第25話 ヒューイとドールの検証
イリーナが3日ほど早めに退職して、改めて”魔女の道楽”のオーナーに返り咲いた。
ジンはドールの性能を上げるため【飛翔】魔法と水中で自由に動くように改良し、ヒューイには『神龍剣』を作ってあげた。
そして、彼女ら二人の新しいスキルをテストすべくダンジョンにいく予定で朝食を食べに降りて来た。
ジンとヒューイが降りて行くとイザベラが既に朝食を用意してくれていた。
「イザベラ、ありがとう」
ジンとヒューイは食べ終えると直ぐにドールを連れて冒険者ギルドに向かった。
「リリアン、きょうはタウンベール管轄のダンジョンに行って来る。ここで申し込んで精算しても構わないだろ?」
「はい、大丈夫です。あっ、すみません、ジン君のランクがSクラスになったのでプラチナカードに差し替え致します。少々お待ち下さい」
リリアンがカウンターの奥に入って暫くしてから、新しいカードを持ってきた。
ジンは3人で裏にまわり【転移】と【MAPing】を併用して"幻惑のダンジョン"の入口に現れた。
衛兵にカードを見せると驚いていたがスルーして1階層に向かった。
1階層目は目視が効く明るさの岩がゴロゴロ有るステージだ。
ゴブリンが20匹ほどメイス(棍棒の様な武器)を振り回して襲って来るが、ドールとヒューイが剣で首を落とし、耳を切り取って行く。
後ろにゴブリンシャーマンが1匹居るがヒューイの『神龍剣』が呪術を奪い取り発動させず首を落とし、耳を切った。
2階層は平原ステージにオークとオークキングがいて、全部で22匹居る。
ドールが『雷剣』、ヒューイが『神龍剣』を抜き【瞬足】を使って瞬殺して行く。
最後にオークキングが大剣を構えて立って居るが、ジンが『煌剣』を一閃すると、大剣ごと首が飛んだ。
3階層は森林ステージだ!
フォレストボアが3匹すごい勢いで突進してくる。
ドールが【エアカッター】を放つと、一度に3匹が足を切られて前のめりに倒れこむ。
そのあと、ゆっくり首を切り落とした。
フォレストウルフが20匹向かってくるが、ドールが『雷剣』でヒューイが『神龍剣』で10匹ずつ相手をして、首を切り落として行った。
ジンが【次元ストレージ】に全てを回収して次の階層へと進んだ。
4階層は砂漠ステージでドールの【飛翔】魔法をチェックする良い機会だ。
ヒューイは龍の姿になり、ジンとドールは【飛翔】を掛けて、砂上2メートル上を【サーチ】を掛けながら飛んでいく。
ドールも上手く【飛翔】をマスターできて居るようだ。
【サーチ】にサンドワームが2匹かかった。 どうやらジン達を狙って居るようだ。
ヒューイが【火炎咆哮】で砂を真っ赤に溶かし飛び出して来たところをドールが『雷剣』で2匹とも切り倒した。
更に飛び続けて居ると、サンドスコーピオンが1匹毒針だけを砂からだしている。
ヒューイが摘まみ上げて、毒針を引き抜き砂から出た頭部の両ハサミも引き抜いて頭を潰して回収した。
ドールの【飛翔】も全く問題なく【エンチャント】されている。
5階層は岩場のステージで、フクロウに似た大きな嘴を持ったアウルベアが2匹いる。
ドールとヒューイでそれぞれ【縮地】を掛けて間合いを一瞬で詰め、首を切り落として殺した。
更に奥に岩竜がいた。
ジンが甲羅の上に飛び乗り、掌底破を放った。
内臓を破壊され岩竜は苦しみながら死んだ!
宝箱は岩竜がいた側に有り、罠を確認しながら開けると、マジックアイテムの『万能合鍵』が入っていた。
【鑑定】すると、どんな扉、どんな鍵の掛かった所でも解錠出来ないものは無い万能合鍵とでていた。
ジンが【次元ストレージ】に回収する。
6階層は海のステージだった。
ドールの水中での動きを確認するには絶好の機会だ。
3人で海上を飛びながら【サーチ】を掛けていると、ケートスが掛かった。
ドールが海中に飛び込んで、足裏からマナを放ちながらすごいスピードでケートスに近づき、『雷剣』を刺して、雷で殺した。
海中から海上に飛び出して再び【飛翔】を始めるドール、足裏の改良も上手く作動して動けているようでジンもホッとした。
ドールが巨大なケートスを担いで飛翔して来たので慌ててジンが【次元ストレージ】に回収した。
7階層に向かった。 7階層は廃墟跡のステージだ。
悪霊のレイスが1体うごめいて居る。
レイスが発する幻惑の気にドールの足が止まった!
ジンは直ぐに『煌剣』でその幻惑の気を霧散させる。
「ドール、君は少し後ろに下がって俺とヒューイに任せろ」
「申し訳ありません、ご主人様」
「気にするな、それぞれ得手不得手があるから」とジン。
ジンは『煌剣』を抜き、レイスに向かって横一閃に薙いだ。
「ぎやぁー」と悲鳴をあげたレイスは黒い霧になって霧散した。
更に廃屋を進むとキラービーの群れ3000匹が頭上から襲ってくる。
ジンは自分の体に【シールド】をして居るため全然問題はない。
3000匹を纏めて【結界】で囲い、どんどん小さくして纏めて潰し、5センチ四方の塊にして回収する。
更に奥にはオーク3匹に守られて、オークのシャーマンがいる。
シャーマンが呪術を唱えてオークの3匹を300匹に見せてくる。
ジンが【鑑定】をして、シャーマンの呪術の種類、性質を見極め、ヒューイに『神龍剣』でシャーマンの呪術を奪い捨てろと言い、ヒューイが剣を構えて念じると300匹の幻影は消え失せ、ヒューイによって一瞬で3匹のオークの首がはねられた。
シャーマンはジンが『煌剣』で3メートル離れたところから上段より打ち下ろすと頭から縦に真二つに別れて、死んだ。
その奥にはバンパイアキングがいて、ドールに向かって【ダークアロー】を放ってくるが、ドールの合金に跳ね返された。
更に【コキュートス】を掛けてくるがドールには全く効かない!
