満のようね」と平然としている。


ジンはウブなのか、この手の会話は苦手なようですぐに話題を変えようとする。


「イリーナさん、キースに着いたらハリス侯爵に『遠距離通話器』でキースに居ることだけ伝えてもらえませんか?何か問題あれば対応できるし、特に3人は魔法師組織のメンバーの一員なんだからその組織の状況なども聞きたいでしょ?」


「私はあまり侯爵達と関わりたくないわ!ジン君とダンジョンやクエストを受けてスキルを磨く方がいいもの」


「そうは言っても、セリーヌさんはレンブラントの筆頭魔法師ですよ!」


「いっそのこと、西海岸のセモア辺りで皆んなが住める家で訓練して未踏破のダンジョンや古代人の遺跡探検をしたいわ」


「それに関しては私もお母様に賛成だわ」


「俺たちの拠点を騒がしい都会ではなく田舎で暮らしながら『空飛ぶ車』で移動するのですか?」


「そうよ、家の地下に競技場を設け、出かけないときはそこで模擬戦をして技術を磨くの、ジン君も気が付いていたでしょうけど、私たちの魔力が上がっていたでしょ?効率も良くなって居るし、以前ならイザベラの【エアカッター】は黒龍に刃さえ通らなかったのに、今では首を切り落とせるまでになったわ、異界の魔物が出たらジン君に任せるとしても先日のように公国のスタンピードがこのレンブラントでも起きないとも限らないわ」


「そうですね、少し広めの更地を購入して、俺の考える家であればみんなも気にいるし、アリシアにゆっくり剣技をつたえられるからいいかもしれないね、キースに居る間に設計図を作って見ますよ」


アヌースの郊外で車を止めているので周りはとても静かだ。


「アリシア、模擬戦をしよう!相手してあげるよ」


「ヒューイ審判してくれ」


「審判って、合図だけでしょ?いいわ」


アリシアはジンと模擬戦ができると嬉々として剣を持って外に出た。


ジンも『煌剣』で対応する。


「それでは、始め」とヒューイが合図を送ると、まずはじめにアリシアが【縮地】で動いた。


ジンは未だ動かない。


アリシアが突きを出して攻めてくる。


剣筋が素直すぎて躱し安い、「アリシア素直すぎて直ぐに躱せるぞ、もっと本能的に動けよ、あるいはフェイントを使って目先を変えないと」


ジンが攻撃に転じてアリシアは剣を手から落とされる。


ジンが胴を狙ってきたと思って剣でかわそうとしたら、小手に来て、峰打ちとはいえ、厳しい一打を食らってしまった。


手が痺れてしばらくは剣が握れないほどだ。


「アリシア、俺はアリシアのどこを狙って次はここを狙ってなどと考えて剣を繰り出してなどいないぞ!アリシアの隙を見つける、あるいは隙を作るための工夫は考えるけどとにかく隙があればそこを突く、ただそれだけだよ」


