第29話 スキルの考察
ジンは侯爵様に古代人の遺跡探査の結果と魔法の全く発動できない”ルーバレー”のダンジョン踏破の模様を説明し、そこにいた最下層の人工の魔物の強度を知る為に一緒に冒険者ギルドに行った。
『剣聖』の称号を持つハリス侯爵の剣でも破壊できない人工の魔物の金属、それと同等の異界の魔物ヘルティラノドラゴンの強さをハリス侯爵も感じ取った。
翌日、ジンは魔法に頼らず、その人間が持つ固有のスキルをどうすれば増やせるのか?だいたいスキルって増やす事ができるの?と資料を読み解いて行った。
ヒューイとドールにはお店を手伝うように言って、ひたすら本を読み解いていくジン。
古代人が記したスキルの数々を<タブレット>のスキル表示に有るのか順番に調べていく。
表示が有れば、ジンはスキルを発動できるが、ない場合は自分にはそのスキルがないという事だとジンは理解していた。
しかし、古代人の解説書にはスキルは訓練すれば有る程度身につくものだと認められていた。
<タブレット>の【GOD】に聞いてみる。
『ジン君、君の剣技、体術のスキルは生まれ持ったスキルではないでしょ?幼い頃から叔父さんに鍛えられて身についたスキルです。ですから、持っていないスキルでも訓練し、努力をすれば新たなスキルを手に入れる事ができるのです』
”なるほど、確かに生まれ持ったスキルなど、もしかしたらないのかもしれない”とジンは勇気が湧いて来た。
本に記されていたスキルで彼が気になったスキルをピックアップして順番に検証していくことにした。
【時間を司るスキル】、【魔力を感知、量を知るスキル】
【魔力の流れを感知するスキル】、【霊を見るスキル】
【察知されないスキル】この辺りを一つ、一つやってみる。
【時間軸操作スキル】というのが<タブレット>に表示されている。
”もしかして、俺って時間を操れるのか?”と<タブレット>のスキル欄をポチった。
”【時間軸操作スキル】がレベル100に上がりました”と声が聞こえ、自分以外の周り10メートルが10秒止まっているのがわかった。窓に飛んでいる鳥が空中で止まっている。
更に<タブレット>をクリックして【時間軸操作スキル】を発動すること3回、”【時間軸操作スキル】が限界値に達しました。今後はアナウンスはされません。止めるだけでなく戻すこともできます”と頭に声が聞こえた。
<タブレット>で時間軸を進めることは?と打ち込んでenterをおすと『未来を決定するにはあまりにも他の変数が多い為、時間軸操作だけでは不可能』と表示された。
”【時間軸操作スキル】が測定不能になりました。停止時間が5分、範囲が100メートルになり限界値です”と声が聞こえた。
次に【魔力感知】、これは相手がどの程度の魔力なのか今までの人の研ぎ澄まされた感覚で高いか、低いか程度はわかったのでそれを更に磨けば良いと感覚的にわかっていた。
階下に降りて、作業場で魔道具を作っているイザベラを横でじっと眺め魔力を探ろうと感覚を研いだ、
”【魔力感知】が発動されました。レベルが100になりました”と頭に声が響いた。
更に作業をしているイザベラを眺めていると彼女の魔力量がうっすらと頭に塊として出てきた。
そして数秒後に彼女の魔力量が110というように数字が頭に閃いた。
”【魔力感知】が限界値に達しました。今後は自動的に発動できます。尚、今後はアナウンスはされません”と声が響いた。
ジンはお店の方に行き、イリーナを見つめると直ぐに魔力が130だとわかった。
イリアは100だ、何れにしても遺伝なのかな?3人ともこの世界では並外れた魔力量だというのがわかった。
また、その時、ジンはイザベラの魔力の流れが作業場から発せられているのがわかった。
”【魔流感知】のレベルが上がりました”と声が聞こえた。
巨大な魔力が店先から流れてくるのはヒューイの魔力だ。
ドールの魔力は機械的な魔力で特徴がある。
色々気にかけて観察した結果”【魔力感知】、【魔流感知】が限界値を超えました、今後はアナウンスされません”と声が響いて来た。
ヒューイの魔力は今現在【MP】1億、ドールの【MP】1000だとわかった。
次は【霊視】スキルだが、これはお墓にでも行った方がいいのかな?とジンは悩んで機会が有るまで保留にした。
察知されないスキルは【隠蔽】で補えるので特に、魔力を抑えたり、気の流れを抑えたり、殺気を抑えたりと普段しているので今でも自然にジンには身についているスキルだった。
ちょうど昼ごはん2時間になったので、キッチンに向かい、ジンが『美食の皿』からスパゲティーのナポリタンを6食分だして、ヒューイが2食分食べ、コンソメ野菜スープを用意して待っていると、イリーナ、イザベラ、イリアがそれぞれ席についた。
「ジン君、何かの訓練をしていたの?私たちの事をじっと観察してたじゃない?惚れられたのかと思ったわ?」とイリーナ。
「いいえ、決してそんなことは、でも熟女もいいですが、魔力察知の訓練をしていたのです」
「ジンはもともと【鑑定】が有るから察知する必要はないじゃない?」とイザベラが言うが、
「【鑑定】と【察知】は根本的に違うもの、鑑定は対象物が目の前にいてそれを鑑定するでしょ?でも察知するのは未だ見えてもいない、隠れていてもその魔力量を測れるのとでは意味が違うんだ」
「イザベラは隠れている人から弓矢で狙われたら避けられる?」
「急に来るのは無理だわ!」
「でも、俺やヒューイは【殺気】を感じてわかるでしょ?そしてその時の相手の力量もわかれば対処しやすいじゃない」
「ジンはいつも街中歩いていてそこまで神経を研ぎ澄ましているの?」
「別に研ぎ澄ませていなくても【殺気】や敵は直ぐわかるよ、それと同様に魔力量もとっさに直ぐわかるところまでレベルをあげときたいだけ・・・」
「冒険者SとCランクの違いだわね!」とイザベラが呆れていた。
午後からは<タブレット>のスキル部分で未だポチっていないスキルを全て押していってみる。
【耐熱】、【耐寒】、【耐毒】、【解毒】、【匠】、【魔法解析創造】、【エンチャント】、【サーチ】、【鑑定】、【100倍】【100倍時計】、【万能言語】、【翻訳】、【錬金術】、【万物創造】、【時間軸操作】、【魔力察知】、【魔流感知】、【精霊感知】、【眷属】、【転移】、【シールド】、【結界】、【複製】、【復元】、【弓術】、【棒術】、【投擲】・・・
しょっちゅう使っているものから、タップさえしていないスキルもかなり有る。
今後は【錬金術】と【変身】、【復元】あたりを訓練しようと考えるジン。
1日かけて<タブレット>に表示されていたスキルを1回はポチって、興味あるものは2、3と繰り返して、限界値に達しましたと声が聞こえるところまでやってみるのだった。