【ブラックハプノイズ(闇催眠)】で暗闇に引き込み催眠をかけるがドールのAIが働き催眠を拒絶して『雷剣』でバンパイアに雷をおとす。
ズドンとすごい響きとともにバンパイアキングに雷が落とされ真っ黒に焦げるが、直ぐに再生されてしまう。
はたから見ていたヒューイが『神龍剣』で【神級浄化】を放つと悲鳴をあげながら、身体中に穴が空いて向こう側が見えて最後は消えてしまった。
「ヒューイ様、ありがとうございます」
「いいよ、わざわざお礼なんて!仲間じゃん」ヒューイが照れた。
この階層のステージは幻惑の術や闇魔法を使う魔物がいてそれなりに3人の経験値にはなったとジンは感じている。
「ドールもいい経験になったな、家に帰ったら対幻惑や闇魔法に対しての耐スキルをエンチャントしてあげるよ」
「はい、足手まといにならないためにもよろしくお願いします」
ヒューイが「全然足手まといじゃ無いから大丈夫よドール」と言い、ドールもアンドロイドなのに顔を赤らめヒューイに感謝の笑顔を返していた。
8階層に進む。 そこには【ブリザード】を放つ青龍が1匹いた。
3人を直ぐに察知して【ブリザード咆哮】を放ってくるが龍に体を戻したヒューイがそれをいともなく【火炎咆哮】で霧散させた。
ドールが『雷剣』で青龍の頭に雷を落とすと、頭が吹き飛んで死んだ。
ジンは牙なども大切な魔道具の素材になるので、回収して【次元ストレージ】に入れた。
9階層は火山ステージでキマイラが2匹、赤龍が1匹いる。
ドールとヒューイにキマイラの2匹を対応してもらい、ジンは赤龍に対峙した。
赤龍が強烈な【火炎咆哮】でジンを焼き溶かそうとするが、『煌剣』を一閃して、炎を切り裂き、首を一気に切り落としてしまった。
一方のキマイラの方はドールとヒューイが『雷剣』と『神龍剣』で【瞬足】で一気に近づいて攻撃を受ける前に簡単に首を落としていた。
10階層はラスボスの部屋だ。
ドールが扉をゆっくり開けると、頭は蛇の髪の毛で覆われ、360度くるくる首が回るメデューサが椅子に座っている。
ジンは『煌剣』に念話で[『煌剣』俺は目をつぶってメデューサの目を切り、魔眼が使えないようにするから、君の刀の目で一閃してくれ]
[かしこまりました、お任せを!]と返事が心に響いて来た。
「ドール、俺が魔眼を切り、効かなくしたら首を切り落としてくれ」
「了解です、ご主人様」
「行くぞ!」ジンはメデューサと5メートルまで目をつぶりながら近づいて、横一閃に『煌剣』を薙いだ。
「ぎゃー」とメデューサが悲鳴をあげ、目から血が流れ潰された。
ドールが【縮地】で一瞬で間合いを詰めて首を切り落とした。
それでも未だ髪の毛の蛇がうごめいているが、ジンが『煌剣』で上段から頭蓋骨をかち割った。
ついに、メデューサを倒して側の宝箱を開けた。
中には『魔力鑑定水晶玉』が入っていた。
触った人の魔力特性と魔力量がステータスボードのように目の前に現れると出ていた。
”魔女の道楽”に置いて置けると、ジンはそれを回収した。
ダンジョンコアがかなり大きく、ドラゴンが2匹もいたのが影響あるのか、割と高ランクの魔物が多いダンジョンだった。
ダンジョンの最下層に付いている転移盤で1階層の入り口まで戻って来た3人は衛兵に挨拶した後、タウンベールから一気に王都ダルゼに戻って来た。
ジンは素材置き場に大量の魔物たちを置き、冒険者ギルドの食堂でヒューイとドールとで果実ジュースを飲んで待っている。
勿論ドールは飲む必要がない。
かなり待って、やっと納品書が出来上がり、係員が持って来た。
「リリアン、”幻惑のダンジョン”のダンジョンコアとこれが地図、それと納品書にカード」と言って渡した。
「凄いわ!ジン君は流石Sランクね」と言ってカウンターの奥に行った。
しばらくして「ジン君今回はドラゴン2匹や岩竜やオークシャーマンがいたのね?メデューサも倒したから凄い金額よ、白金58枚、金貨95枚、銀貨92枚、銅貨98枚よ!カードに入れる?」
「うん、いつもの通り頼むよ」
「ジン君100単位を超えているから全部繰り上げて白金351枚、金貨80枚、銀貨77枚、銅貨81枚にしました」
「うん、その方がいいよ、銀貨200枚と言われても金貨2枚と言った方がスッキリするからね、ありがとう」
3人で歩いて”魔女の道楽”に戻ってきた。