「明日またやろう」とジンは言って、車に入った。


イリーナ、イザベラ、イリアはお風呂から上がりナイトガウンを来てお茶を飲んでいた。


「アリシアもお風呂入ってさっぱりしてきなよ」


「次にヒューイで良いぞ!」とジンがヒューイに声をかけた。


「ジン君、アリシアさんはどう?」


「うーん、彼女は根が真面目なので素直すぎるのが裏目だね!イリーナさんみたく老練のいやらしさが出れば更に強くなるのだけど・・・」


「あら、褒め言葉として受け取るわ!」


「もちろんです、褒めてるんです」


「ハリス侯爵には、私から連絡しておきます」とジン。


「そうしてくれる!私は出来るだけ接点を避けるわ!」


しばらくしてアリシアもヒューイも風呂から上がってきて、ジンが最後に入ってゆっくりして出てきた。


明日は久しぶりにキースの街だ。


早めに寝てキースに朝のうちに着きたい。


朝食をかなり早めに食べて、朝の9時前にはキースに着いた。


先ずギルドに行って久しぶりにキャシーさんに挨拶して、ソルンのダンジョンの件を話して、ダンジョンコアや討伐した素材の買い取りをして貰う事になった。


素材置場に行くと、見知った顔が「おお、ジン君お久しぶり!相変わらず活躍しているそうで、きょうはまた何ですか?」


「実は他の国のダンジョンを踏破したのに、コアと魔物だけは置いて行けと言うので、頭来てそのダンジョンを誰も入れない様に塞いで、ギルドマスターを首にしたんだ!その素材とダンジョンコアをこちらで買い取ってくれると言うので持って来ました」


「じゃそこに出して食堂で待っててくれる?納品書を出来次第持って行くから」


「すみません、お願いします」


ジンは矢張り慣れているキースが気心知れていていいなぁと感じていた。


納品書が出来ダンジョンコアと納品書をカードと一緒にキャシーに出した。


「ジン君、凄いわ!大物の魔物ばかりじゃない。コアも凄く大きいし、精算金は白金45枚、金貨53枚、銀貨65枚、銅貨80枚よ!」


「キャシーさん、申し訳ないね、他国のダンジョンなのに買い取って貰って!」


「大丈夫よ、ダンジョンコアも手に入るし、ドラゴンの素材も有るし、うちのギルドも儲かるから助かるわ」


「ありがとう」とキャシーに礼を言って『空飛ぶ車』に戻り"魔女の道楽"の店にいった。


イリーナ達がドロシーさんとお茶を飲みながら話し込んでいた。


アリシアは空間魔法を使った『マジックテント』を偉く気に入り、買いたいと言っていたのでヒューイが、パパが作ったヤツだと教えるとびっくりしていた。


「アリシア、今度君の国の王都のギルドに30張り程作って渡そうよ、ギルドが冒険者に売れば良いよ」


「是非お願いします」と言われた。


ジンはハリス侯爵に連絡を入れ、しばらくキースに滞在する旨伝えると「儂も明日にはキースに戻って来るので、明後日にでも家に来てくれ」と言われてしまった。


まぁ、アリシアを連れて剣術談議して帰れればと思っているジンだった。


キースでは"魔女の道楽"の隣の宿、"とまり木"に宿泊して『フジ』を"魔女の道楽"の厩舎に繋いで、1泊居る事にした。


"とまり木"のローリーに1泊でツイン2部屋、シングル2部屋予約して、きょうの夕食はドロシーさんを入れて宴会をする事になった。


ヒューイは夕食迄寝ていると言うので、ジンは"魔女の道楽"の作業場を借りてアリシアの魔剣を作り始めた。


今アリシアが使用している剣と全く同じバランスで、何でも切れるミスリルとチタンとダマスカス鋼の合金にして、耐久性も持たせ、魔法特性を火と風を付加して、【エアカッター】や【ファイアカッター】を剣を一閃した時に繰り出せるように作り込んだ。


夕食前には出来上がり、アリシアに軽く振って貰う。


「ジン君、今迄の剣と全く変わらない感覚で振れるぞ!しかも、今迄の剣の何十倍もの斬れ味だ!素晴らしい」


「アリシア、ここで【エアカッター】をやって見る訳には行かないので、明日でもクエストを受けて魔物で試してくれ」


アリシアは感激のあまりジンに抱きついてキスをしてしまった!


気が付いて、慌てて離れて謝るアリシア。

ジンは真っ赤になり、何も言えない。


「あらあら、ライバルがまた増えちゃったわね!」とイリーナが笑っていた。


夕食の時間になったので、お店を閉めて、隣の"とまり木"に皆で向かった!


ジンは念話でヒューイに降りて来るように言い、2階から寝起きの顔で降りてきた。


イリーナがエールを4人分、果実ジュースを3人前頼み後はお任せでツマミを8人分頼んだ。


宿は冒険者達がよく利用する宿で、夕方ともなると冒険者達で溢れかえる。


此処ではイリーナ、イザベラ、ジン、ヒューイは冒険者仲間でも超有名人だが、旅をしながらの冒険者達には、単なる超美人集団に優男がひとりいる感じに見られていた。


ジンがエールを冷やしてあげて皆で乾杯をする!


アリシアが冷たいエールを一口飲んでびっくりしている。


「アリシア、美味いだろ?俺だって酒の美味い飲み方位知っているんだぜ!」とおどけて見せるジン。


「本当に!エールを冷やすとこんなにも違うのか?別のお酒の様な気がするな!」とアリシアが驚いている。


「アリシアさん、これだけでもジンを旦那さんにしたくなるでしょ?私達魔法師が3人もいて、この無属性魔法の【冷却魔法】は誰も出来ないのよね!凍らす事なら私とイザベラは出来るのだけど」と笑って言う。


「パパ、このファングボアの生姜焼き美味しいよ」とお酒は飲まないヒューイは食べてばかりいる。勿論ジンも同様だ。


アリシアも少し酔いが回ってきたのか「ジンはお酒は飲めないのか?」と君ずけでなく呼び捨てになっていた。


「俺はエールが苦手なんだよ、ワインとかウイスキーはいける口なんだがな」


その時酔った冒険者が近づいて来て、「坊やは酒じゃなくママのオッパイでも飲んでな!俺がここの綺麗な姉ちゃん達を可愛がるから」と言った瞬間「パパを侮辱する馬鹿は消えなさい」とヒューイが口で吹いて、外の道路迄吹き飛ばした。


吹き飛ばされた仲間の冒険なのか3人が席をたって向かおうとすると、周りの冒険者達が「相手は皆Sランクの連中だぞ、特にあの青年は魔王より強いからやめな!」と止められていた。


吹き飛ばされた男が剣を抜いて斬りかかって来るが彼の両手が消えた。


悲鳴をあげてのたうち周りジンが手を翳して再び再生させてやる。


相手の男は仲間の所に戻り震えているばかりだった。


イリーナ達は慣れたもので、エールの追加を頼んでまたまたジンに冷やして貰っている。


アリシアだけがジンの真の凄さを垣間見て、驚いていた。


「イリーナさん、家を建てる話、本気で考えて良いのですか?」とジンが話を振った。


「私は真剣に考えているけどイリアやイザベラはどう?」


「わたしも王族派とか貴族は中立派等に縛られずにジンの美味しい食べ物を食べて、冒険出来ればいいな!」とイリアがジンを見つめて色っぽく言う。


「イリア叔母さんまでジンのフアンなの?」とイザベラ。


「あら、だって私未だ男はジンしか知らないもの!」


「ちちちょっと待って!叔母さんもうジンとそう言う関係?」


「何言ってるの、私の知り合いはジンしか居ないと言っているのよ」


「あのねぇ、紛らわしい言い方やめてちょうだい!」


「何焦っているの?この国は一夫多妻が許されるからイザベラが二号でも大丈夫よ」


「いえ、私が1号です、じゃない、そう言う事ではなくヒューイちゃんも入れて女性ばかりの家に男性のジンがひとりだけ居るのは問題ないの?」とイザベラ。


「他の男がいた方が鬱陶しくて問題だわ」とイリア。


「話がズレたから戻すが、その場合、セモアの様な田舎で良いのかな?」とジン。


「何か有れば【転移】が使えるし、『遠距離通話器』が有るから、家を持つなら田舎だわ」とイリーナが言う。


「わかった、そしたら明日セモアに土地を見に行って見る?」


「ええ、良いわね!行きましよ!」


「アリシアさんにもその方が剣を教える時間がたっぷりできて良いわよ」とイリアも賛成する。


宴会は結局家をどうするかの話し合いになったが、取り敢えず飲んで食って楽しい時間が過ぎた。




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